2016 年度 物 理 ■ 大学(日程):筑波大学(前期) ■ 出題構成(時間/配点):理科2科目で 120 分,1科目で 60 分/配点は学群・学類により異なる 大問 形 式 Ⅰ 記述形式 (論述あり) 力学 Ⅱ 記述形式 空欄補充形式 (作図あり) 電磁気 Ⅲ 記述形式 (論述あり) 熱力学 分野・内容 等 ばねで連結された台と小球の運動 重心,等速度運動,運動量保存,力学的エネ ルギー保存,慣性力,相対運動 電場中・磁場中での荷電粒子の運動 エネルギーの原理,静電気力,ローレンツ 力,円運動 大気中を上下するシリンダー内の気体の 状態変化 定圧変化,気体がする仕事,気体の状態方程 式,定積変化,断熱変化(ポアソンの式) 難易度 変化 やや難 ↑ やや難 ↑ 標準 ↑ ※難易度変化…↑難化/→昨年並み/↓易化 ※難易度は筑波大受験生を母集団とする基準で判定しています。 ■ 出題傾向 ・例年,力学1題,電磁気1題,その他の分野(熱力学,波動,原子)から1題の,計 3 題の出題。 ・おおむね,答だけでなく,答を導く考え方や計算の要点も記述させる形式である。 ・電磁気分野の出題は,磁場中での荷電粒子の運動,電磁誘導を扱う問題が多い。 ・作図問題,論述問題がよく出題されている。また,数値計算問題もしばしば出題される。 ■ 2016 年度入試の特記事項 ・2016 年度も,2015 年度に続き,問題文に「考え方や計算の要点も記入せよ」と指示されていた。 このことから,採点では考え方や計算の要点も重視するという姿勢が伺える。 ・Ⅰでは,小球と台の重心の運動を考える。刻々と変化する重心の位置の表し方に苦戦した受験生 は多かっただろう。 ・Ⅱは,問 4,問 5 の計算量が多く,細かい場合分けが必要となるなど,煩雑であった。 ・Ⅲでは,解答の表し方が複数ある設問があった。また,ポアソンの式を知らなければ解けない問 題が出題された。 ■ 求められる力とその養成 ・一部,難度の高い設問も含まれるが,基本的には,日頃の問題演習の成果が素直に反映される良 問が多い。したがって,対策としては,難しい問題ばかり演習する必要はなく,まずは基本~標 準レベルの問題をミスなく解けるようになることが重要である。 ・作図問題対策,とくにグラフ問題対策として,問題演習の際に,得られた数式からどのようなグ ラフが描けるかをつねに考えること(作図問題ではなくても,このことを意識してほしい)。 ・筑波大物理では,答を導く考え方や計算の要点の記述が要求される。そこで,採点者に自身の考 えが伝わる答案を,要領よく書く力を身につけてほしい。また,論述問題への対策として,物理 現象を言葉で説明する訓練を積んでおきたい。Z会の通信教育では,答(結論)を導くための最 適な答案の書き方や,論述の際に着目すべきポイントに関し,入試採点者の視点から添削指導が 受けられるので,是非活用してほしい。もし,物理の学習にあまり時間を割くことができなけれ ば,Z会出版の『物理 入試の核心 改訂版』を活用する手もある。 ・筑波大物理と比較的レベルが近い大学として,北大,千葉大,神大,広大,首都大学東京などが ある。これらの大学の過去問も,演習問題として活用できる。
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