も の づ く り の 新 た な 兆 し

福 島 県 天 栄 村の西 部 地 区 は 急 峻 な 山 岳 が 連 な り 、
東 部 地 区 は 清 流 に は ぐ く ま れ た ゆた かな 農 村 地 帯 。
さ ま ざ ま な 移 住 支 援 を 実 施 す る この 村 で 、
名嘉山直哉 写真
栗原洋平
U I ターンし た 先 輩 た ちのよ うに 暮 ら し てみ ま せんか ?
文
ーやゴルフといったアクティビテ
そ 年。舟木食品に新たな動きが
起きようとしている。それが、新
東へと流れる釈迦堂川のたもとに
﹁舟木食品﹂は、村の中北部から
います。従来の麹を使ったものよ
の老舗酒蔵の酒粕を原料に使って
﹁同級生が杜氏をしている、地元
製品の甘酒だ。
建っている。派手さはないが、1
蔵元とメーカーが組んだ、二人
り、口あたりがよく香りもゆたか
現場を取り仕切るのは、舟木食
三脚の商品開発は、村のものづく
972年の創業より地域の食卓を
品社長の長男である船木敬祐さん。
りを牽引する新たな象徴だ。
なんですよ﹂
天栄村で生まれ育ったが、 歳の
﹁ 代のころは山と畑ばかりの村
とき、都会にあこがれ上京。
界は苦境にある。それでも、いい
﹁低価格志向や食文化の変化で業
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があまり好きではありませんでし
気づいてくれます﹂
ものをつくれば、きっと消費者は
う遠くないだろう。
開発中。村の新名物になる日もそ
現在は、桃やしそフレーバーを
た。自分の視野も広げたいし、い
ろいろな体験をしたかった﹂
東京では、漬物メーカーなどに
勤務。 歳のころ、家業を継ぐた
インドア派だった秀美さんもい
まの暮らしを謳歌している。
﹁都会では考えつかないことが実
現できる。パン屋になる夢もかな
天栄村に惚れこんで 余年
夢をかなえた移住の大先輩
天栄村に移住を考えている人に
賞したり、コンサートで歌を披露
ったし。地域のマラソン大会で入
い存在だろう。なにせ、移住歴
かたわら、壮太さんは、自然農法
農園はさらに活気づいた。
もスタート。県外からも客が訪れ、
この春からは、民宿内でカフェ
したり。ただただ、自分の可能性
による野菜を栽培し、秀美さんは、
﹁大雪や獣害など大変なこともあ
年の大ベテラン。農家民宿﹁幡谷
東京でのパティシエ経験を生かし、
に驚いています﹂
国産小麦の玄米酵母パンを直売所
自然と向きあってきた移住生活。
だ勉強ですね﹂
やっとコツが見えてきた。まだま
純粋に農業が好きだから。栽培も
ります。それでも続けられたのは、
たい方、地方で何か挑戦してみたい方、
ぜひご参加ください。
天栄村のとれたて野菜でつくった新商
開催日
【場 所】東京都千代田区有楽町2-10-1
東京交通会館ビル9F
第一プログレス フリースペース
【お申し込み】TURNSウェブサイトから
お申し込みください
天栄村移住相談・問い合わせ窓口
天栄村ふるさと子ども夢学校推進協議会
☎ 0248-94-2232 Fax 0248-82-2105
[email protected]
可能性を実感してほしい。
幡谷夫婦の挑戦はまだまだ続く。
﹁この福島県中通り地方は、比較
を目ざす壮太さんだった。
土地に惚れこんだのは自給生活
にも恵まれた。
で販売する。移住後、5人の子宝
自然農園﹂を夫婦で切り盛りする
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とって、幡谷夫婦は何よりも心強
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す。移住に興味のある方、天栄村を知り
的気候がいい。収量を問わなけれ
や食、しごとを、
「知る・語る・つなが
2016年11月26日(土)13:00 ∼ 16:00
※受付開始 12:30 ∼
肥沃な大地の自然 農 、
ものづくりの新たな兆し、
可 能 性に満ちた天栄 村に注目!
めUターンする。
﹁帰ってきてから地元の魅力に気
1955年、湯本村、牧本村、
ィも楽しめる。田畑が広がる風景
づきました。水はうまいし、スキ
大里村、広戸村の4つの村が合併
も、就農を考えている人には魅力
てんえいむら
し、天栄村は誕生した。村名は村
的に映るのでは?﹂
村境には標高1544 の二岐山
をはじめ、大小さまざまな山が連
なっている。
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支えてきた骨太のメーカーだ。
浅漬けなどの漬物類を製造する
船木さんがUターンして、およ
の中心にある﹁天栄山﹂に由来。
Uターン者が切り拓く
ものづくりの未来
:
m
品、特産物を用意してお待ちしておりま
移住希望者は農園を訪れて、その
る」イベントです。
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Vol.20
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:
ば、ほとんどの野菜・果物が栽培
り上げるゲストを迎え、天栄村の暮らし
(上) 野菜は、信頼できる契約農家から仕入れたもの。
(中) 看板商品の浅漬けは受注生産。無添加キムチ、
ヤーコン、ごぼう、しょうがなどラインアップは多彩。
(下) 新製品の甘酒(280グラム250円)は原料に、地
元酒蔵・松崎酒造店の「廣戸川 特別純米」の酒粕を使
用。第二弾のマンゴー甘酒の評判も上々。
(上) 山と林にかこまれた幡谷自然農園周辺の様子。
田んぼでは、うるち米やもち米を栽培。
(中) 農園は、
壮太さんひとりで管理している。
(下) 農園で収穫し
た野菜をそのまま食卓へ。
「毎日、旬のものを食べてい
ます。この夏は、家族でキウイを100キロ分くらい食べ
てるんじゃないかな」と壮太さん。
株式会社舟木食品専務。福島県天栄村出身。18歳のころ、
上京し漬物メーカーなどに勤務。22歳でUターン後、同社
入社。製造現場の統括管理のかたわら、特産品のヤーコン
たまり漬けや甘酒などの商品開発なども手がける。
地元の若者と協力しあって
ものづくりに真摯に向き合う
壮太さんはいわき市出身の元オートバイレーサー。1991年、自給生活をす
るために妻の秀美さんと天栄村に移住。民宿「幡谷自然農園」を開業する。
県認定の「福島ふるさと暮らし案内人」として、移住サポートにも携わる。
《幡谷自然農園 日記》
http://plaza.rakuten.co.jp/hataya2005/
就農、民宿、カフェ……
移住して気づいた、自分の可能性
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緑深い天栄村をさまざまなカタチで盛
できるんじゃないかな﹂
てん えい むら
船木敬祐さん
そう た
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カフェふくしま天栄村
幡谷壮太・秀美さん夫妻
福
島県天栄 村
舟木食品
NS NICESPOT
TUR
幡 谷自然 農 園