資料2-1

資料2-1
財政制度等審議会 財政投融資分科会
産業革新機構のこれまでの実績等に関する論点
株式会社産業革新機構
平 成 28 年 11 月 11 日
財 務 省 理 財 局
論 点
○ 平成 21 年7月に設立された株式会社産業革新機構(以下、「機構」
)は、平成 37 年3月末までの時限的な組織(期限 15 年間の官民ファン
ド)であり、個別案件の投資期間(KPI 上の目標:5~7年)を考慮すれば、新規投資が可能な期間が短くなってきている(投資期間7年と
すれば、新規投資は平成 30 年3月末までであり、残り1年半程度)。
○ このため、これまで機構が果たしてきた役割・成果について検証することが必要であると考える。
(機関名:株式会社産業革新機構)
考え方
論
機構は、
「今後の産業投資の在り方について」
(平成 20 年6月 財 論点1
点
<機構のこれまでの実績評価等について>
政投融資に関する基本問題検討会 産業投資ワーキングチーム)に ○ 「アーリー・ベンチャー」、
「事業再編」及び「海外 M&A」に対する
投資実績について、それぞれ機構の政策性・収益性に応じた投資案件
おける構想段階では、研究開発・ベンチャー等の分野を中心に支援
の選定・採択が適切に行われてきたか。
することが想定されていたが、機構発足前の「経済危機対策」(平
成 21 年4月)において、先端技術の強化・再編に対し長期資金を ○
これまでの実績について、機構の政策性・収益性という観点からど
う評価するか。
供給することとされ、平成 21 年度補正予算により出資枠が拡充。
○
これにより大型の事業再編案件が実施可能となった。
さらに、機構発足後、
「円高・デフレ対応のための緊急総合経済
対策」(平成 22 年 10 月)において、円高メリット活用の観点から海
外大型買収案件への支援が拡充された。
こうした経緯を踏まえ、右記について検討を行う。
優良案件を組成する観点から、最適な組織体制の確立や人材確保・
育成について、これまでどういったノウハウが蓄積されてきたか。ま
た、蓄積されたノウハウについて他の官民ファンドが学ぶべき点があ
るとすればどういった点か。
○
各個別投資案件に対するハンズオン支援を含む投資後のフォローア
ップの実績についてどう評価するか。ハンズオン支援を行うことによ
り、経営状況が改善する企業は具体的にどの程度存在するのか。今後
さらにどのような支援を強化していく必要があるか。
― 1 ―
考え方
論
論点2 <民業補完等について>
機構は、オープンイノベーションの機能が民間で育成され、革新
的な経済産業構造の転換が自律的に起こるような「呼び水」として
の機能を担うという観点から時限付きの法人となっており、中長期
の資金(ペイシェント・リスクマネー)を供給する役割を担うこと
から期限は 15 年とされている。
こうした点を踏まえ、右記について検討を行う。
点
○
機構がエクイティ投資により民間だけでは取りきれないリスクを積
極的に担うことにより、定量的・定性的にどういった呼び水効果が発
揮されたか。
○
機構設立当時(平成 21 年7月)のリーマンショック直後という状
況と比べ、現在は民間ファンドの数も増加し、低金利環境の下、民間
による資金供給も増えている。こうした状況の中、機構に求められる
役割はどう変化しているか。また、リスクマネー投資における機構と
民間の役割分担についてどのように考えるか。
(参考)
ファンド組成本数および総額の推移
(億円)
(本)
3,000
120
2,816
2,740
2,454
2,500
2,000
87
2,044
1,655
1,500
64
63
1,980
1,932
1,376
1,509
60
61
46
50
51
1,197
44
1,036
39
848
31
23 474
500
0
525
15
911
921
39
40
35
26
20
13
0
設立ファンド総額(億円)
― 2 ―
80
70
1,095
1,000
100
設立ファンド本数(本)
(出所:一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター)
考え方
論
点
⽇本のVC等による年間投資の推移
(億円)
(件)
3,000
4,200
(2,825)
3,578
(2,790)
3,736
2,500
2,000
3,500
(2,345)
(2,323)
2,788
(1,813)
2,774
(1,933)
(1,968)
2,672
(1,650)
2,245
2,759 2,834
(1,503)
1,500
(1,818) 7
2,579
2,800
2,100
(1,302)
1,093 (1,171)
9
(1,132)
(1,026) 21
13
1,294
419
431
1,400
418
(875)
510
1,162
1,000
991 915
1,017
969
304
824
700
874
718 740
505 495
(1,366)
(1,240)
1,000
500
0
0
国内向け投資金額
( )は国内外合算投資金額
)は国内外合算投融資額
― 3 ―
海外向け投資金額
国内外不明投資金額
投資先件数
(出所:一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター)