2016 年 11 月 7 日 プレスリリース CAD/CAM/CAE システム市場に関する調査を実施(2016 年) 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の CAD/CAM/CAE システム市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 5 月~10 月 2.調査対象:機械系 CAD/CAM/CAE システムメーカー、EDA(Electronic Design Automation)システムメーカ ー、土木・建築系 CAD システムメーカー 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談及び電話・メールによるヒアリング 【調査結果サマリー】 ◆ 2016 年度の国内 CAD/CAM/CAE システム市場規模は 前年度比 4.4%増の 3,449 億円の見込 2015 年度の国内 CAD/CAM/CAE システム市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、前年度比 2.4%増 の 3,305 億円となった。2016 年度は円高傾向が続いており、輸出型産業を中心に業績悪化が懸念される 一方で、公共投資、経済財政政策の効果などが下支えとなり、設備投資は一定規模を維持するものと考 え、2016 年度の国内 CAD/CAM/CAE システム市場規模(同ベース)は、3,449 億円(前年度比 4.4%増) となる見込みである。 ◆ 分野別では機械系 CAD/CAM/CAE と土木・建築系 CAD がけん引 分野別に内訳をみると、機械系 CAD/CAM/CAE の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、2015 年度 は 2,221 億円(前年度比 5.2%増)、2016 年度は 2,329 億円(同 4.8%増)となる見込みである。 EDA の市場規模(同ベース)は、2015 年度は 701 億円(同 4.8%減)であった。日本国内の電子工業生 産がピーク時の約半分という水準であり、大きく落ち込んでいるのが原因である。EDA システムメーカー は、自動車など半導体以外の業界への拡販をすすめており、2016 年度は 727 億円(同 3.7%増)と回復す る見込みである。 土木・建築系 CAD の市場規模(同ベース)は、2015 年度は 383 億円(同 0.8%増)であった。2016 年度 は、394 億円(同 2.8%増)となる見込みである。東日本大震災から続く復興需要は現在も高い水準で推移 しており、堅調な市況となっている。 ◆ 資料体裁 資料名:「2016 年版 CAD/CAM/CAE システム市場の中期展望」 発刊日:2016 年 10 月 27 日 体 裁:A4 判 459 頁 定 価:180,000 円(税別) ◆ 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 11 月 7 日 プレスリリース 【調査結果の概要】 1. 市場概況と展望 日本国内の CAD/CAM/CAE システム市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、2015 年度は前年度比 2.4%増となる 3,305 億円となった。2015 年度は、民間投資を喚起する成長戦略を柱とする経済財政政策 の推進により、雇用・所得環境が徐々に改善し、原油価格の下落等により貿易条件が改善するなかで、 経済の緩やかな回復基調が続いていることが背景にある。 2016 年度は、世界経済の減速懸念、米国の利上げに対する慎重姿勢の高まり、英国の EU 離脱決定 などの外的要因から円高傾向が続いており、輸出型産業を中心に業績悪化が懸念される。しかしながら、 地震の復興需要を含む公共投資、経済財政政策の効果などが下支えとなり、国内の設備投資は一定規 模を維持するものと考える。こうしたことから、2016 年度の CAD/CAM/CAE システム市場規模(同ベース) は、3,449 億円(前年度比 4.4%増)を見込む。 分野別では、機械系 CAD/CAM/CAE の市場規模(メーカー出荷金額ベース)は、2015 年度は 2,221 億円(前年度比 5.2%増)となった。2016 年度は 2,329 億円(同 4.8%増)となる見込みである。 EDA の市場規模(同ベース)は、2015 年度は 701 億円(同 4.8%減)であった。日本国内の電子工業生 産がピーク時の約半分という水準であり、大きく落ち込んでいるのが原因である。EDA システムメーカー は、自動車など半導体以外の業界への拡販をすすめており、2016 年度は 727 億円(同 3.7%増)と回復 する見込みである。 土木・建築系 CAD の市場規模(同ベース)は、2015 年度は 383 億円(同 0.8%増)であった。2016 年 度は、394 億円(同 2.8%増)となる見込みである。東日本大震災から続く復興需要は現在も高い水準で推 移しており、堅調な市況となっている。 2. 注目される動向 2-1.サブスクリプション方式への移行が市場に与える影響 現在、機械系 CAD/CAM/CAE の分野において、ビジネスモデルに大きな変化が起こりつつある。具体 的には、サブスクリプション方式の採用である。サブスクリプション方式とは、ソフトウェアの利用形態のひ とつで、ユーザーはソフトウェアを買い取るのではなく、一定期間のみ借りて、利用した期間に応じて料金 を支払う方式である。 これまでの CAD/CAM/CAE システムメーカーのビジネスモデルは、その大半がライセンス販売であっ たが、外資系大手 CAD/CAM/CAE システムメーカーがサブスクリプション方式に切り替えつつある。これ に伴い、市場規模は一時的に減少すると考える。他方、こうした CAD/CAM/CAE システムメーカーの動き に、国内のユーザー企業が追従するか否かはまだ判断が難しい。サブスクリプション方式の導入は、クラ ウドサービスという提供方法とセットで取り入れられているケースがほとんどであるが、現状、国内のユーザ ー企業は保守的な動きを示しているためである。 2-2.3D スキャナが新たな市場を切り開くのか 国内の CAD/CAM/CAE システム市場は成長を続けてきたが、そのペースが近年になり低下しつつある。 これは日本の製造業が成熟化してきたことを示しているが、今後、CAD/CAM/CAE システムが市場を拡 大していくためには、適用される業務領域の拡大を目指す必要があり、新たな CAD/CAM/CAE の適用先 を探すことが重要である。 CAD/CAM/CAE システムの適応領域拡大にあたり、現在の主力である 3DCAD において、大きなネッ クになっていたのは 3D データ入力の困難さである。3DCAD で対象物の形状を入力していくためには、こ れまで 3DCAD 専門の教育を受けた人間が必要不可欠であった。 しかしながら、近年になり安価な 3D スキャナが登場するとともに、2D の写真データから 3D データに変 換する技術が進展してきている。こうした入力技術の進展が、今後 CAD/CAM/CAE システムの適応領域 を拡大し、近い将来、新たな市場を生み出す可能性があると考える。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 11 月 7 日 プレスリリース 図表 1. CAD/CAM/CAE システム市場規模推移 (単位:百万円) 400,000 土木・建築系CAD EDA 350,000 機械系CAD/CAM/CAE 39,380 300,000 38,302 38,001 72,670 250,000 70,101 73,612 200,000 150,000 100,000 232,856 222,109 211,165 50,000 0 2014年度 2015年度 2016年度(見込) (単位:百万円、%) 2014年度 2015年度 2016年度(見込) 前年度比 機械系CAD/CAM/CAE EDA 土木・建築系CAD 合計 前年度比 211,165 222,109 105.2% 232,856 104.8% 73,612 70,101 95.2% 72,670 103.7% 38,001 38,302 100.8% 39,380 102.8% 322,778 330,512 102.4% 344,906 104.4% 矢野経済研究所推計 注 1:システムメーカー出荷金額ベース 注 2:2016 年度は見込値 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
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