文学部グローバルプロジェクト 第5回 講演会 日本文学を通してインド人が習う日本文化 2016 年 11 月 10 日(木)5 限(16:30―18:00)6310教室 デリー大学東アジア研究科准教授:日本文学専攻 ウニーター・サッチダーナンド女史 【講演概要】 印日間の文化の歴史に新たなページを開いたタゴールと岡倉天心の貢献 を忘れることは出来ない。そして2002年から始まった文学交流はます ます大きくなって、両国間の友情を深め、交流をさらに推進するために 「インド・ジャパン・アソシエーション・フォー・リテラチャー・アン ド・カルチャー」と「あこがれの会」は大きな役割を果たしました。です から、最初に少し日印文学交流についてお話します。 次に日本文学からいくつか例を出して、インド人が日本文化について何を習うのか、そしてインド人と日 本人の心と考え方の似ている点と違っている点についてお話したいのです。 例えば、『徒然草』の第九十二段に出る二本の矢の話は何を示しているのでしょうか。そして、第一○九 段の木のぼりの名人といわれた男が、人を指図して高い木にのぼらせて梢を伐らせた折に、ずいぶん危なさ そうに見えるほど高いところに登っていた間は、何もいわないで、降りるときに軒の高さぐらいになったと き、「過ちをするな。気をつけておりろ」。 そして石川啄木の次の短歌はインド人にとって何を示しているのでしょうか。 ふるさとの訛(なまり)なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく こみ合へる電車の隅に ちぢこまる ゆふべゆふべの我のいとしさ 【略歴】 デリー大学東アジア研究科で日本文学を教える。博士論文「日本における女性の地位と社会的変遷:有吉 佐和子の作品における女主人公の研究」(1997、ジャワーハルラール・ネルー大学)。 1981 から日本文学のヒンディー語訳を続ける。日印文学文化交流の活動を 2002 年から続ける。印度国際 啄木学会印度支部長。主著 Imaging India Imaging Japan: A Chronicle of Reflection on Mutual literature (共 著:坂田貞二、Manak Publications、2004)、『ガンガーは流れる、一握の砂の我を愛する歌 (Swasannidya)、煙(Dhuan)1・2、アナント・キー・オール(永遠の方へ)、ニカト・ハム(私たち近 くに)』(共著:望月善次、Anamika Publication、2008 年)など。 主催:文学部 問い合わせ先:東洋思想文化学科:橋本泰元 [email protected]
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