発表資料「全国農業用水小水力発電推進協議会の取組み」

平成25年10月16日
とやま水土里フォーラム・農業用水
小水力発電推進全国大会
全国農業用水小水力発電推進協議会の取組み
平成25年10月
全国土地改良事業団体連合会
専務理事 中條 康朗
(全国農業用水小水力発電推進協議会事務局)
小水力発電をめぐる背景
H15.4 RPS制度(電気事業者に新エネルギー等から発電される電気を一定割合以上利用
することを義務づけ)の開始 (中小水力発電は出力1,000kW以下に限る)
H21.11 太陽光発電の余剰電力買取制度が開始
H21.11~H23.2 経済産業省内プロジェクトチーム、経済産業省総合資源エネルギー調査
会新エネルギー部会において、再生可能エネルギー(小水力、太陽光、風
力等)の全量買取制度導入に係る検討を実施。
H23.3.11 東日本大震災
H23.4.5 「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」
国会提出
H23.8.30 同法公布
H24.7.1 同法施行(固定価格買取制度の開始)
法律の目的
エネルギー源としての再生可能エネルギー源を利用することが、内外の経済的社会的環境に応じ
たエネルギーの安定的かつ適切な供給の確保及びエネルギーの供給に係る環境への負荷の低減
を図る上で重要となっていることに鑑み、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関し、
その価格、期間等について特別の措置を講ずることにより、電気についてエネルギー源としての再生
可能エネルギー源の利用を促進し、もって我が国の国際競争力の強化及び我が国産業の振興、地
域の活性化その他国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。
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全国農業用水小水力発電推進協議会の設立
○ 小水力発電への関心の高まりを背景に、農業用水を活用した小水力発電を推進す
るため、土地改良区、市町村等を会員とする『全国農業用水小水力発電推進協議
会』を平成24年4月25日に設立。
協議会設立の背景
○
新たな土地改良長期計画による小水力発電等の導入目標の設定
土地改良区としても、目標達成に向けた積極的な導入推進が必要
○
○
福島第一原子力発電所事故に伴う、電力受給の逼迫
維持管理費の増嵩
農業水利施設の適切な操作・維持管理のために、電気代を含む維持管理費の
軽減が必要
○
○
固定価格買取制度の開始に伴う、小水力発電への関心の高まり
小水力発電に関する情報・知見がない、制度が複雑
小水力発電に関する情報の収集・提供が必要
○
小水力発電の導入に伴う、各種規制・制度がネック
小水力発電の導入を推進するためには、電気事業法、河川法等の各種規制・
制度の緩和が必要
平成24年4月25日、『全国農業用水小水力発電推進協議会』を設立
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全国農業用水小水力発電推進協議会の概要
○ 協議会は、農業用水を活用した小水力発電を実施している、若しくは将来の取り
組みを検討している土地改良区、市町村、都道府県水土里ネットを主な会員として
構成。
○ 会員数は383団体(水土里ネット等:243、市町村:140)
協議会の概要
設 立:平成24年4月25日
役 員:会 長 神谷・愛知県土地改良事業団体連合会会長
副会長 野上・青森県土地改良事業団体連合会会長
白倉・北杜市長(山梨県)
三富・新潟県土地改良事業団体連合会会長
事務局:全国土地改良事業団体連合会 企画研究部内
会員数:383団体(水土里ネット等:243、市町村:140)
協議会設立総会
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全国農業用水小水力発電推進協議会の取り組み
○ 協議会は、小水力発電に関する情報の収集・提供、調査・研究、施策の提案等を
積極的に実施。
○ 随時の情報提供に加え、以下の取り組みを実施
協議会の主な活動実績
日付
平成24年
4月25日
活 動 内 容
協議会の設立理事会・総会
国会議員・関係省庁への要請活動
4月26日
・既存設備への固定価格買取制度の適用、適切な調達価格・期間の設定、関連
法規制等(河川法、電気事業法)の緩和
農村の自然エネルギー活用フォーラム(埼玉)
5月16日
・主催:国土経営研究所、協賛:全国農業用水小水力発電推進協議会
再生可能エネルギー特別措置法に関するパブリックコメントへの12の意見提出
5月31日
・関連法規制(河川法、電気事業法)の緩和、接続費用の低減を図ること、土
地改良区の排水機場等に係る再エネ賦課金も減免の対象とすること
6月14日
小水力発電の導入促進に係る地方キャラバン(ブロック毎の開催)
-7月27日
農林水産省、地方農政局、全国水土里ネット(協議会事務局)
等
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協議会の主な活動実績
日付
9月6-7日
活 動 内 容
農業用水を活用した小水力発電施設見学会in富山
(95名参加)
農業農村整備計画セミナー「農業水利施設を活用した小水力発電の全国的な導入
9月13日
に向けて」
・主催:全国農村振興技術連盟、全国農業用水小水力発電推進協議会
11月20日
小水力発電推進に係る関係省庁・団体の意見交換会(経済産業省主催)
農村の自然エネルギー活用フォーラムin仙台
12月11日
12月17日
平成25年
1月18日
・主催:国土経営研究所、協賛:全国農業用水小水力発電推進協議会
河川法施行令の一部を改正する政令案に対するパブリックコメントへの意見提出
国会議員・関係省庁への要請活動
・電気事業法の規制緩和、河川法手続の簡素化、国の支援の充実、再エネ賦課
金の減免等
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協議会の主な活動実績
日付
活 動 内 容
関係省庁への要請活動
4月9日
・電気事業法の規制緩和、河川法手続の簡素化、国の支援の充実、再エネ賦課
金の減免等
バンク逆潮流制限に関するパブリックコメントへの意見提出
4月15日
・必要な措置に係る費用は特定供給者の負担としないこと、技術的に措置が困
難な場合は買取枠を事前に調整できる場を設置すること等
自民党「資源・エネルギー戦略調査会」における小水力発電等に係る規制・制度
4月~5月
の見直しへの対応
・農業用水を活用した小水力発電の推進・要望について説明。
・並行して、経済産業省、国土交通省と規制・制度の見直しについて打合せ。
情報提供
5月~
・地方紙も含めた全国の小水力発電に係る記事の配信を開始(毎月1回)
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農業用水を活用した小水力発電をめぐる状況
○ 土地改良長期計画(平成24年3月閣議決定)では、平成28年度までの5年間で、小水力
発電等の再生利用可能エネルギーの導入に向けた計画作成に着手済みの地域を約1,000
地域とする目標を設定。
○ 固定価格買取制度の設備認定を受けた再生可能エネルギーは、太陽光発電が大きな
シェアを占める一方、小水力発電のシェアは極めて小さい。
(参考) 平成25年5月末までに固定価格買取制度の設備認定を受けた再生可能エネルギー
区
分
認定件数
割合(%)
太陽光
認定出力
(kW)
割合(%)
437,809
99.96
20,022,196
94.94
風力
73
0.02
798,235
3.79
中小水力
60
0.01
5,647
0.03
200kW未満
36
2,428
200kW以上1,000kW未満
15
7,599
9
60,573
1,000kW以上30,000kW未満
バイオマス
43
0.01
地熱
6
<0.01
合計
437,991
194,077
0.92
4,040
0.02
21,089,147
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農業用水を活用した小水力発電の推進に向けた主な方策
1.電気事業法関連
1) 小規模発電施設におけるダム水路主任技術者の選任に関する要件の緩和
・500kW未満の場合(新たな施設の設置を伴うもの/伴わないもの)
・200kW未満の場合
2) 都道府県土地改良事業団体連合会の技術力の活用
2.河川法関連
1) 登録制度の早期の制度設計
2) 非かんがい期における新規発電用水利権取得手続きの簡素化
3) 慣行水利権における新規発電用水利権取得の要件等の明確化・簡素化
3.国の支援の充実
調査、設計、建設、各種法令に基づく協議及び技術力向上対策に対する支援の充実
8
農業用水を活用した小水力発電の推進に向けた要望
1.電気事業法の規制の緩和
○ 発電施設の設置者は、電気主任技術者とダム水路主任技術者の選任が必要。
課 ○ 他方、資格を有する土地改良区の職員が少ない、資格取得が困難等の理由により、
主任技術者の選任が困難な状況も存在。
題 ○ 農業用水路等を活用した小水力発電を推進するには、土地改良区の管理経験の
評価、農業水利施設に知見を有する農業土木技術者若しくは都道府県土地改良事
業団体連合会(県土連)の技術力・経験の活用が必要。
9
1-1.電気事業法の規制の緩和 (ダム水路主任技術者の選任要件の緩和)
○ダム水路主任技術者の概要(現在の規定)
区 分
70m以上のダム又は高低差60m
以上の導水路 ①
70m未満のダム又は高低差60m
未満の導水路 ②
②のうち500~100kW
求められる資格等
第1種ダム水路主任技術者
第2種ダム水路主任技術者以上
高卒以上の土木工学履修者、又はこれと同等の
知識と技能を持つ者以上
②のうち100~20kW
土木技術で相当の知識と技能を有する者以上
②のうち20kW未満
不要
※ただし、ダムなしかつ、200kW未満かつ、最大使用水量1m3/s未満は選任不要
※網掛けは、規制緩和の要望対象
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【事例1】発電用の新たな施設(ヘッドタンク、水圧管)の設置を伴わない場合
百村(もむら)第一・第二発電所/那須野ヶ原土地改良区連合(栃木県)
落差工ごとに設置
【発電所諸元】
最 大 出 力
最大使用水量
有 効 落 差
完 成 年 度
: 30kW/1基
: 2.4m3/s
: 2m
:平成17年度
※200kW未満であるが、1m3/sを超えているた
め、現行規定では、ダム水路主任技術者の
選任が必要
11
12
最大流量 2.4m3/s
落差
2m
13
【事例2】発電用の新たな施設(ヘッドタンク、水圧管)の設置を伴う場合
照井発電所/照井土地改良区(岩手県)
発電所
埋設された
発電用
水圧管
既存の農業用水路の脇に、発電用の水
圧管を埋設
【発電所諸元】
最 大 出 力
最大使用水量
有 効 落 差
建
設
費
完 成 年 度
: 50kW
: 1.087m3/s
: 6.88m
: 5,450万円
:平成22年度
※200kW未満であるが、1m3/sを超えているた
め、現行規定では、ダム水路主任技術者の
選任が必要
発電所から約55m上流地点
取水口
(分岐点)
分岐点
(ヘッドタンク)
発電用
水圧管
へ
農業用
水路へ
14
1-1.電気事業法の規制の緩和 (ダム水路主任技術者の選任要件の緩和)
要望事項
500kW未満(新たな施設なし)
1.-1)-1 既存の農業水利施設
を活用し、新たな施設(ヘッド
タンク、水圧管)の設置を伴わ
ないものについては、ダム水
路主任技術者の選任を不要と
すること。
【事例1】
500kW未満(新たな施設あり)
1.-1)-2 現行の「高卒以上の土
木工学を履修した者」に、農業
水利施設を活用した小水力発
電の場合は、「農業土木学を
履修した者」も含めること。
背景
○ 土地改良区は日頃から農業水利施設を適正に維持
管理。農業水利施設の状況を熟知している土地改良
区の知見を活用すべき。
このため、新たな施設の設置を伴わず、かつ、土地改良区が農業用
水路等と一体的に発電施設を管理し、農業用水の最大取水量の範
囲内で発電する場合には、新たにダム水路主任技術者を選任する
必要はないのではないか。
土地改良区が運営する小水力発電については、これまでも土地改良
区職員が適切に管理しており、溢水や物的・人的被害は発生してい
ない状況。(運営開始後5年以上経過している11施設)
○ 農業土木履修者の知見を活用すべき。
ア)高校での土木工学と農業土木学の履修内容はほぼ同じ。
イ)農業水利施設を利用した小水力発電の場合は、むしろ農業水利に
知見を有する農業土木学履修者を活用することが妥当。
【事例2】
[前提条件(上記2項目共通)]
・土地改良区が農業用水路等と一体的に
発電施設を管理
・農業用水の最大取水量の範囲内
15
1-1.電気事業法の規制の緩和 (ダム水路主任技術者の選任要件の緩和)
要望事項
200kW未満
1.-1)-3 現行規定では、200kW
未満かつ、最大使用水量1m3
/s未満の場合は、ダム水路主
任技術者の選任は不要であ
るが、新たな施設の設置を伴
う場合も含め、流量の要件を
撤廃し、発電設備の最大出力
のみにより判断すること。
背景
○ 土地改良区は日頃から農業水利施設を適正に維
持管理。農業水利施設の状況を熟知している土地改
良区の知見を活用すべき。
○ 200kW未満であっても、最大使用水量 1m3/s以上
を計画している小水力発電が一定数存在。
流量要件の撤廃については、安全確保の面から慎重な検討は必要で
はあるが、何らかの緩和措置の検討を要望するもの。
【事例1,2】
土地改良区が運営する小水力発電については、これまでも土地改良
[前提条件]
・土地改良区が農業用水路等と一体的に
発電施設を管理
区職員が適切に管理しており、溢水や物的・人的被害は発生していな
い状況。(運営開始後5年以上経過している11施設)
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1-1.電気事業法の規制の緩和 (ダム水路主任技術者の選任要件の緩和)
○ダム水路主任技術者の選任要件の緩和に関する要望のまとめ
新たな施設なし
現行規定
高卒以上の土木工
500~200kW
学履修者等
新たな施設あり
要望
現行規定
選任は不要 高卒以上の土木工
とする
学履修者等
要望
高卒以上の農
業土木学履修
者を含める
・1m3/s以上の場合、
・1m3/s以上の場合、
高卒以上の土木工
高卒以上の土木工
選任は不要
選任は不要と
学履修者等
200~100KW 学履修者等
とする
する
・1m3/s未満の場合、
・1m3/s未満の場合、
選任は不要
選任は不要
100~20kW
・1m3/s以上の場合、
・1m3/s以上の場合、
土木技術で相当の
土木技術で相当の
知識・技能を有する 選任は不要 知識・技能を有する 選任は不要と
者
者
とする
する
・1m3/s未満の場合、
・1m3/s未満の場合、
選任は不要
選任は不要
20kW未満
選任は不要
-
選任は不要
-
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1-1.電気事業法の規制の緩和 (ダム水路主任技術者の選任要件の緩和)
現在の状況
○ 「規制改革実施計画」(平成25年6月14日閣議決定)において、ダム水路主任技術者の
選任要件の緩和について、平成25年度中に検討・措置されることが決定。
事項名
規制改革の内容
実施時期
小規模ダム水路 ①土地改良法が適用される農業用
平成25年度
主任技術者選任
水路等に水力発電設備が設置され 検討・結
の柔軟な検討
る場合には、出力や最大流量にか 論・措置
かわらず、ダム水路主任技術者の
選任を不要とするべく検討し、結
論を得る。
②500kW未満の水力発電所について
は、大臣の許可を受けることによ
り、免状交付を受けていない者か
らダム水路主任技術者を選任でき
る。今後は、農業土木学の履修者
を含め、土木に関する一定の学科
を修めた者については許可を行う
よう検討し、結論を得る。
所管省庁
経済産業省
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1-2.電気事業法の規制の緩和 (県土連の技術力の活用)
○電気主任技術者の概要(現行の規定)と県土連の有資格者数
区 分
求められる資格等
県土連職員の
有資格者数
5,000kW以上
第2種電気主任技術者以上
8名
5,000~500kW
第3種電気主任技術者以上
43名
500~100kW
第1種電気工事士又は高校電気科卒以上
20名
100kW未満
第2種電気工事士又は高専・高校卒以上の
一般電気工学履修者以上
53名
※ただし、ダムなしかつ、20kW未満かつ、最大使用水量1m3/s未満
は選任不要
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1-2.電気事業法の規制の緩和 (県土連の技術力の活用)
要望事項
背景
1.-2) 県土連の技術力を活用
○ 県土連は、技術職員1人当たり2.5の資格を有して
して、小水力発電を推進する
おり、土地改良区等に対し、施設の点検、整備等に関
方策を検討すること。
する技術的支援を実施。
・県土連職員を主任技術者として
選任
・県土連による発電設備の保安
監督
○ 県土連が有する技術力を活用することにより、会員
である土地改良区が管理する農業用水路等を活用し
た小水力発電の促進が可能。
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1-2.電気事業法の規制の緩和 (県土連の技術力の活用)
現在の状況
○ 「規制改革実施計画」(平成25年6月14日閣議決定)に基づき、経済産業省電力安全課
長通知(平成25年6月24日付け25保電安第5号)が発出され、主任技術者の選任の運用に
ついて通知されたところ。
事項名
規制改革の内容
実施時期
小水力発電を運
都道府県土地改良事業団体連合会
平成25年度
営する組織が親
が「みなし設置者」となることにより、
早期措置
会社・子会社の
選任した主任技術者が近傍にある土
所管省庁
経済産業省
関係かの明確化 地改良区の水力発電所を兼任できる
ことを周知する。
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県土連の技術力の活用の例 (電気主任技術者の場合)
○ 「みなし設置者」、「兼任」の制度を活用することにより、複数の土地改良区が管理する小水力発電
施設の電気主任技術者として、県土連職員を選任することが可能。
○ 県土連が有する技術力を活用することにより、会員である土地改良区が管理する農業用水路等を
活用した小水力発電の促進が可能。
Ⅰ.みなし設置者について
1.みなし設置者とは
本来の発電施設設置者(土地改良区)から、電気設備に係る保安・監督の業務を受託する者(県土
連)は、設置者とみなして電気主任技術者の選任などを行うことができる。
2.みなし設置者(県土連)ができること
・県土連職員を電気主任技術者として選任
・保安規定の届出
など
Ⅱ.兼任制度について
1.複数施設の兼任
○ 第3種以上の電気主任技術者の資格を有している者は、最大5箇所まで兼任(当初選任された施
設を含め6箇所まで担当)することが可能。
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2.河川法の許可手続の簡素化、弾力化
○ 河川協議に時間・労力がかかる。
○ 農業用水は非かんがい期の取水量が少なく、年間を通じた発電の効率がよくない。
題
○ 慣行水利権の場合の具体的要件・手続きが不明確。
課
手続き簡素化の動き
○ 水利使用許可の処分権限の改正(H25.4.1施行)
一級河川の指定区間において、発電用の水利使用許可の処分権者が、国土交通大臣
から、最大出力1,000kW未満の場合は都道府県知事に変更等。
○ 従属発電に係る登録制度の導入(H25.6公布、公布後6ヶ月以内に施行)
従属発電の場合の水利使用許可手続きが、事前チェック中心の許可制度から、事後
チェック中心の登録制度に変更。
要望事項
2.-1) 従属発電に係る登録制
度について、簡素化、期間の
短縮が可能となる方向での制
現在の状況
○ 登録制度導入に係る河川法改正案が平成25年4月
に閣議決定・国会提出、同年6月公布。公布後6ヶ月以
内(年内)に施行。
度設計を早期に確定すること。
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2-1.河川法の許可手続の簡素化、弾力化 (非かんがい期における新規発電用水利権)
要望事項
2.-2) 水利権水量が少ない非
背景
○ 農業用水は夏期に比べて冬期の取水量が極めて少
かんがい期等の新規発電用
ないことから、小水力発電の効率性を考えた場合、冬
の水利権取得手続きの簡素
期の水利権取得が必要。
化を図ること。
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2-1.河川法の許可手続の簡素化、弾力化 (非かんがい期における新規発電用水利権)
現在の状況 (1/2)
○ 「規制改革実施計画」(平成25年6月14日閣議決定)において、非かんがい期の発電水
利権取得の簡素化について、平成25年度早期に検討・措置されることが決定。
事項名
規制改革の内容
実施時期
非かんがい期等 非かんがい期などに新たに発電目的
平成25年度
における発電水 のために取水する場合について
利権の取得の簡  地域の実情に応じて、生態系や景
素化について
観への影響調査を省略することが
できること
 地域の実情に応じて、取水施設等
の構造図等を省略することができ
ること
 地域の実情に応じて、河川管理者
が調査した河川流量や河川環境
のデータを活用できること
早期検討・結
論・措置
所管省庁
国土交通省
などの簡素化措置を講じる。
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2-1.河川法の許可手続の簡素化、弾力化 (非かんがい期における新規発電用水利権)
現在の状況 (2/2)
○ 前述の「規制改革実施計画」を受け、国土交通省は、水利権取得手続きの簡素化につ
いて以下の内容を、各地方整備局及び都道府県に周知(7月)。
事 項
一般的に求めら
れる内容
通知による簡略化の内容
取水地点
の河川流
量データ
・ 河川管理者等が有するデータの活用が可能
最近10ヶ年分の
・ データが無い場合、近傍流域の観測データからの流
実測資料が必要。
域比換算で算出可能
減水区間
での河川
維持流量
の設定
・ 既に維持流量が設定され、河川環境資料が存在す
減水区間における
る場合は、新たな調査は省略可能
河川環境を調査し、
・ 動植物に係る調査は、文献調査や聞き取り調査で
河川維持流量を
可能
設定する必要。
・ 河川管理者等が有するデータの活用が可能
河川管理
者による支
援
―
・ 地方整備局等に「小水力発電のプロジェクト形成支
援窓口」を設置、必要な河川流量や河川環境の調査
を積極的に実施し、発電事業者の求めに応じて積極
的に提供
26
2-2.河川法の許可手続の簡素化、弾力化 (慣行水利権における新規発電用水利権)
要望事項
背景
2.-3) 慣行水利権を維持したま
○ 手続きの明確化等により、慣行水利権下での農業
までの新規の発電水利権の
用水を活用した小水力発電の導入の促進が可能。
許可を得るための要件、手続
きの明確化・簡素化を図ること。
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2-2.河川法の許可手続の簡素化、弾力化 (慣行水利権における新規発電用水利権)
現在の状況
○ 「規制改革実施計画」(平成25年6月14日閣議決定)において、慣行水利権を利用した発
電の水利許可について、平成25年度中に検討・措置されることが決定。
事項名
規制改革の内容
実施時期
慣行水利権が設 ①慣行水利権を利用した従属発電を 平成25年度
定された水路に
法改正の登録制の対象とする場合 検討・結論、
設置する小水力
に、取水量調査の期間を短縮化す
結論を得次
発電の整理
ることや取水量調査の頻度などを少 第措置
なくするなど地域の実情に応じて必
要最小限の簡素なものとするよう農
林水産省と連携して整理し、周知徹
底する。
②慣行水利権の農業用水路を利用し
た新規の発電許可について、地域
の実情に応じて河川管理者が調査
した河川流量や河川環境のデータ
を活用できるなどの簡素化措置に
ついて農林水産省と連携して整理し、
周知徹底する。
所管省庁
国土交通省
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3.国の支援の充実 (平成26年度予算)
課
題
○ 土地改良区は農家の賦課金で運営。現下の農業情勢により運営は厳しい状況。
○ 施設の老朽化が進行しており、修繕費が増加。
○ 中山間部に小水力発電の適地が多いが、落ち葉対策、雪対策が必要であり、建設
費は割高。
要望事項
3. 小水力発電に関する調査・
設計・建設・各種法令に基づく
協議に対する国の支援の充
背景
○ 土地改良区の運営状況、維持管理費軽減の必要性
を踏まえると、小水力発電に関する調査・設計・建設
等の費用を自前で全て調達することは困難。
実を図ること。
○ 土地改良区等は、小水力発電の導入に必要な十分
土地改良区等に対する技術
力向上対策を充実すること。
な経験・知見を有していない。
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3.国の支援の充実 (平成26年度予算)
現在の状況
○ 農林水産省は、小水力発電等再生可能エネルギーの導入推進に向けて、平成26年度
予算を要求。
【主な内容】
1.小水力発電等発電の調査設計等への支援
小水力等発電施設の整備に係る適地選定、概略設計、各種法令に基づく協議等の取
組への支援を実施。
 平成26年度要求額 : 573百万円
 補助率 : 定額、1/2以内
 事業実施主体 : 地方公共団体、民間団体等
2.土地改良区等技術力向上支援 [新規]
小水力等発電施設の導入に係る土地改良区等の技術力向上のための研修会や専門
技術者派遣による現地指導等の取組への支援を実施。
 平成26年度要求額 : 200百万円
 補助率 : 定額
 事業実施主体 : 民間団体
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太陽光発電の活用
○ 水の落差がないため、小水力発電の導入は物理的に困難な地域が存在。特に、低平地
では、排水機場の運転に伴う電気代の支出が嵩み、負担軽減を図ることが必要。
○ このため、太陽光発電の活用も負担軽減に向けた有効な取り組みである。
【事例3】開水路上に太陽光発電を設置
あくたみおおぶね
かがみ
芥見大船太陽光発電所/各務用水土地改良区(岐阜県)
【発電所諸元】
最 大 出 力 : 49.75kW×3箇所
計149.25kW
施 設 延 長 : 240m
建
設
費 : 7,150万円
運 転 開 始 :平成25年4月
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○ 農業農村整備事業により設置された太陽光発電施設は、42地区。最大出力の合計は、
2.5千kW。
沖縄県 久原地区
(8kW)
沖縄県 宜野座地区
(30kW)
沖縄県 惣慶地区
(25kW)
沖縄県 稲嶺地区
(15kW)
沖縄県 城原地区
(40kW)
沖縄県 伊是名地区
(130kW)
北海道 士別地区
(20kW)
沖縄県 玉城第四地
区(58kW)
沖縄県 松田地区
(9kW)
鹿児島県 須原地区
(49kW)
新潟県 佐渡地区
(80kW)
沖縄県 玉城第五地
区(80kW)
沖縄県 山田地区
(29kW)
鹿児島県 池当地区
(104kW)
北海道 浜中地区
(86kW)
沖縄県 雄樋川地区
(40kW)
秋田県 東成瀬村地
区(9kW)
沖縄県 久米島地区
(30kW)
岩手県 西南地区
(30kW)
沖縄県 宮良・白保地区
(46kW)
福島県 会津かのう地区
(23kW)
沖縄県 宮良川地区
(150kW)
福島県 隈戸地区
(46kW)
沖縄県 石垣東部地区
(47kW)
福島県 原町区金沢地
区(504kW)
沖縄県 祖納地区
(20kW)
沖縄県 吉田地区
(6kW)
鹿児島県 喜界(二期)
地区(16kW)
群馬県 赤城西麓地
区(20kW)
沖縄県 西東地区
(6kW)
埼玉県 神流川沿岸地
区(92kW)
千葉県 松尾・蓮沼地区
(70kW)
鳥取県 北栄地区
(54kW)
山梨県 笛吹川地区
(155kW)
兵庫県 クリエイティブハイラ
ンド・北はりま地区(太陽光
40kW、風力発電40kW)
兵庫県 加古大池地
区(4kW)
熊本県 大浜地区
(38kW)
兵庫県 洲本地区
(18kW)
徳島県 神野地区
(7kW)
愛知県 田原市地区
(21kW)
奈良県 新町池地区
(1kW)
山梨県 永井原地区
(205kW)
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農業用水を活用した小水力発電の導入目標
現
状
○ 現在、全国の土地改良区が使用する電力量(15.8億kWh)のうち、小水力
発電により自ら生み出している電力量は、1割程度。
【経済産業省】
-電気事業法の規制緩和(土地改良区、県土連の技術力の活用)
動
き
【国土交通省】
-河川法の規制緩和(非かんがい期の水利権、慣行水利権における
登録制等)
【農林水産省】
-設計、建設、技術力向上に対する支援の充実
-土地改良長期計画における目標(約1,000地域で計画策定に着手
目
標
○ 土地改良区の使用電力量の概ね5割に相当する電力量を自ら生み出す
ことを目標として、小水力発電の取組を推進。
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水土里ネット関係者の技術と経験を
結集し、
「電気を使う者は自ら電気を作る」
を合言葉に、小水力発電に取り組み
ましょう。
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