良く跳ねて、低温でも柔らかい「シクロペンテンゴム」~省燃費で地球環境

<記者用説明文>
良く跳ねて、低温でも柔らかい「シクロペンテンゴム」~省燃費で地球環境に貢献~
日本ゼオン
学会発表番号
新材料開発研究所
奥野晋吾、角替靖男
2PD39
<研究成果のポイント>
●ガソリンの副産物から直鎖構造を有する新規エラストマーの
開発に成功
●タイヤの低燃費化に貢献する全末端変性技術を開発
<研究成果の概要>
原油からガソリンなどを抽出した副産物から、従来不可能で
あった「直鎖構造」と「全末端変性」を付与した新規エラスト
マー「シクロペンテンゴム」を開発しました。シクロペンテン
ゴムはその直鎖構造によって、低温下でも優れた柔軟性を示し
ます。また全末端変性によって、良く跳ねる特長も有していま
す。シクロペンテンゴムを用いた自動車用タイヤ特性評価では、
圧倒的な低燃費性を有していることが分かりました。シクロペ
ンテンゴムは、自動車の低燃費化を通じて、地球環境に貢献す
図 1 タイヤ中のシクロペンテンゴムの
イメージ図
るゼオン独自の新しいエラストマーです。
<研究成果解説文>
良く跳ねて、低温でも柔らかい「シクロペンテンゴム」~省燃費で地球環境に貢献~
第 25 回ポリマー材料フォーラム
予稿集
P214
著者名: 奥野晋吾 1*、似鳥広幸 1、角替靖男 1
著者所属
1. 日本ゼオン株式会社
新材料開発研究所
*E-mail: [email protected]
原油からガソリンなどを抽出した副産物である C5 留
す。今後も従来のエラストマー材料にはない、
「良く跳ね
分から、原料であるシクロペンテンが得られます。得ら
る」と「低温でも柔らかい」特長を活かした、研究開発
れたシクロペンテンを開環メタセシス重合(ROMP)す
を進めてまいります。
ることで、従来不可能であった「直鎖構造」と「全末端
変性」を付与した新規エラストマー「シクロペンテンゴ
ム」を開発しました。
シクロペンテンゴムはその直鎖(分岐ゼロ)構造によ
って、-110℃程度の低いガラス転移温度を示し、低温下
でも柔軟性を示します。また全末端変性によって、シリ
カやカーボンブラックとの親和性が向上することで、良
く跳ねる特長も有しています。
シクロペンテンゴムを用いた自動車用タイヤ特性評価
では、良く跳ねる特長を活かして圧倒的な低燃費性を有
していることが分かりました。また-40℃下での低温特
性評価でも、従来のゴムより、優れた低温特性を示すこ
とが明らかとなりました。
シクロペンテンゴムは、自動車の低燃費化を通じて、
地球環境に貢献するゼオン独自の新しいエラストマーで
図 1 タイヤ中のシクロペンテンゴムの
イメージ図