視 点 「これからも沿線地域の 皆様とともに」 首都圏新都市鉄道株式会社 常務取締役 松下 博充 つくばエクスプレス(以下、TX)は、この8月で開業11周年を迎えました。開 業以来、乗車人員は毎年増加し、現在では1日に34万人を超えるお客様にご利用 いただけるまでなり、おかげさまで、いまや首都圏の有力な鉄道網の一翼を担う 存在にまで発展いたしました。 TXの特徴は、何といっても国際科学技術都市つくばと東京都心の秋葉原とを最短 45分で結ぶ都市高速鉄道であることです。TXに乗車されたお客様は恐らく、つくば (あるいは秋葉原) が 「想像以上に近い」 という感覚を持たれるのではないでしょうか。 また、TXのもうひとつの特徴は、鉄道整備とともに沿線地域の開発も同時に進 められてきたために、沿線の各駅周辺には、大型ショッピングセンターやホテル、 マンションや戸建住宅などが立地し、賑わいのある、魅力あふれる新しいまちが 生まれ、子育て世代層の移住者が多いことです。 「きれいに整備されたまちに、幸 せな家族が暮らす」という沿線地域の好イメージは、TXの鉄道としての価値向上 にも大いに役立っています。TXを利用して沿線外からも数多くの方がこれらの魅 力あるまちに触れて頂き、将来的に沿線に移り住んでいただけるというような好 循環が生み出されることを期待しております。 TXは、茨城県をはじめとする沿線都県や市区の協力のもとに生まれた鉄道であ り、沿線地域の発展とともに進化することを目指して、「地域との共存共栄」を経 営の大きな柱に位置付けています。今後とも、沿線地域や自治体の皆様とも一緒 になって、沿線地域の更なる発展を目指し、微力ながら「住みたい鉄道沿線」「魅 力ある街づくり」に貢献し、TX沿線地域が他の私鉄沿線とは異なる「新しい沿線 ブランド」として高く評価されるよう努力していきたいと考えております。 一方、関東広域での人口減少が予測される中、今後TXへの需要をどのように維 持し、新たな需要を掘り起こしていくのか、経年に伴う鉄道設備の劣化に対処し ながらどのように進めていくのか等、課題も山積していますので、それらへの対 応も怠らず実施してまいります。 鉄道事業者にとって最大の使命は、お客様が安心して利用できるよう、安全で 安定した輸送サービスを提供し続けていくことです。次の10年、100年に向けて、 「安全性の追求には終わりはない」という認識のもと、これまで以上にお客様から 信頼され「選ばれる鉄道」 「安全・安定・安心のTX」を目指して、サービスの充 実を図ってまいる所存です。 16.11 ’ 5
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