平成28年度「全国学力・学習状況調査」の結果について

保護者の皆様へ
日南市教育委員会
平成28年度「全国学力・学習状況調査」の結果について
保護者の皆様におかれましては、日頃より本市教育の推進に御理解と御協力をいただき、心より
感謝申し上げます。
本年、4月19日(火)に、全国の小学校6年生、中学校3年生を対象に、国語、算数・数学の「全
国学力・学習状況調査」が行われ、9月末に文部科学省より結果等が公表されました。本調査の結
果から、日南市における対象学年の児童生徒の学力・学習状況の現状と課題をまとめましたので、
その概要をお知らせいたします。
全国学力・学習状況調査の「調査目的」と「調査内容」
【調査目的】
全国学力・学習状況調査は、国の教育施策の検証・改善を図るとともに、学校での
教育指導の充実、検証改善サイクルを確立することを目的に、全国一斉で、毎年実施
されています。
【調査内容】①教科に関する調査
主として「知識」に関する問題(A)
身に付けておかなければ後の学年等の学習内容に
主として「活用」に関する問題(B)
知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力
影響を及ぼす内容や、実生活において不可欠であり や、様々な課題解決のための構想を立て実践し評価
常に活用できるようになっていることが望ましい知 ・改善する力
識・技能
など
など
②生活習慣や学習環境等に関する調査
児童生徒に対する調査
学校に対する調査
学習意欲、学習方法、学習環境、生活の諸側
面等に関する調査
指導方法に関する取組や人的・物的な教育条
件の整備の状況等に関する調査
全国学力・学習状況調査結果の本市の概要
日南市における小学校6年生、中学校3年生の全国学力・学習状況調査(国語A、国語B、算数・数
学A、算数・数学B)の結果は、小学校は国語Aのみ全国的な水準を若干上回り、中学校は全てにおい
て全国的な水準を若干上回っています。
以下に、小学校6年生と中学校3年生の調査問題結果から「おおむね理解している内容」と「課題が
見られる内容」をいくつか紹介します。
小学校6年生
国語
調査結果より
目的意識をもって活動に臨む習慣を
【おおむね理解している内容】
【課題が見られる内容】
◇ 漢字を書く。
(A1二1∼3)
◆ インタビューメモの工夫を捉える。
(B1一)
◇ 登場人物の人物像をつかむ。
(A6)
◆ 文章の組み立ての効果を捉える。
(B2三)
◇ 話の展開に沿った質問を書く。
(B1三)
◆ 時間の順に文を並べる。
(B3二)
算数
数量の比率を求める学習の定着を
【おおむね理解している内容】
【課題が見られる内容】
◇ 数の大小関係を捉える。
(A3(1))
◆ 割合の概念。
(A8)
◇ 垂直な面を捉える。
(A7)
◆ 人数の割合を百分率を用いた図に表す。
(A9(2))
◇ グラフを読み取る。
(B4(3))
◆ 平均を求めるための条件を捉える。
(B4(1))
中学校3年生
国語
調査結果より
文章の意図、挿絵の意図を捉えるような読解を
【おおむね理解している内容】
【課題が見られる内容】
◇ 漢字を書く。
(A9−1∼3)
◆ 絵を提示した意図を捉える。
(A1二)
◇ パンフレットの表現の工夫と効果を書く。
(B1三) ◆ 文章を直した意図を捉える。
(A4一)
◇ 図鑑の説明と物語の関係を捉える。
(B3三)
数学
◆ 疑問に思ったことを本で調べる。
(B2三)
基礎的な問題の繰り返しを
【おおむね理解している内容】
【課題が見られる内容】
◇ 一元一次方程式を解く。
(A3(1))
◆ 自然数を選ぶ。
(A1(2))
◇ 表から最頻値を求める。
(A12(1))
◆ 一次関数の領域を求める。
(A10(3))
◇ 文章題の解法を式を基に説明する。
(B1(3))
◆ 確率について正しい記述をする。
(A13(1))
児童質問紙・生徒質問紙より
全国学力・学習状況調査では、児童生徒の学習状況について、85の多様な観点から調査
がなされています。ここでは、全国と比較して特徴的なものをいくつか紹介します。
【小学校・児童質問紙より】
【中学校・生徒質問紙より】
【小学校・中学校共通した特徴】
○
○
○
「家の人と学校での出来事
る」と答えた児童生徒が、全
えた児童が、全国より高い割
全国より高い割合にあります。
国より高い割合にあります。
○
「今住んでいる地域の行事
○
「将来の夢や目標をもって
「学校に行くのは楽しい」
に参加している」と答えた生
いる」と答えた児童生徒が、
と答えた児童が、全国より高
徒が、全国より高い割合にあ
全国より高い割合にあります。
い割合にあります。
●
「学校のきまりを守ってい
している」と答えた生徒が、
合にあります。
○
「家で計画を立てて勉強を
について話をしている」と答
「新聞を読まない」と答え
ります。
●
●
「問題の解答時間が十分で
「家で、学校の授業の予習
はなかった」と答えた児童生
る児童が多く、「読書が苦手」
をしてない」と答えた生徒が、
徒が、全国より高い割合にあ
と答えた児童も全国より高い
全国より高い割合にあります。
ります。
割合にあります。
全国学力・学習状況調査の結果に見る本市の課題
今回の調査結果で見えてきた、本市の児童生徒が取り組む 【課題の見られた問題例】
べきことは、
「基礎的な問題を繰り返し解く必要がある」とい
全国学力・学習状況調査では、
うこと。
「目的意識や課題意識をもち学習に臨む必要がある」 正答率と共に、無解答率も示され
ということ。苦手とする問題や内容が偏っていることから「積 ます。小学校「国語A」において、
み重ねを大切にする必要がある」ということでした。特別な 「ローマ字を書く」問題が高い無
ことを行うのではなく、当たり前のことを当たり前に続けて 解答率を示していました。繰り返
いくことで学力の向上が見られることと思います。
し学習する習慣も求められます。
また、気になるのは、児童生徒が検査における解答時間が
りんご→
短いと感じていることです。
「時間を決めて学習に取り組む」
あさって→
このような学習方法も有効であると考えられます。
をローマ字で書けるでしょうか。
幸いなことに、本市の児童生徒は、
「基本的な生活習慣が身
hyaku→
に付いている」ということが質問紙の結果から読み取れます。 を読めますか。
各家庭の御協力により環境は整っています。学校・家庭・地
ローマ字は、3年生の国語の時
域で子どもたちが伸びていくよう、見守っていただきたいと 間に学習します。
思います。御協力よろしくお願いいたします。
※ 全国学力・学習状況調査の問題等は、国立教育政策研究所の
ホームページで御覧いただけます。
(http://www.nier.go.jp/)