行政説明 文部科学省 高等教育局 専門教育課 企画官 福島 崇 ただ今ご紹介いただきました文部科学省専門教育課の福島でございます。私のほうからはインタ ーンシップにつきまして、お話をさせていただきたいと思います。内容としては、目次のとおり 1 から 4 の4つでございます。時間もないので駆け足になってしまうかもしれませんが、順に説明させてい ただきたいと思います。 まずは、インターンシップの意義・留意事項でございます。インターンシップは、学生が在学中に 自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うことと考えております。また、意義ということ で、大学等及び学生の意義、企業等の意義とそれぞれ書いてございます。それぞれの意義をとお して、大学、学生それから受入れ企業にとって互恵的なものであるということで取り組みを進めてい きたいと考えております。インターンシップの留意事項ということで、大学等における留意事項、企 業側における留意事項をそれぞれ挙げておりますが、大きくは、大学等の教育の一環として位置 付け、積極的な関与をお願いしたいということ、これがまず第 1 点でございます。それから、インター ンシップという言葉はよく聞きますけれども、中身もいろいろなものがございますので、インターンシ ップと称して、就職・採用活動開始時期以前に就職・採用活動そのものを行うことによって、インタ ーンシップ全体に対する信頼性を失わせることにならないようにご留意をお願いしたいということ、 これが留意事項 2 点でございます。次のページは、インターンシップで取得した学生情報の広報 活動・採用選考活動における取扱いの考え方を記載したものですが後でご覧いただければと思い ます。こういう観点からわれわれ政府のほうも、インターンシップと広報活動・採用選考活動等に関 しまして企業等に要請を行っているところでございます。ここまで、インターンシップの意義・留意事 項をお話ししましたが、ここからはインターンシップに関する政府の方針ということでございます。こ れは、お手元の資料に間に合っていないかと思いますが、冒頭の局長挨拶にもございましたが、イ ンターンシップに関する政府の方針ということで、この 6 月に閣議決定されました文章を二つ掲載し ております。一つが『ニッポン一億総活躍プラン』で、この中には二点あり、一つは教育効果の高い 多様なインターンシップの推進です。それから、地方創生ということが本日何度も出ていますが、地 域の自治体に即した支援ということで東京圏在住の学生さん、それと地元の学生さんが、地方企業 でインターンシップを行うことでその企業の魅力等を感じていただき、地方への人材還流や地元定 着の促進を図るということ、この 2 点が入ってございます。同様のことが、『まち・ひと・しごと創生基 本方針 2016』のほうにも書いてございます。それが、地方創生インターンシップということでござい ます。また、後で少しご紹介させていただきます。次のページは昨年度の政府の方針でございます ので後でご覧いただければと思います。その次のページは平成 23 年に大学設置基準を改正した 件でございます。「大学におけるキャリアガイダンスの推進」ということで、体制の整備ということを示 しております。これにつきましても、平成 23 年からできて 4、5 年経っておりますので、今までの取り 組みを踏まえて、その PDCA サイクルを回していただいて、どういう体制がいいのかの再検討もお 1 願いしたいと思っております。それから次に、インターンシップの実施状況がどうなっているのかと いうことでございますが、インターンシップを実施している大学数自体は伸びてきているという状況 でございます。しかし、参加学生の割合で見ると 2.6 パーセントということで、まだまだ少ない状況に とどまっているということでございます。では、このインターンシップについて、企業側から見た現状 や期待ということはどんなことなのかというものを次に書いております。まず 1 点目は、プログラムの 問題でございます。やはり、大学の組織的な関与が少ないということが言えます。それから、実施期 間が大体 1 週間程度のものが多いわけでございますが、インターンシップをとおして、学生が気づ きを得て、それを自分の今後のキャリアや学習に反映させていくことを考えますと、やはりある程度 の期間、ここでは 1 カ月以上と書かれておりますけれども、そういう長期化が有効だろうということ、 それからキャリア教育ということを考えた場合には、現状は当然 3 年生が多いわけですが、やはり、 低学年時から段階的にやっていくということも有効ではないかということでございます。それから、有 給インターンシップというところではやりがい、責任感につながるのではないかということでございま す。では、その推進に向けて具体的にどのように取り組んでいくのかということでございますけれど も、厚生労働省、経済産業省、それから文部科学省の 3 省で取りまとめた基本的考え方では、次の 五つを示しております。一つは単位化の推進と書いてございます。これは単位化そのものが目的 ではなくて、単位化するためには当然その大学の中の教育、特に専門教育とのつながりを明確に していかなければいけないという意味で単位化を推進していただきたいということでございます。そ れから 2 点目でございますが、企業における実習内容、これを評価・活用していくことであり、学生、 大学のほうにもフィードバックしていくということが大事だろうと思います。それから 3 点目、これも先 ほど申し上げた、学部 1、2 年生からの参加ということでございます。それから 4 点目、これも先ほど と重なりますが、長期有給のインターンシップというものも一つ有効ではないだろうかということでご ざいます。それから、最後 5 点目でございますが、企業等の実態について学生の理解を促す一つ の契機になるということ、あるいは中小企業や地方の企業の魅力発信ということで、企業に対する 理解の促進、魅力の発信の機会になるということも考えているところでございます。文部科学省とい たしましては、先ほど補助事業が終わったとの話がありましたが、インターンシップにつきましては、 引き続き、大学教育の中心的な部分として、進めていく必要があると考えておりまして、インターン シップガイドのようなものを今後作成し、ご紹介していきたいと考えております。 それから先ほど地方創生の話がございましたが、東京圏在住の地方出身学生の方に地元に戻っ ていただいて、地元企業でのインターンシップの実施を支援する取り組みを、産学官で推進するこ とを今進めております。そこに「課題」とありますが、産学官で地域のインターンシップを推進する組 織を設置しまして、産学官が連携をして支援を取り決め、進めていくということでございます。これに つきましては今月の終わり頃になると思いますが、自治体向けの説明会等もございますので、ぜひ 積極的な取り組みをお願いできればと考えております。最後 2 点紹介させていただきますが、今お 話ししたようなインターンシップの今後のあり方ということで、京都産業大学さんと山形大学さんの事 例を紹介させていただいております。資料に書いてあるだけではなかなか分かりにくいと思います ので、ぜひ実際に取り組まれている方のお話等をお伺いしていただければと思っております。そう 2 いう意味でインターンシップを進めていくには、やはりインターンシップに関わる人材の育成というこ とが大事だと思っておりますので、ぜひその取り組みについても進めていただきたいということが一 点。それからもう一つ、キャリア教育ということと併せて、学生の学習という観点で申し上げますと、 今が小中高の学習指導要領の改訂の中でアクティブ・ラーニングなどいろいろ出ていますが、まず 子どもたちには学んだことを活用して、実際に課題を解決できる力をつけさせるということを一つの 目的にしております。小中高で知識を習得・活用して、課題を探求する。そういうサイクルの活動を 今進めておりますので、その力を大学の学習につなげていくということも一つ大事な視点だと思っ ております。ぜひ、そういう観点からもインターンシップの取り組みの推進ということをお願いできれ ばと考えております。以上でございます。ありがとうございました。 3
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