平成28年度東京都税制調査会答申のポイント

平 成 28 年 10 月 27日
主
税
局
平成28年度東京都税制調査会答申のポイント
答申の特徴
○
人口構造や社会経済の変化に耐えうる税制度について、幅広くかつ中長
期的な視点から提言
○ 地方自治体の自主的・自立的な行財政運営に必要な総体としての地方税
財源の拡充を説くとともに、環境重視の社会経済を構築するため、税制の
一つの基軸に「環境」の視点を据えることを提言
○ 東京における税をめぐる諸課題として、大都市特有の財政需要、税に対
する理解の促進、都の重要施策を支える税制の役割について提言
税制改革の方向性
地
の
方
あ
税
り
体
方
系
■
地
方
消
費
税
■
地方自治体の役割の大きさを踏まえれば、自主財源の充実強
化が不可欠。特に地方税の充実を図るべき
■ 課税自主権の活用により自主税源を拡充し、自立的な行財政
運営を行うよう努めるべき
地方消費税は、世代間の負担の公平を確保でき、地域間の偏
在が小さく、税収が安定的で、地方自治体の運営を支える自主
財源としてふさわしい税
■ 消費税率10%引上げまでの間、国は地方自治体に対して必要
な財政措置を確実に講ずるべき
■
地
方
法
人
課
税
(p.15-63)
分割基準の見直しにあたり、これを財政調整の手段として用
いることは、行政サービスの受益と法人の事業活動との対応関
係を歪め、基準そのものに対する信頼を失わせることになるた
め、断じて許されない
■ 法人住民税法人税割について、地域間の偏在是正という目的
のために、地方自治体の重要な基幹税を国税化することに合理
性はない
■ 企業版「ふるさと納税」は、受益に対する負担という地方税
の原則に反するもので、抜本的に見直すべき
個
人
所
得
課
税
自車
動体
車課
関税
連等
税の
■
税負担のみならず社会保険料負担も一体として捉えた上で
持続可能な社会の発展に資する個人所得課税の抜本改革が望
まれる
■ 現行の所得控除を再編し、税額控除を積極的に導入するべ
き。給付付き税額控除の導入も一つの方策
■
持続可能な社会を実現するため、車体課税を積極的に環境
関連税制として位置付けることが極めて効果的。保有段階に
おける環境性能割の導入を積極的に検討することが望ましい
■ エコカー減税等が低燃費・低公害車の普及に寄与する半面、
大幅な減収が生じ、地方自治体は今後自動車関連税を充実
確保することが重要な課題
■
環
境
税
制
地球温暖化対策のための税は、税率水準が著しく低く、排
出抑制のインセンティブはあまり機能せず
■ 化石燃料に対してCO₂排出量に応じた税負担を求めていくた
めの現実的な課税方法は、地球温暖化対策のための税の更な
る税率の上乗せが妥当
東京における税をめぐる諸課題
(p.64-78)
1 東京における財政需要
首都機能をも担う東京には、大都市特有の膨大な財政需要が存在。
総体としての地方税財源を拡充する方向がとられるべき
2 税に対する理解の促進
租税教育は、納税についての理解と共感の醸成に焦点を当てるべ
き。特に高校生や大学生への充実が必要
3 都の重要施策を支える税制の役割
特定の政策目的に基づく税制活用は、施策の必要性、合理性、有
効性、相当性の観点等から慎重に検討する必要