質の高いインフラ展開・気候変動への対応のための 日本と米州開発銀行(IDB)の新たな包括的パートナーシップについて (仮訳) (共同声明) (2016 年 11 月 1 日) 麻生副総理兼財務大臣とルイス・アルベルト・モレノ米州開発銀行(IDB)総裁 は、同総裁が東京で開催される日本-ラテンアメリカ・カリブ (LAC) 地域ビジネス フォーラム参加のため来日する機会をとらえ、日本の IDB 加盟 40 周年を記念し、 日本と IDB のパートナーシップを、諸協力枠組みを結集させた、新しく包括的な ものとすることに合意した。 モレノ総裁は、「この 40 年間を通して、日本は我々の地域における経済協力、 民間セクター開発、環境保護や防災などの分野における重要なパートナーにな りました。今日では、これまで以上に、ラテン・アメリカは日本を必要としており、 また日本もラテン・アメリカを必要としています。」、「日本は、我々の地域への最 大の直接投資元のひとつであり、引き続きアジアでは最大です。」と発言した。 麻生副総理兼財務大臣は、「日本は、LAC 地域の持続的な成長を、とりわけ 人的・資金的資源、知見や革新的技術を通じて、支援していく用意があります。」、 「質の高いインフラ展開・気候変動への対応のための IDB との新たな包括的パ ートナーシップが、実りある結果をもたらすとともに、日本‐LAC 地域の永続的な 友情の醸成につながると信じている。」と発言した。 拡大パートナーシップの内容は、以下の通り: 第 1 に、株式会社国際協力銀行(JBIC)と IDB は、LAC 地域における気候変 動や環境問題への対処や、同地域における質の高いインフラ展開に取り組むた めのコファイナンスの枠組みを強化すべく、覚書を締結した。JBIC は、IDB との 協調融資としては初めて GREEN1を活用する。エクアドルの案件の融資契約は 近々調印される見込みであり、ボリビアでも案件を特定している。 1 地球環境保全業務:Global action for Reconciling Economic growth and ENvironmental preservation、 通称 GREEN) 第 2 に、JBIC、IDB 及び IDB グループの民間セクター向け業務を担う米州投 資公社(IIC)は、地球環境保全及び日本-LAC 間のビジネス活動の拡大に資す る、官民連携パートナーシップ(PPP)その他の民間セクターの枠組みを通じての 質の高いインフラ案件の推進のため、出資を含むコファイナンス分野でのパート ナーシップの更なる強化に向けて協議を開始した。日本と IDB は、JBIC、IDB 及 び IIC による協議が、融資・出資の両方を組みあわせたコファイナンス分野での パートナーシップをより強固なものとし、三者が LAC 地域で共働するにあたり活 用可能なスキームの幅の更なる拡大につながることへの期待を表明した。 第 3 に、日本と IDB は、LAC 地域の公的機関・民間企業による持続可能な PPP インフラ案件の特定・開発・準備・実施を支援するための、新たな技術協力 ファシリティの創設に向けた実務的な協議を開始することに合意した。両者は、 パラグアイの年次総会に向けて、互いに合意可能な PPP ファシリティのスキー ムを見出すことへの期待を表明した。 本ファシリティは、LAC 地域の持続的な経済発展の基礎となる質の高いインフ ラに対する日本と IDB の共通の関心を反映したもの。また、本ファシリティは、本 年 5 月に日本政府が設立した「質の高いインフラ支援基金(Japan Quality Infrastructure Initiative, JQI)」と同様に、質の高いインフラ案件の準備・実施に 必要となる資金及び人的資本に対する LAC 地域の強い需要に補完的に対応す るものでもある。 日本・IDB はともに、これらの新たな協力枠組みが、LAC 地域における再生可 能エネルギー・省エネルギー分野、質の高いインフラ分野での案件を支援する ための独立行政法人国際協力機構(JICA)と IDB との間の 30 億ドルの協調融 資枠組み(CORE)とともに、気候変動や質の高いインフラといった、LAC 地域に おいて極めて重要な開発課題に対応するための包括的協力パッケージになると 高く評価した。CORE のもと、日本と IDB は、ジャマイカにおけるエネルギー効率 化案件を共同で支援していく用意があることを表明した。加えて、IDB は、ボリビ アのエネルギー・セクターの近代化案件について、JICA との協調融資を計画し ている。
© Copyright 2024 ExpyDoc