走査型トンネル顕微鏡による表面物性計測 Keyword : 表面科学、STM、半導体、金属、グラフェン 研究の背景 環境・資源・エネルギー課題を解決するための物質・材料研究において、原子・分子レベルで の特性制御と計測の重要性はますます高まっています。固体材料表面の原子・分子を実空 間で観察可能な走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscopy: STM)は電子状 態計測と原子操作の機能を備えた強力な研究ツールです。 研究の狙い 本研究では、世界最高レベルのSTM計測技術を持続するための技術開発を継続していくと ともに、半導体・金属・二次元電子材料などの表面に発現する新しい現象や機能性を原子レ ベルで解明していくことを狙いとしています。 最先端研究トピックス グラフェンの構造・電子状態解析 金属酸化物表面の反応性 TiO2 anatase (101) Graphene 2nm 半導体表面のドーパント検出 P/Si(100) AgInYb quasicrystal 5nm 6nm 磁性薄膜の磁気特性 高エネルギー分解能トンネル分光 STS on Pb(111) Fe/W(110) 0.4nm 文献 新材料表面の基礎特性評価 7nm • O. Stetsovych et al. Nat. Commun. 6:7265 doi: 10.1038/ncomms8265 (2015). • K. Sagisaka et al., Phys. Rev. B 87, 155316 (2013). まとめ 実用化の目標 金属・半導体・金属酸化物・グラフェン・分子などの様々な 材料表面を原子分解能でSTM計測が可能 半導体表面やグラフェン中の欠陥が及ぼす電子状態へ の影響、磁性薄膜の磁気特性、金属酸化物表面と分子 の反応性など、材料表面の持つ特性を原子レベルで計 測し、材料の実用化に活用される基礎データの提供 世界最高レベルのSTM計測技術を維持していくための技 術開発 極限計測分野 表面物性計測グループ 鷺坂 恵介 E-mail: SAGISAKA.Keisuke●nims.go.jp URL: http://www.nims.go.jp/nanophys6/index.html —386 —
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