有機薄膜デバイスの低環境負荷・低コスト作製技術 Keyword : 有機半導体、共役高分子、太陽電池、トランジスタ 有機薄膜デバイスは、溶液プロセスで大面積、フレキシブル基板上に作製できる利点があり、 次世代デバイスとして期待されている。しかし、そのプロセス・材料には有害なハロゲン系溶 媒や多くの合成ステップにより合成された高コストの材料が用いられている。 研究の背景 低環境負荷の非ハロゲン系溶媒を用いたプロセスで、ハロゲン系溶媒と同等の太陽電池の 作製。 研究の狙い 低コスト材料のC-H直接重合による共役高分子と未修飾フラーレンを用いた太陽電池の作 製。 最先端研究トピックス 非ハロゲン系溶媒による高効率有機薄膜太陽電池の作製 低コスト材料を用いた有機薄膜太陽電池の作製 現状:高コスト材料を用い高効率を達成 →低コスト化のため、合成ステップ数を軽減した材料へ代替 現状:ハロゲン系溶媒を用い高効率を達成 →環境負荷低減のため、非ハロゲン系溶媒へ代替 PTB7:PC70BM(2:3)太陽電池特性 Cl 40 40 20 10 50 oDCB 60 0 300 IPCE (%) 5 Cl 80 0 PEDOTNDIF:PC70BM or C70(1:4)太陽電池特性 60 100 IPCE (%) Current density (mA/cm2) -5 CH 3 400 CH 3 500 600 700 800 900 W avelength (nm) C-H直接重合による 共役高分子 PEDOTNDIF TMB 15 CH 3 20 0 0.2 0.4 0.6 Voltage (V) 0.8 20 10 PC 70BM 0 300 400 500 600 700 800 900 Wavelength (nm) エネルギー変換効率(外部量子効率(IPCE)) ●PC70BM 0.30% (10%) ●C70 2.33% (53%) エネルギー変換効率 ハロゲン溶媒(●oDCB+添加剤) 8.75% 非ハロゲン溶媒(●TMB+添加剤) 8.64% 文献 C 70 30 • T. Yasuda, J. Kuwabara, L. Han, and T. Kanbara, Org. Electron. 25 (2015) 99 • T. Yasuda, Y. Kusagaki, I. Kitahara, L. Han, and T. Ishi-I, J. Photopolym. Sci. Technol. 28 (2015) 373 • 安田剛, 応用物理学会有機分子・バイオエレクトロニクス分科会誌Vol. 27, No.2 (2016) 86 実用化の目標 まとめ 低環境負荷の非ハロゲン系溶媒を用いたプロセスで高性能 太陽電池の作製に成功 有機薄膜デバイスの高効率化、高寿命化、低コスト化を 実現した後 低コストのC-H直接重合による共役高分子及び未修飾フ ラーレンを用いて従来材料を超える太陽電池の作製に成功 フレキシブル・大面積デバイスへの応用 環境調和型デバイスへの応用 電気・電子機能分野 半導体ナノ界面グループ 安田 剛 E-mail: YASUDA.Takeshi●nims.go.jp URL: http://www.nims.go.jp/personal/tyasuda/ —32 —
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