メキシコ -米大統領選を受けてペソは最安値更新

2016年11月10日
メキシコ
-米大統領選を受けてペソは最安値更新-
<米大統領選はトランプ氏が勝利>
<メキシコペソ為替の推移>
11月8日(現地時間)に行われた米大統領選で、
メキシコに対して過激な発言を続けてきた共和党
候補トランプ氏が勝利しました。
10
これを受けてメキシコペソは急落し、日本時間9
日14時ごろには一時1米ドル=20.80メキシコペ
ソと対米ドルでの最安値を更新しました。
8
その後は少し戻したものの、9日の海外終値は1
米ドル=19.76メキシコペソ、1メキシコペソ=
5.3164円と前日比で大きく下落しています。
<緊急会見を開催>
トランプ氏の米大統領選勝利を受けてメキシコの
ミード財務公債相とメキシコ中央銀行のカルステ
ンス総裁は現地時間9日の午前7時から緊急会見を
開催しました。会見では国民や市場関係者に冷静
さを保つように呼びかけるとともに、必要な時は
措置をとる姿勢を示しています。
<今後の見通し>
米大統領選に勝利したトランプ氏はメキシコの経
済成長の要因ともなったNAFTA(北米自由貿易協
定)の見直しを公約に掲げており、今後のメキシ
コ経済への影響が懸念されます。ただ、トランプ
氏による政策運営には不透明感が強いものの、上
下両院で共和党が過半数を獲得した議会によりあ
る程度コントロールされ、過激な政策がすぐに実
行される可能性は低いと見込まれます。
17日に予定されている金融政策決定会合では、市
場動向に応じて追加利上げや為替介入などの対応
策が検討されると思われます。
当面はトランプ氏の勝利に対する懸念からメキシ
コペソは不安定な動きが続くと見られますが、同
氏の政策運営に対する不透明な部分が徐々に明ら
かになるにつれて過度な懸念が後退していくとみ
られることや、中銀や政府の強固な対応姿勢がメ
キシコペソをサポートする要因になると考えられ
ます。
(2012/1/2~2016/11/9)
(円)
(メキシコペソ)
10
メキシコペソ/円(左軸)
米ドル/メキシコペソ(右軸)
9
12
14
7
16
6
18
5
(メキシコペソ高)
4
20
(メキシコペソ安)
3
22
12年
13年
14年
15年
16年
<インフレ指標と政策金利の推移>
(2012/1/2~2016/11/9)
(%)
8
メキシコ政策金利
メキシコ消費者物価指数(前年比)
6
4
2
中央銀行の政策目標範囲(3±1%)
0
12年
13年
14年
15年
16年
*政策金利は発表日ベース
*消費者物価指数(前年比)は2012年1月~2016年10月
出所:Bloomberg
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