9月9日(金)~10月8日

別 添
経過措置料金規制に対する意見への見解
<意見募集期間:9月9日(金)~10月8日(土)>
整理
No.
1-1
意見
No.
意見
1. 約200社の都市ガス事業者のうち、12社しか経過措置料金が指定され
ないのは問題です。都市ガス事業者間の競争が見通せない中で、拙速に
料金規制を解除すべきではありません。
電気に続き都市ガスの小売全面自由化が予定されていますが、両者は
自由化への環境が大きく異なります。電気は全国送電網が整備されてい
ますが、都市ガスは導管網が未整備であることなどから、電気のように新
規事業者の参入を見通しにくい状況です。このような状況の中、経過措置
料金が指定される事業者が12社のみとなれば、3大都市圏以外では「規制
なき独占」に陥るのではないかと危惧されます。
ガス料金が地域住民のくらしに与える影響はきわめて大きいといえます。
都市ガス供給は導管というインフラが必須であり、膨大な装置産業です。
新規参入事業者との競争、LPガスとの競争については、新築住宅におけ
る競争はあるとしても、既築住宅における競争は、設備等の問題もあり簡
単ではなく、消費者は実質的に他燃料への転換は困難です。とりわけ、集
1
合住宅においては、都市ガスからLPガスへの切り替えは物理的に不可能
です。多くの集合住宅の住民にとっては、都市ガス事業の新規参入がない
限り、選択権はまったくなく、料金引き上げに対抗する手段もありません。
これらの集合住宅の住民のことを考慮すれば、都市ガス事業者の新規参
入が認められるまでは料金規制を解除すべきでなく、小売料金規制を課す
対象事業者として指定すべきと考えます。
また、現状では、一般的にLPガス料金の方が高い状況を踏まえると、都
市ガス事業の新規参入がない限り、経過措置料金規制規制を解除した後
に、家庭用都市ガス料金がLPガス水準まで引き上げられる恐れを否定で
きません。競争を通じて料金を引き下げることが自由化の目的であるにも
関わらず、経過措置が外れることで「規制なき独占」となり、料金の引き上
げが懸念されます。そのような事態になれば、ガス供給の実態への配慮を
欠いた結果として、「消費者にとって都市ガス自由化は、消費者利益を何ら
もたらさない、失敗であった」と評価せざるを得ません。
回答
オール電化やLPガスなど他の財との競争が既に生じている都市ガス事業者に
ついては、適正な競争環境の有無を判断するに当たっては、都市ガス事業者
間の競争だけでなく、他の財との競争を考慮することが適当です。このため、法
律上も、経過措置料金規制に係る指定・解除の判断に当たっては、ガス小売事
業者間の競争関係だけでなく、他の財との競争関係を考慮することを前提とし
た規定となっております(「電気事業法等の一部を改正する等の法律」(平成27
年法律第47号)附則第22条第1項及び第28条第1項)。
また、LPガスやオール電化については、これらを取り扱う事業者に依頼すれば
都市ガスからの切り替えが可能であり、こうした切り替えは、基本的に一般ガス
事業者の供給区域においては場所を問わずに行うことができます。また、御指
摘の集合住宅についても、管理組合やオーナーが意思決定をすることで、現に
都市ガスによる供給を受けていた集合住宅について、LPガスやオール電化へ
の切替えが行われた例は一般的に存在しています。
ガスシステム改革小委において、経過措置が課されないこととなった日から3年
間の時限措置である「特別な事後監視」と、小売全面自由化後、全てのガス小
売事業者を対象として実施する「一般的な市場監視」について議論されました。
「特別な事後監視」とは、経過措置料金規制が課されない旧一般ガス事業者等
に対して行う標準家庭における1ヶ月のガスの使用量を前提とした小売料金
(標準的な小売料金)の水準に着目した事後監視です。
すなわち、経過措置料金規制が課されない旧一般ガス事業者等が、原料費や
託送料金などの上昇に比して、標準的な小売料金の合理的でない値上げを
行っていないかどうかをしっかりと監視していくこととなります。
「一般的な市場監視」について、全てのガス小売事業者が設定する小売料金水
準の確認等を行っていく予定であり、小売料金の不当な値上げにより、需要家
利益が阻害されることがないよう、しっかりと監視していくこととなります。
ガスシステム改革小委員会で議論された上記の趣旨を踏まえ、具体的な監視
の方法について引き続き検討を行ってまいります。
ガスシステム改革小委において、経過措置が課されないこととなった日から
3年間の時限措置である「特別な事後監視」と、小売全面自由化後、全ての
ガス小売事業者を対象として実施する「一般的な市場監視」について議論さ
れました。
「特別な事後監視」とは、経過措置料金規制が課されない旧一般ガス事業
者等に対して行う標準家庭における1ヶ月のガスの使用量を前提とした小
売料金(標準的な小売料金)の水準に着目した事後監視です。
すなわち、経過措置料金規制が課されない旧一般ガス事業者等が、原料
費や託送料金などの上昇に比して、標準的な小売料金の合理的でない値
上げを行っていないかどうかをしっかりと監視していくこととなります。
「一般的な市場監視」について、全てのガス小売事業者が設定する小売料
金水準の確認等を行っていく予定であり、小売料金の不当な値上げによ
り、需要家利益が阻害されることがないよう、しっかりと監視していくこととな
ります。
ガスシステム改革小委員会で議論された上記の趣旨を踏まえ、具体的な監
視の方法について引き続き検討を行ってまいります。
今回のパブリックコメントの実施については、経済産業省本省及び各地方
経済産業局においてプレスリリースを行っております。また経済産業省本省
における記者会見の場で、各地方経済産業局においても同様のパブリック
コメントを実施している旨発表しており、その結果、パブリックコメントを開始
した翌日以降全国紙及び各地方紙により一定の報道がなされたものと承
知しております。
また、今後の一般的なガスの小売全面自由化に係る周知活動としては、資
源エネルギー庁及び電力・ガス取引監視等委員会により、各地方経済産業
局の協力を得ながら、順次全国で説明会を開催する予定です。
1-2
2.資源エネルギー庁は、都市ガス自由化実施後の監視の具体的な方法
を示してください
今回資源エネルギー庁は、12社以外の事業者については「適正な競争
環境が確保されている」と評価して、経過措置料金規制に係る指定をしな
い方向性を示しています。しかし、指定されなかった事業者の、「規制なき
独占」による値上げについて、どのように行政として監視するのか、監視の
具体的な方法を示すべきです。また、都市ガス自由化後に値上げが起き
た場合にどのように対処するのか、その基本方針を示すべきと考えます。
3.経過措置料金規制に係る指定がされない事業者は、利用者への周知・
1 説明を徹底するべきです
都市ガス自由化開始当初から経過措置料金規制に係る指定がされない
事業者及び、その後解除基準に該当し経過措置料金規制に係る指定が
解除されることになった事業者は、その旨の利用者への周知・説明を徹底
してください。
4.資源エネルギー庁は、制度変更や都市ガス自由化に関する周知を行っ
てください
国民の多くは都市ガス自由化の目的や意義、制度の仕組み等について
十分に知らされていません。資源エネルギー庁は、様々なツール・機会を
利用して、制度変更や都市ガス自由化の広報を積極的に行ってください。
2-1
今回のパブリックコメントの実施については、経済産業省本省及び各地方
経済産業局においてプレスリリースを行っております。また経済産業省本省
○電力と違い、都市ガスの家庭自由化は殆ど報道されずに浸透もしておら における記者会見の場で、各地方経済産業局においても同様のパブリック
ず、都市ガス会社も経済産業局も周知していません。それにも関わらず殆 コメントを実施している旨発表しており、その結果、パブリックコメントを開始
2 どの消費者が閲覧しない経済産業局の意見募集で、従来のガス料金規制 した翌日以降全国紙及び各地方紙により一定の報道がなされたものと承
の廃止を決めることに不意打ちに等しく反対です。
知しております。
また、今後の一般的なガスの小売全面自由化に係る周知活動としては、資
源エネルギー庁及び電力・ガス取引監視等委員会により、各地方経済産業
局の協力を得ながら、順次全国で説明会を開催する予定です。
2-2
○ガス卸取引の活性化よる都市ガスの新規参入促進は、ガス料金値上げ
の対抗策として特効薬となります。電力自由化と同じく、別記のガス会社で
は、来年4月小売全面自由化実施以降も3年間は経過措置料金規制を維
持し、その後に家庭消費者への新規参入が無い場合には、規参入者から
2 のガス卸希望があれば、ガス卸事業者や既存都市ガス事業者は、一定量
のガス卸が拒めない制度とするか、「標準家庭における1か月のガス使用
量を前提とした小売料金に係る事後監視」について「合理的でない小売料
金の値上げの基準を具体化する」前提で継続するかいずれかを選択でき
るようにすべきです。
ガスシステム改革小委において、経過措置が課されないこととなった日から
3年間の時限措置である「特別な事後監視」と、小売全面自由化後、全ての
ガス小売事業者を対象として実施する「一般的な市場監視」について議論さ
れました。
「特別な事後監視」とは、経過措置料金規制が課されない旧一般ガス事業
者等に対して行う標準家庭における1ヶ月のガスの使用量を前提とした小
売料金(標準的な小売料金)の水準に着目した事後監視です。
すなわち、経過措置料金規制が課されない旧一般ガス事業者等が、原料
費や託送料金などの上昇に比して、標準的な小売料金の合理的でない値
上げを行っていないかどうかをしっかりと監視していくこととなります。
「一般的な市場監視」について、全てのガス小売事業者が設定する小売料
金水準の確認等を行っていく予定であり、小売料金の不当な値上げによ
り、需要家利益が阻害されることがないよう、しっかりと監視していくこととな
ります。
ガスシステム改革小委員会で議論された上記の趣旨を踏まえ、具体的な監
視の方法について引き続き検討を行ってまいります。