⑨ 実験 実験の説明

心理学研究法ⅢC 資料⑨
実験実習
(1)結果の読み取り
自分のデータをエクセルで開いてみよう。
「データ>外部データの取り込み>テキストファイルのイ
ンポート」でファイル名を選択し、
「カンマやタブで区切られた・・・」を」選択し、
「スペース」にチ
ェック。並び替えなどをうまく使ってデータをまとめよう。データは左の列から
[BLOCK] ブロック番号
[TRIAL] ブロック内の試行番号
[SENTENSE] 肯定文は1,否定文は2
[TorF] 真の文は1、偽の文は2
[S] 主語が「丸」は1,
「十字」は2
[KEY] 押したキー
[RT] 反応時間
[ANSWER] 正答は1,誤答は2
(2)実験の構成
実験のデザイン:文の形式(肯定文・否定文)x文と絵の一致(真・偽)の被験者内2x
2デザイン。各条件16試行、総計 64 試行。本試行の前に 8 試行を練習。各条件は以下のような
2 種づつの刺激からなる(=8条件)。これを4条件にまとめて、4つの正反応時間中央値と誤答率
を計算する。
[SENTENSE]と[TorF]と[S]の組み合わせにより、
111=丸は十字の上にある 肯定文 真 112=十字は丸の上にある 肯定文 真
121=丸は十字の上にある 肯定文 偽
122=十字は丸の上にある 肯定文 偽
211=丸は十字の上にない 否定文 真 212=十字は丸の上にない 否定文 真
221=丸は十字の上にない 否定文 偽 222=十字は丸の上にない 否定文 偽
(3)ブロック順と反応キーのカウンターバランス
こういう表を「被験者間要因配列表」といい、実験するには必ず作成しなければならない。作成
しないと実験の際にパニックになる。
被験者番号 ブロック順「一致」キー
01, 13,25
12345678 v
02, 14, 26 26831547 v
07, 19, 31 12345678 m
03, 15, 27 34527816 v
08, 20, 32 26831547 m
04, 16, 28 48216735 v
09, 21, 33 34527816 m
05, 17, 29 53762184 v
10, 22, 34 48216735 m
06, 18, 30 61478253 v
11, 23, 35 53762184 m
12,24, 36 61478253 m
(4)測定とデータの「監視」
① 各条件の反応時間の代表値には、逸脱したRTの影響を排除するために±2SDから
外れたデータを排除して平均を求めたり、中 央 値 ( M edian) を用いる。
② 反 応 バ イ ア ス (Response Bias)の監視。Yes-No 判断のように二者択一判断を行うと
き、何らかの理由で一方の反応のみを偏って選択することがある。これを反応バイアス
という。これが生じると、Yes 条件ではほとんど正解、No 条件ではほとんど不正解とい
うようなパタンが現れる。こうしたパタンを示す被験者は、教示にしたがったきちんと
した判断を行っていないことになるのでデータから排除すべき。
③ Speed-accuracy trade-offの チ ェ ッ ク 。反応時間実験では、「正確にしかもできる
だけ速く」反応をすることが前提である。しかし被験者によっては、正確さを追求する
あまりスピードを犠牲にしたり、反対にスピードを追求して正確さを犠牲にしたりする
ことがある。こうした場合には、二つの従属変数の間に負 の 相 関 が見られる。これも
被験者ごとに確認する必要がある。
(5)宿題レポート 3 などについて
① 自分のデータを用いて、反応時間と正誤データを 4 条件(肯定文・否定文x真・偽x
の2x2)ごとにまとめ、正 反 応 の み の 反 応 時 間 の 中 央 値 と 誤 反 応 率 ( % ) を 計 算 し
てください。計8個の数字を求めるのです。
実 験 に 参 加 し た ら す ぐ に 、11 月 18 日 ま で に こ の 8 個 の 数 値 を 求 め 、道 又 に メールで
提出してください。提出しないと、次の集団分析の時に仲間はずれになりますのでご注意
を。どの数字がどの条件かをきちんと示すこと。
② レ ポ ー ト 3
自分のデータをグラフ化してどういう傾向があるかを読み取り、反応バイアスと
Speed-accuracytrade-off について考察する。11 月 18日までに提出。A4を 1 枚で
十分。