2016 年度 数 学 ■ 大学・学部(日程):東北大学・理系(前期) ■ 出題構成 (時間/配点):理:150分/300点,工:150分/300点,薬:150分/400点, 農:150分/300点,歯:150分/200点, 医:(医学科)150分/250点 (保健学科放射線技術科学専攻,検査技術科学専攻)150分/200点 (出題形式):全問記述 (難易度変化):(昨年と比べて)易化 大問 出題分野・テーマ 1 図形の性質 2 数列 整数 3 確率 4 複素数平面 複素数と方程式 5 空間図形 2次関数 6 積分法 三角関数 問題分析・コメント 円の性質を利用して角度が等しいことを示す問題。円 に内接する四角形の性質や,円周角の定理の逆などを 適切に用いることが要求される。 条件をみたす素数の組を求める問題。(2)では p,q の偶 奇に着目することがポイント。また,(1)をふまえてき ちんと論述できたかどうかで差がつくだろう。 3 つのサイコロの目が直角三角形,鈍角三角形の 3 辺 の長さとなる確率を求める問題。大小関係を設定する など工夫して数え上げることがポイント。三角形の成 立条件にも注意が必要である。 与えられた多項式を利用して方程式の解について考察 する。(2)ではド・モアブルの定理を用いる。(3)は(1)と (2)の誘導をうまく利用して考えるとよい。 平面による球の切り口の面積を求める問題。適切な平 面に落とし込んで考えることがポイント。平面 OPQ に 着目するとよいだろう。 三角関数・絶対値を含む定積分の最大値・最小値を求 める問題。絶対値をはずす際の計算が大変。しっかり とした計算力が必要である。 難易度 やや易 標準 標準 標準 標準 標準 ※難易度は東北大受験生を母集団とする基準で判定しています。 ■ 出題傾向 各分野からまんべんなく出題され,思考力・処理力がバランスよく問われる出題が多い。 ■ 2016 年度入試の特記事項 理系1と文系4が共通であった。 2014 年度まで頻出だったベクトルの問題が,2015 年度に続き 2016 年度も出題されなかった。 ■ 求められる力とその養成 図形的な見方,式の見方を要求する問題や事象の扱い方,場合分けに工夫を要する問題など,思考 力の必要な問題が比較的多く,解法の丸暗記では歯が立たない。問題演習を通して「考え方」を習 熟しておく必要がある。独力で解法を探ること,いろいろなアプローチの仕方,および別解を考え ることで,本質的な理解を目指すことが望ましい。そのためにも,解答,解説が詳しい問題集・参 考書などを用いて,多様な考え方を身につけることを意識したい(眺めるだけではダメ。まずは自 力で考えることが大切)。効果的な東北大対策として,本番に近い問題の演習ができるZ会の通信 教育を是非活用してほしい。 また,場合分けが煩雑になりやすい問題や計算力を要する問題もあるので,処理量の省力化の工夫 と計算をやりぬく腕力の双方が必要であり,日頃から「最後まで計算する」姿勢が重要になる。
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