●平成28年度市政懇談会市長あいさつ 今年度の市政懇談会を開催させていただきましたところ,ご多用の中ご出席いただきま してありがとうございます。 私の方から数点だけ皆さま方にご報告させていただき,ご挨拶に代えさせていただきた いと思います。 今ひたちなか市はどのような状況にあるかと申しますと,人口はほぼ横ばいです。先月 は転勤の関係で減りましたが,4月は増えている状況で,まだ確たることは言えませんが, 2040 年を展望すると 15 万人は割るのではないかと,長期的な展望は持たざるを得ない状 況であります。その中で,少子高齢化というのは,間違いなくひたちなか市も例外ではあ りません。高齢世帯の一人暮らし二人暮らしが増えていますし,聞くところによると,長 堀小学校の卒業生と新一年生を比べると,新一年生の方が少ないということは減り始めた のではないかと思われます。市内の学校でも,どこも増えていくという見込みのところは 無くなっていうようであります。そういう状況でもありますが,比較的ひたちなか市は人 口を維持しながら,高齢者の割合も,全国や県内平均から見ても低いところではあります。 後ほど,財政についてもお話をさせていただきますが,皆さま方から頂戴しております個 人市民税については,比較的堅調に収めていただいております。 ご存知の方も多いと思いますが,大きな産業の一つである日立製作所さんの決算を見て いますと,非常に好調であるということは間違いないわけでありますが,果たして地方が それだけの景気の上昇が見られるかというと,本当に皆さまの日々の実感からいったら, どうなのかというのが正直なところだと思います。グローバルな所としのぎを削る分野な ど,企業の競争は非常に厳しいわけでありまして,これはイギリスの EU 離脱も,ひたち なか市に関係ないとは言えないという面もあると思います。日立製作所さんは,車両関係 でイギリスの方で生産されており,本当に世界と繋がっており影響もあるわけであります けれど,やはりグローバルな意味での経済と,地方の経済というのは少し違うのではない かと思います。ですから,ここで若い人達がしっかり働く場所を確保していくことが大切 だと私は思っております。 今,常陸那珂港も非常に国の予算も付いており,まもなく完成自動車の輸出港として目 に見える形になると思っております。建機メーカーも進出してこられているということも あって,企業の発展もありますし,中小企業の方の技術力や販売力を高めたりし,市でも 支援をさせていただいたり,商工会議所ではロサンゼルスに事務所を設け,全国的にも極 めて珍しい取り組みを行っておりますけれども,ここで作られた物や,ある意味では農協 と連携しながら農産品など海外展開も図ってはどうかということもやっております。そう いう意味で非常に積極的に地域の方々は,産業活動などに取り組んでおられるというよう に思います。 したがいまして,財政についても無駄な支出は当然見直しをしておりますし,区画整理 の実施も行っておりますが,基本となる部分,例えば雨が降った時に水が溜まるとか,非 常に交通渋滞が激しいとか,通学路の安全が確保できるかなど,そういう視点で事業の優 先順位を考えて大幅な見直しをしております。このまま続けると非常に大きな財政負担, 税負担になるものでありますから,皆さま方に計画の変更をお示しさせていただきながら, ご意見をいただき見直しを進めております。 それから,この地域にいろいろ関わる問題としていくつかあるわけでありますけれど, 一つは表町を中心とする商店街のことでありますが,比較的に勝田は飲食店が繁盛してい ると言われております。特に駅に近い方は,駅を利用しやすいので,そういう意味では新 たにここで店を持ちたいという人は多いと聞いております。ただ 800 メートルを超える商 店街でありますから,中々厳しい状況であると思います。そういう中にありまして,まち づくり会社が商工会議所の元気な方を中心にスタートしておりまして,なんとかあそこに 人が集まって,そしてまた,あそこから色々なことが情報発信されたりして,この商売も 含めて地域が元気になるように頑張っているところであります。あの拠点になっているお 店もオープンしたところであります。それと連携しながら,石川運動広場の北側の,ハイ テクさんが持っていたサイエンスラボを取得しました。非常に良い場所であり,建物は築 25 年経っておりますが,少なくともあと 25 年はもつだろうと思っております。建物の2階 部分は全面的に,子育て支援センターとして整備し,気軽に立ち寄れるスペースにしたい と思いますし,いま商工会議所の隣にあります生涯学習センターや青少年センターについ ても1階に集約し,市民のいろいろな文化活動など活動しやすいスペースも提供させてい ただき,もう一つあそこに人の流れを作り集まっていただきながら,中心市街をもう一度 元気を出そうという取り組みをさせていただいております。 この梅雨時で,九州の方では大雨が降っておるようですけれど,災害の対応は非常に重 要な問題であります。5年前に震災を経験しておりますから,いろいろな反省に基づきま して,通信手段や上坪の水道の老朽化した施設を全面改修など取り組んでおります。特に 一中地区では,那珂川の無提地域があるわけでありますけれど,これは地権者の方のご協 力をいただきながら,具体的に仕事は進み始めておりますけれど,ご存知の方も多いと思 いますけれど,先日,国交省の国道河川事務所から,破堤も含めてどのくらいの危険があ るのか,マップが示されました。我々にしてみれば少しショッキングな感じがするわけで すが,これは,昨年の常総を中心とする鬼怒川の氾濫を一つの教訓としているものであり ます。したがいまして,総合防災訓練もさせていただきますが,津波と那珂川の氾濫に伴 う避難訓練を皆さま方のご協力のもとに進めさせていただきたいと思いますが,一刻も早 く堤防を造ることは忘れてしまっては困るということは,改めて申し上げております。テ レビをご覧になった方もいらっしゃるかも知れませんが,実は国交省で会議をやりまして, 避難するのがいかに大切かというのを確認する会議があり,帰り際に NHK のインタビュー を受けまして,放送したのを見た方もいらっしゃるかも知れませんが,私が最初に言った のは,堤防を忘れてしまっては困ると言いました。破堤の危険も勿論ありますが,堤防が 無いところから先にやられるわけですから,その部分は見事に放送ではカットされており まして,いかにしっかり避難体制を作るかと言ったところだけ私が言ったように見えまし たけれど,言い訳ではなく補足をさせていただきますが,水戸側が終ればこっちをやると か,こっちが終れば水戸側をやるとか,そんな交互では間に合わないのではないかという ことで進めさせていただいているところであります。 そういう意味で,震災や水害対策についても非常に天候も不安定且つ異常な状況が想定 されております。 冒頭で申し上げましたように,ひたちなか市は間違いなく高齢世帯が増えており,その 中で空き家も増えてきていると思います。空き家の対策条例も作り,市としてもどうして も緊急にやらなければならない場合は,法律の枠を少しはみ出して対応するという条例も 作りました。議会の皆さま方や,地域の皆さま方からしっかり情報をいただきながら対応 しなければならないと思っております。そういった高齢者への対策や対応に取り組みたい と思っておりますし,各自治会の総会のお呼びいただいた時にもお話させていただきまし たが,家庭や家族の繋がりは非常に大切だと認識させていただいておりまして,出来る方 は三世代同居,近居,同居をお勧めしたいということで,引っ越して来ていただくのを一 つの条件にして,補助を出させていただいております。平成 27 年度は 58 件の補助金を出 させていただきました。今年度も 10 件以上申請をいただいております。そうはいっても, そういうことが可能な方ばかりではありませんので,やはり,自治会や民生委員の方々, そしてボランティアの方々も含めて,地域での繋がりの中でお互いに支え合い,要支援者 を確認するなど,そういうことも大事だと思います。そういう意味で一中地区の皆さま方 には,これまでも率先して防災やまちづくりについて取り組んでいただいたところであり ます。なんといても市内で最初にコミセンを地域運営で取り組まれたのは,この一中地域 であります。その力をまた皆さま方に発揮していただいて,ひたちなか市のこれからのま ちづくりに大きなお力添えを賜りたいと思います。 毎回申しておりますが,今日だけが市政懇談会だと決して思っておりませんし,今日一 日しのげればいいと決して思っておりませんので,是非そう言う意味で,忌憚のないご意 見を賜りますようお願いをさせていただき,ご挨拶に代えさせていただきます。どうぞ, よろしくお願いいたします。
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