グローバル製造業の展望「日本の製造業の現状

KPMG
Insight
KPMG Newsletter
21
Vol.
November 2016
業種別トピック②
グローバル製造業の展望
「日本の製造業の現状―KPMG GMO 2016調査結果分析」
から
見えてくる、
国内製造業企業の課題と方向性
kpmg.com/ jp
業種別トピック②
グローバル製造業の展望
「日本の製造業の現状―KPMG GMO 2016 調査結果分析」から
見えてくる、国内製造業企業の課題と方向性
株式会社 KPMG FAS
ストラテジーグループ マネジャー 山口 剛史
近年、日本の製造業のプレゼンスが低下してきています。電子製品や中間財など強
みがある分野もあるものの、世界の主要市場に日本製品が溢れるかつてのプレゼン
スとは程遠い状況です。
このような状況は、
グローバル化や製品ライフサイクルの短期化が矢継ぎ早に起こ
る市場環境にあって、日本企業が得意とするリニアな成長環境での成功体験から自
らの戦い方の革新が遅れたがゆえに発生しました。そして今後は、
グローバル化やラ
イフサイクルの短期化に加えて、製品からサービスへのシフトや新技術の台頭など、
市場に大きな変動がもたらされることが見込まれています。
KPMGは、KPMGインターナショナルの依頼のもとForbesが 2 0 1 6 年の年初に世界各
山口 剛史
やまぐち たけし
地の航空宇宙・防衛、自動車、
コングロマリット、医療機器、工学・工業製品、金属業
界のシニアエグゼクティブ 3 6 0 名を対象に実施した調査と、KPMGインターナショ
ナルによる主要メーカーに対する一連のインタビューを通じて、製造業を取り巻く
環境について分析を行い、
「グローバル製造業の展望2016 (
」GMO)
をリリースしまし
た。
本稿では「グローバル製造業の展望2016 」の中でも、特に日本の製造業に焦点を当
てることにより、日本の製造業を取り巻く市場環境、各企業が直面している課題を
考察するとともに、KPMGグループの経験・知見から解決方向性についても提示し
ます。
© 2016 KPMG FAS Co.,Ltd., a company established under the Japan Company Law and a member firm of the KPMG network of independent member firms
affiliated with KPMG International Cooperative (“KPMG International”), a Swiss entity. All rights reserved.
KPMG Insight Vol. 21 Nov. 2016
1
業種別トピック②
【ポイント】
− 日本・海外の製造業企業は両者とも、新技術に対して期待と警戒心を抱
きつつ、これに備えて強い投資意欲を示している。
− し かし、日本の製造業企業は海外の製造業企業と比較して将来へのビ
ジョンが不明瞭であり、リーダーおよび現場のキー人材不足にいまだ課
題を抱えていることに加え、外部資源の活用に対して躊躇している状況
である。
− これらを打破するために、下記が重要である。
◦これまでの日本の製造業企業がとってきたリニアなアプローチからの
◦サ ード・パーティーを活用することで新たな技術を取り入れるには
転換。
パートナー発掘のネットワーキング構築が必要となるため、技術で渡
り合える人材に対し新しい技術に触れる機会と交渉できるだけの権限
を付与することにより、発掘に集中できる体制を構築。
− そのためには、M&Aなどで海外企業を買収した際などに、対象企業のマ
ネジメントスタイルを取り込むぐらいの大胆な意思決定も求められる。
Ⅰ. 日本の製造業を取り巻く環境
クティブは、どのような姿勢で臨み、具体的な取り組みを行っ
ていくのか。KPMGは、360名のシニアエグゼクティブを対象に
久しく国内製造業に元気が無くなったと言われています。過
去20年の急速なグローバル化(図表1参照)
や製品ライフサイク
実施したGMO調査とKPMGインターナショナルによる一連の
エグゼクティブ・インタビューを基に分析を行いました。
ルの短期化(図表2参照)
といった市場の変化の中で、水平分業
日本と海外の主要製造業に「 あなたの会社が過去 2 年間に
型のビジネスモデルを構築してきた欧米・新興国企業(図表3参
R&D/イノベーションに費やしたのは収益の大体何%でした
照)
が台頭してきました。その結果、米国のみならず中国に対し
か?」
「今後2年間は収益の何%を費やす予定ですか?」
という質
てもGDPで 2 倍以上の差が開くなど、相対的に日本のプレゼン
問への回答に注目すると、日本企業も海外企業と同じく非常に
スが大きく低下しています。
高い投資意欲を有していることが見て取れます(図表4参照)
。
そして近年、
ビッグデータ、3Dプリンター、IoT、人工知能等
さらに、
「次の製造技術のうち、今後12~24ヵ月に多額のR&D
の新たな技術が注目を浴びています。これらの技術は実用化の
投資を予定しているのはどれですか?」という問いに対しては、
過程にあるものの、実現した際には製造業のビジネスモデルに
いずれの技術に関しても、海外企業及び日本企業とも、大多数
大きな影響を与えるため、日本の製造業は今後10年の業績を左
の企業が投資対象として重視していることが分かります(図表
右する大きな変化の分岐点を迎えているといえます。
5参照)
。
特に、先端材料科学と材料接合技術のような製造に関連する
技術に対して、日本企業が海外企業に比して投資を完了してい
Ⅱ.国内製造業の姿勢
る割合が高い点は、日本企業が製品を生み出す「コト」
ではなく
「モノ」
に対して強いこだわりを持つ傾向が表れています。
1.成長への投資意欲
製造業の事業環境が革新的な技術によって大きな変化の時
2.成長への姿勢
を迎えた今、他社との差別化を図り、世界市場で確固たる競争
続いて、新たなイノベーションを生み出すための姿勢の違い
力を強化するために、日本を含むグローバル主要企業のエグゼ
を比較してみますと、
「先端技術の追求にあたり、1つもしくはそ
2
KPMG Insight Vol. 21 Nov. 2016
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業種別トピック②
【図表1 世界主要地域・国間の貿易額における新興国の台頭
(2000年から2013年)
】
2000年の貿易額(単位:10億ドル)
東アジア
800.7
67.1
中国
47.0
44.2
58.0
82.1
27.1
42.6
50.3
82.4
90.0
EU
1,391.3
東アジア
日本
56.1
2013年の貿易額(単位:10億ドル)
69.4
ASEAN
39.9
163.9
66.7
211.9
129.4
2,373.6
189.4
96.8
85.2
384.8
3,210.7
日本
77.1
178.7
216.9
635.8
169.8
中国
53.0
NAFTA
262.1
86.3
156.9
EU
111.7
111.8
85.1
181.3
ASEAN
117.7
99.9
162.2
137.7
341.2
523.1
464.0
256.3
140.7
NAFTA
1029.3
凡例(中間財割合)
70~100%
60~ 70%
50~ 60%
40~ 50%
30~ 40%
0~ 30%
Note:矢印の大きさは貿易額、
色彩は中間財シェアを示す
出典:
「通商白書2015」
(経済産業省)
(http://www.meti.go.jp./report/tsuhaku2015/2015honbun_p/pdf/2015_03-01-01.pdf
【図表2 製品ライフサイクルに対する日本企業の認識】
過去10年でライフサイクルの短期化を感じる企業
その他
26.2
金属製品
25.8
一方で、
「 あなたの会社は成長に関する優先課題に対処する
ため、次の手段をどの程度用いる予定ですか?」という質問に
対し、日本企業は海外企業と比べて、
「他企業の合併・買収」お
よび「 他企業との公式な協業関係の締結 」により積極的な姿勢
を示す一方、
「他企業との非公式な協業」に関しては、海外企業
と比較して消極的な姿勢を示しており、このことは、日本企業
が従来の枠組みを重視するということに加えて、対象技術の実
16.3
輸送用機械
0
10
20
出典:グローバル製造業の展望2016 日本の製造業の現状―
KPMG GMO 2016調査結果分析
広い研究開発領域に投資し優位性を維持する技術を生み出す
えられます。
18.2
鉄鋼業
究開発を行っている状況において、日本企業は、自社のみで幅
パーティーを有効活用する必要があるという認識に至ったと考
21.7
一般機械
難しいことを強く認識していることが見えてきます( 図表 6 参
ことの難しさを痛感し、海外企業に対抗するためにはサード・
26.9
非鉄金属
ていることから、日本企業も自前主義を貫き通していくことは
期化の中で海外企業がバリューチェーンの一部に特化して研
30.2
化学工業
最終製品
割合が高い
照)
。図表3の水平分業型企業の様に、製品ライフサイクルの早
34.7
電気機械
中間財
割合が高い
現性が高まった段階になってから投資を行いたい、という姿勢
30
40
(%)
を示しているように伺えます(図表7参照)。このような姿勢は、
貴重な投資資源を有効に活用するという面では優れているもの
の、実現性は低いが大きく化ける可能性のある技術への投資機
会に対して、海外企業に先行を許してしまう可能性があるので
れ以上のサード・パーティー
(例:戦略的パートナーシップ/ア
はないかと考えられます。
ライアンス/JVなど)
と提携を結ぶ可能性はどの程度ですか?」
という質問に対して、約半数が「多少の可能性はある」
と回答し
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3
業種別トピック②
【図表3 製品ライフサイクルの短期化に対応したビジネスモデルの例】
設計開発
デバイス製造
プロダクト生産
垂直統合企業
ファブレス企業
ファウンドリー企業
ファウンドリー企業
TSMC
クアルコム
EMS企業
ホンハイ
(ロジックIC)
(デジタル、半導体 等)
(デル、Apple 等)
(FPGA)
(半導体)
(ゼロックス、HP 等)
(半導体)
(GM 等)
ザイリンクス
フレクストロニクス
UMC
エヌビディア
GLOBALFOUNDRIES
(画像処理用LSI)
AMD
ジェイビルサーキット
セレスティカ
(CPU、GPU)
(マイクロソフト 等)
出典:KPMG分析
【図表4 日本企業のイノベーションに対する高い投資意欲】
あなたの会社が過去2年間にR&D/イノベーションに費やしたのは収益の大体何%でしたか?
今後2年間は収益の何%を費やす予定ですか?
グローバル
N=360
14
1
0-1%
19
17%
17%
4-5%
6-10%
10%以上
%
38%
21%
29%
21%
4 4
2-3%
日本
N=34
32%
28%
28% 28 %
21
%
分からない
過去2年間
12
9
0
0-1%
今後2年間
24%
18%
9
3
2-3%
4-5%
6-10%
10%以上
6
分からない
※ 数値は、
小数点以下を四捨五入したものです。 出典:グローバル製造業の展望2016 日本の製造業の現状― KPMG GMO 2016調査結果分析
3.成長への体制
る、または変化に失敗する、という懸念を持っていることを示
しています。このことは日本企業のリスクを考える際に常に挙
次に、成長に向けた体制構築に関して、日本・海外企業を比
較してみます。
「成長政策を進める上で、今後12~24ヵ月間にお
げられ、新たな技術の導入がビジネスモデルを変える中で致命
傷とならないかが懸念されます。
ける組織にとってのリスクは何だと捉えていますか?」
という質
問に、日本企業は「変化を促進し得る組織のリーダーの能力」
を
最も懸念されるリスクとして挙げています(図表 8 参照)。この
点は、新たな技術の実用化により製造業のビジネスモデルの変
化が大きく起こりうる環境にあって、その変化への対応が遅れ
4
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業種別トピック②
【図表5 日本と海外の製造業企業の投資の方向性は類似】
次の製造技術のうち、
今後12~24ヵ月に多額のR&D投資を予定しているのはどれですか?
グローバル
N=360
積層造形(3Dプリンティング)
31
ロボット工学
%
35
39
32
日本
N=34
21
6
18
11
ロボット工学
12
人工知能/コグニティブ・
コンピューティング
32
35
29
3
35
32
26 %
6
38
29 %
3
積層造形(3Dプリンティング)
先端材料科学
33
43
19 5
先端材料科学
材料接合技術
33
44
19 4
材料接合技術
25
投資するかもしれない
32
9
30
必ず投資する
41
25
人工知能/コグニティブ・
コンピューティング
34
%
41
29
既に投資済みのため、今後の投資は予定していない
26
26
6
現時点で投資する予定はない
※ 数値は、
小数点以下を四捨五入したものです。 出典:グローバル製造業の展望2016 日本の製造業の現状― KPMG GMO 2016調査結果分析
【図表6 日本企業もサード・パーティーの活用に対する意欲が高い】
先端技術の追求にあたり、
1つもしくはそれ以上のサード・パーティー
(例:戦略的パートナーシップ/アライアンス/JVなど)
と提携を結ぶ可能性はどの程度ですか?
N=360
グローバル
47
N=34
8
多少の
可能性は
ある
どちらでも
ない
あまり
可能性は
ない
18
15 %
2
2
可能性は
全くない
分からない
日本
50 %
23
18
可能性は
高い
%
可能性は
高い
多少の
可能性は
ある
どちらでも
ない
※ 数値は、
小数点以下を四捨五入したものです。 出典:グローバル製造業の展望2016 日本の製造業の現状― KPMG GMO 2016調査結果分析
Ⅲ.国内製造業の方向性
%
12
あまり
可能性は
ない
6
可能性は
全くない
0
分からない
を築き、成功体験を積み重ねてきたため、事業環境が大きく変
化する際にも、成功体験からくる従来の方法で事業展開を推し
日本企業は、これまで一定の市場規模の見込める国内市場を
進める傾向がありました。その結果、変わりゆく市場特性に自
中心とした展開が長く、国内市場に最適な業務機能と運営体制
社の勝ちパターンが通用せず、
グローバル化やライフサイクル
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業種別トピック②
【図表7 日本企業はサード・パーティーとの非公式な連携に対して躊躇がある】
あなたの会社は成長に関する優先課題に対処するため、
次の手段をどの程度用いる予定ですか?
グローバル
N=360
他企業の合併・買収
他企業との公式な協業関係の締結
(例:ジョイント・ベンチャー、
戦略的アライアンス)
他企業との非公式な協業
有機的投資(R&Dの拡大を含む)
%
40
39
39
18 3
36
44 %
22
39
34
2
4
日本
%
他企業の合併・買収
3
16
61
主として用いる予定である
N=34
1
53
他企業との公式な協業関係の締結
(例:ジョイント・ベンチャー、
戦略的アライアンス)
他企業との非公式な協業
50
全く予定していない
15
0
32
29 %
47
74
有機的投資(R&Dの拡大を含む)
ある程度用いる予定である
32
15 3
24
24
分からない
0
3
0
※ 数値は、
小数点以下を四捨五入したものです。 出典:グローバル製造業の展望2016 日本の製造業の現状― KPMG GMO 2016調査結果分析
の短期化の中でプレゼンスを低下させていきました。
ここで、KPMGが支援したケースを紹介したいと思います。
このクライアント企業は、国内市場停滞の中で海外に矢継ぎ早
され、製品改良のサイクルが早まる兆しが見え始めると共に、
新たな技術に触れる機会が増えるため選択肢として常にこれら
を検討するようになりました。
に展開するも、技術開発では海外競合の製品改良サイクルが速
今後、
ビッグデータ、3Dプリンター、IoT、人工知能等の新た
く、自社もサイクルを早めようとするも組織が対応しきれずに
な技術の活用が製造業企業に必要となることは間違いありませ
混乱をきたし、結果として業績が低迷していました。
ん。前述のクライアント企業が市場特性の異なる海外への展開
このクライアント企業は、過去の取り組みを分析( 図表 9 参
でこれまでの勝ちパターンが通用せず苦しんだように、新たな
照)
し、現状組織のまま海外展開した故に、
“兵站線”
( 既存の技
技術により市場特性が変化する結果、多くの日本の製造業企業
術開発要員に対する展開地域の範囲)が間延びし、十分な“ 補
において従来の勝ちパターンが通用しなくなるでしょう。日本
給”
(競争力のある製品の開発)ができず、戦果分析も不十分で
の製造業企業が、10年、20年後にグローバルで高いプレゼンス
あったことから、同じことを繰り返していました。この反省をも
を示していくためにも、これまでの日本の製造業企業がとって
とに、戦線設定、作戦・体制構築、戦力投入、戦果分析の事業展
きたアプローチを転換することが必須と考えられます。
開サイクルを回す仕組みを構築し、重点領域に、十分なリソー
転換の1つの方向性として、
サード・パーティーを活用しつつ、
スを投入する体制を整えることで、技術開発に向き合える組織
新たな技術を取り入れることは検討に値します。ただし、この
を構築していきました。
方法は、外部企業と交渉するスタッフは、技術に精通している
また、時間に余裕のできた技術開発スタッフが、海外展開先
ことに加えて、事業を目利きできる経営リテラシーを有し、そ
の協力会社のスタッフとインフォーマルな議論を進める中で、
のための十分な権限を付与されていることが重要となります。
自社が競合と比較して製品設計・技術思想が大きく異なり、そ
多くの日本企業にはこのようなこれまでと大きく異なる取
の設計・技術思想の違いが非常に短期間で改良を進める要因で
り組みを一朝一夕に実現することは難しいため、
サード・パー
あることが判明しました。スタッフはこの状況に対して危機感
ティーの活用経験が豊富な海外企業を買収することで、そのマ
を抱き、自社にとって新たな設計・技術思想を持つ海外展開先
ネジメントスタイルを取り込むといった大胆な意思決定が求め
の協力会社を自社の技術開発に巻き込むことで、協力会社の技
られているのではないでしょうか。
術を自社へ取り入れる体制を整えました。そういった取り組み
の結果、国内の技術者とは異なる新たな視点による改良が促進
6
KPMG Insight Vol. 21 Nov. 2016
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業種別トピック②
【図表8 日本企業は変化を促進する組織・体制は未だ築けていないと考えている】
成長政策を進める上で、
今後12~24ヵ月間における組織にとってのリスクは何だと捉えていますか?
グローバル
N=360
%
42
39
今後5年間の明確なビジョンの欠如
変化を促進し得る
組織のリーダーの能力
46
34
必要な人材を獲得・
維持する力の欠如
29
47
38
ブランドに影響を及ぼす問題
48
35
資金不足
46
27
規制の不確実性
53
39
エネルギーコストの大幅な増加
36
景気低迷
新規参入企業によるセクターの混乱
15
必要な人材を獲得・
維持する力の欠如
46
重大なリスク
26
ブランドに影響を及ぼす問題
20
規制の不確実性
26
景気低迷
24
エネルギーコストの大幅な増加
多少のリスク
41
18
24
32
21
26
62
41
12
41
35
資金不足
18
50
47 %
15
14
50
32
サプライチェーンの配送不備
19
47
26
変化を促進し得る
組織のリーダーの能力
16
%
32
今後5年間の明確なビジョンの欠如
19
20
55
37
サプライチェーンの配送不備
18
54
27
新規参入企業によるセクターの混乱
日本
N=34
18
44
21
59
41
47
15
41
18
29
リスクではない
※ 数値は、
小数点以下を四捨五入したものです。 出典:グローバル製造業の展望2016 日本の製造業の現状― KPMG GMO 2016調査結果分析
【図表9 過去の振返りから課題を特定し、
明確な責任体制でのイニシアチブを構築】
Phase 1(2ヵ月)
計画策定と
実行支援の
プロセス
プロセスの
要諦
役割
分担
抜本的構造改革計画の策定
構造改革の実行
改革プランの
運営体制
初期設計
抜本的構造改革
プランの策定
事業課題の特定
再生実行
基盤の構築
幅広いバックグランドのメンバーが専門性を相互作用させることにより、
俯瞰的な視点で客観性の高い施策を策定すること
クライアント
(コーポレート部門)
実行計画遂行に
伴う成果創出
実行計画の遂行
対象事業部が主導することにより当事者としてのモメンタムを醸成しつつ、
外部専門家が知見を適宜入れることにより適切な方向性を担保すること
KPMG FAS
対象事業部
KPMG FAS
構造改革や財務に関する外部
知見やフレームワークの提供を担当
各イニシアチブの運営と全体管理を
主導することを担当
PMO への知見提供と、各
イニシアチブへの助言を担当
多様なコーポレートメンバーから
なる専任チームを組成
事業再生に加え、戦略や財務に
専門性を有すメンバーによって構成
リーダーに事業本部長、各イニシアチブの
トップを部長が担う形で構成
構造改革に携わった
メンバーにより構成
事業
事業部
No.2
本社
副社長
戦略
本社
企画部
リーダー
本社
企画部
業務
本社
監査部
適宜相互共有
事業本部長
相互
作用
財務
財務
本社
財務部
PM
戦略/業務
エキスパート
報告
会計士
全体統括
製造業/戦略
エキスパート
戦略/業務
戦略/業務
エキスパート
事業部
リーダー
本部長・
NO.2 の
強い
コミットを
提示
執行役
事業本部長
イニシアチブ A
XX BU
部長
イニシアチブ B
YY BU
部長
PMO
事業
企画担当部
イニシアチブ C
コーポレート
ZZ BU
部長
・・・
サポート
推進方法
対象企業に関する
インプットとアウトプット評価を担当
責任者
体制
Phase 2(6ヵ月)
全体統括/PM
再生/戦略
エキスパート
財務
会計士
戦略/業務
戦略/業務
エキスパート
本社 企画部
出典:グローバル製造業の展望2016 日本の製造業の現状― KPMG GMO 2016調査結果分析
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KPMG Insight Vol. 21 Nov. 2016
7
業種別トピック②
グローバル製造業の展望2016
2016年10月刊
フルレポート(日本語版)
内容
◦勝者と敗者に明暗が分かれる
◦新しい地域市場を視野に入れる
◦新しい製品やサービスへの投資
◦サプライチェーンを成長に活かす
◦成長に関する2つの大きな質問
◦主なポイント
別冊レポート
(KPMG ジャパン インサイトレポート)
内容
◦日本の製造業を取り巻く
環境
◦日本の製造業の現状 KPMG GMO調査結果分
析
◦国別見通し
◦KPMGにできること
グローバル製造業の展望2016
(GMO)の全文
(日本語版)は、
下記のページをご参照ください。
www.kpmg.com/jp/gmo-survey www.kpmg.com/gmo
8
KPMG Insight Vol. 21 Nov. 2016
株式会社 KPMG FAS
グローバルストラテジーグル―プ
パートナー
岡本 准
英語版のGlobal Manufacturing Outlook 2 0 1 6
( GMO)は、
下記のページをご参照ください。
本稿に関するご質問等は、以下の担当者までお願いいたします。
[email protected]
マネジャー
山口 剛史
[email protected]
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KPMG ジャパン
[email protected]
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