コウノトリ野生復帰計画

コ
ウ
ノ
ト
リ
住
め
る
環
境
を
コウノトリ野生復帰計画
水田に多様な生きものを
育むため、
中干し延期、
深水
たんすい
管理、冬期湛水などの工夫
を凝らした無 農 薬・減 農 薬
の稲作や、休耕田を活用し
たビオトープ水田などの取組
みが行われています。
コウノトリ生息拠点の確立
と生物多様性の保全を目指
し、城崎温泉近くに、円山川
下流域の特徴的な生態環
境を生かした大規模な湿地
を整備しました。
国の特別天然記念物であるコウノトリは、
生息環境の悪化により、
昭和46年に日本の空から姿を消しました。
豊岡盆地が最後の生息地でした。
豊岡市におけるコウノトリの保護運動は、
昭和30年に市民と行政が一体となって動き出し、
昭和40年に
コウノトリの人工飼育が始まりました。四半世紀に及ぶ苦難の歴史を経て、
平成元年に待望のひなが誕生。
以後毎年ひながかえり、
現在では、
90羽を超えるコウノトリが飼育されています。
人工飼育が軌道に乗ると、
「コウノトリを野生に帰すこと」、
「コウノトリも住める環境をつくること」に目標が膨
らんできました。平成11年、
野生復帰の拠点施設である兵庫県立コウノトリの郷公園が開園、
平成12年には
市立コウノトリ文化館も開館し、
野生復帰に向けた保護増殖・研究・普及啓発の体制が整いました。
コウノトリが再び私たちのそばで暮らせるよう、
市民と行政が一体となったさまざまな活動が展開
される中、
平成17年9月、
絶滅から34年の歳月を経て、
コウノトリは再び大空へ放たれました。
平成19年
5月には国内の自然界で43年ぶりにひなが誕生。
同年7月には46年ぶりにひなが巣立ちし、
以降10年連
続で自然界での繁殖が成功するなど、
人里での野生復帰を目指す世界でも類を見ない取組みは着実に
進んでいます。
環境行動によって経済効果が
生まれ、
その経済効果によって環
境行動がさらに活発になり、
経済
効果を高める。
豊岡市は、
このような「環境と
経済が共鳴する」仕組みをつく
ることによって、環境行動の持続
可能性、経済的な自立、地域へ
の誇りの醸成を目指し、
環境経済
戦略を進めています。
私たちの夢にふさわしい場所。
それが、コウノトリのいる豊岡です。
人工繁殖に成功
(1989)
19
人工飼育が始まる
(1965)
学 名/Ciconia boyciana(キコニア・ボイキアナ)
分 類/コウノトリ目コウノトリ科
体 高/110~150cm
体 重/4.5~5.5㎏
翼の長さ/広げると2mに達する
形 態/クチバシと風切り羽などは黒、
体や尾羽は白色、
足は赤く、
目の周りと喉には赤い皮膚が見える
自然放鳥が始まる
(2005)
]
野生コウノトリが姿を消す
(1971)
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[コウノトリ保護・野生復帰の歴史]
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