風水を取り入れた街造り シンガポール駐在員事務所 島 宗辰 皆さんは風水というとどんなイメージをもっていますか?おまじないや占いの1種であり、信用でき ないと言う人もいらっしゃると思いますが、ここシンガポールでは街中の建築物に風水の考えが取り入 れられています。 風水の基本である『五行思想』の中には『相生』・『相剋』と言う考え方があり、木・火・土・金・水 の5つの要素がお互いに影響を与えていると言われています。 この陰と陽のバランスがうまく取れていればいいのですが、片方が強すぎて他方を攻撃してしまう ケースがよく見られます。香港においては香港上海銀行と中國銀行の風水戦争が有名な例ですが、シン ガポールの繁華街オーチャードにおいても、オーチャードロードの交差点で対面する「ウィーロック・ プレイス(下図①)」と「マリオットホテル(下図②)」において風水戦争が繰り広げられています。 「ウィーロック・プレイス」は金属で作られた三角形(尖っている)の建物であり、金と火の要素を 持っています。一方、「マリオットホテル」は背が高く、木の要素であると言えます。『五行思想』の考 えに当てはめてみれば金(ウィーロック・プレイス)によって木(マリオットホテル)は切り倒されて しまいます。また、木(マリオットホテル)は火(ウィーロック・プレイス)の成長を促しています。 実際に、ウィーロック・プレイスが建設されて以降、マリオットホテルは以前のような輝かしい実績を 残せていないそうです。これに対してアイオンオーチャード(下図③)は反射素材で建物を覆い、悪い 気を反射させ、この風水戦争に巻き込まれないようしているそうです。 上記ではバランスが取れていない例を紹介しましたが、シンガポール全体が風水の考えを基に街が造 られている為、多くの調和された街並みを見ることが出来ます。シンガポールを歩く時にはぜひ風水の ことを思い出してください。ガイドブックには載っていない楽しみ方ができるはずです。 ① ウィーロック・プレイス ② マリオットホテル ③ アイオンオーチャード 1610 広告審査済
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