給与上昇の歴史的“転換点”、人材関連株は“奔騰”

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2016/10/24
給与上昇の歴史的“転換点”、人材関連株は“奔騰”へ <株探トップ特集>
―記録的人手不足が生み出すもの、動き出した“働き方改革”―
株探ニュース
全般強気に傾き、日経平均 1 万 7000 円台固めの動きに移行している東
京市場だが、主力株の上値の重さが依然として意識されている。ここはテ
ーマ物色の波に乗り、全体相場を大きくアウトパフォームする銘柄を手に
したいというのが個人投資家共通の願いだろう。
そのなか、国策に乗る銘柄で株価大幅水準訂正の緒に就きながら、意外
に見落とされているのが人材サービス関連株であり、要注目場面といえる。
人材派遣や求人情報 などを手掛け、第 3 次安倍改造内閣が渾身の一撃で打
ち出した「一億総活躍社会」の国策テーマを背景に、好調なビジネス環境
を享受していくことになる。
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●求人倍率の高さは追い風の強さ
消費者のデフレマインドの再燃が多方面で指摘されているが、それをも
って景気が冷え込んでいるとは言い切れない。企業側にとってみれば人材
が欲しくて仕方がない状態が続いている。求職者 1 人に対してどのくらい
の求人があるのかを示した「有効求人倍率」は、今年に入ってこの記録的
な人手不足の状況を如実に映し出している。
来週 28 日に 9 月の有効求人倍率が発表される予定で、この数字が注目さ
れるところだが、その前に過去のデータを確認してみたい。まず、半年前
に遡って 3 月の有効求人倍率は 1.30 倍と約 24 年ぶりの高い水準となり話
題となった。バブルの余韻冷めやらぬ 1991 年の年末以来のことである。
しかし、それは物語の終わりではなく始まりだった。その後、さらに人
材需給はタイト化することになる。4 月の有効求人倍率は 1.34 倍とさらに
上昇、5 月は 1.36 倍、6 月は 1.37 倍とうなぎ上りで 24 年 10 ヵ月ぶりの
高水準、7 月と 8 月は 1.37 倍と横並びだったが高原状態が続いている。
この過程において訪日外国人観光客の急増が人手不足を加速させており、
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爆買い需要が剥落したとされる現状でも、モノ消費からコト消費への需要
シフトを背景として求人需要に陰りはみられない。一方、技術系人材も開
発技術者に対する需要がなお旺盛な状況だ。
●東京五輪開催の年に労働者 117 万人増
需要と供給のバランスから当然ながら賃金も上昇傾向にある。民間調査
によるとアルバイト・パートの 9 月の募集時平均時給が初めて 1000 円大
台を突破したことが伝わっており、これも人手不足の実態を浮き彫りにし
ている。10 月から最低賃金が引き上げられることで三大都市圏だけでなく、
地方の時給にも浮揚効果を与えたという面もあるが、高水準の需要が前提
として存在していることはいうまでもない。今後、書き入れ時となる年末
に向けて、さまざまな分野で人材ニーズが高まり、賃金の上昇傾向も一段
と強まりそうだ。また、この流れは、既に人材派遣サービスを手掛ける企
業と顧客企業の間で行われる派遣料金引き上げ交渉などにも波及している。
派遣社員の時給をはじめ待遇改善につながる環境整備も今後一段と進捗し
そうだ。
「一億総活躍社会」で柱となるのは“働き方改革”だ。高齢者や女性の活用
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などに重きが置かれており、株式市場でも折に触れてクローズアップされ
る。企業の側にとっても新たな働き手の確保は喫緊の課題であり、高齢者
や女性など人材の雇用範囲の広がりは人材サービス関連企業の収益機会へ
とつながっていく。
新アベノミクスが掲げる「一億総活躍社会」は、経済成長の隘路である
少子高齢化のデメリットを全員参加で食い止めるという国家百年の計であ
り、東京オリンピック開催年度の 2020 年度に 117 万人、さらにその 5 年
後には 204 万人の労働者数増加を見込んでいる。その国策を舞台として、
人材サービス関連企業は株式市場でも必然的にスポットライトを浴びるこ
とになりそうだ。
●マイナンバー特需のフルキャスト、PEO で飛躍のアウトソシング
業界の草分けであるパソナグループ <2168> は人材紹介業や福利厚生
代行業が好調、16 年 5 月期の 11%増益に続き、17 年 5 月期も 2 ケタ利益
成長を見込み、株価も 13 週移動平均線をサポートラインにジリ高歩調が続
きそうだ。
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軽作業向けのアルバイト紹介とそれに付随する給与計算などの代行サー
ビスを手掛けるフルキャストホールディングス <4848> も出来高流動性
に富み市場の注目度が高い。マイナンバー向け特需も収益に反映し、営業
利益は 15 年 12 月期の 4 割増益に続き 16 年 12 月期も 15%前後の増益が
有望視されている。
アウトソーシング <2427> は IT 業界や自動車業界などの工場製造ライ
ンへの人材派遣を主力に、技術系の外部委託需要も囲い込んでいる。製造
現場では派遣期間の長い契約を中心に受注を確保するほか、PEO(メーカ
ーの期間工を受け入れ派遣社員として派遣する方式)を通じ顧客企業との
関係を強化、16 年 12 月期は営業利益段階で 73%増益を計画、業績変化率
の大きさは目を見張る。株価は足もと調整色をみせているが、13 週移動平
均線との接触場面は拾い場となる可能性がある。
●鮮烈な上昇波形成のアルプス技研、テンプ、夢真にも注目
テクニカル的に陽線の連続で鮮烈な株価上昇トレンドを印象づけるのが
アルプス技研 <4641> だ。自動車向けや精密機器向け技術者派遣で高実
績を誇る。設計・開発分野や医療分野での需要取り込みに成功しており、
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16 年 12 月期は 8%程度の増益を確保する見通しで 3.3%前後の高い配当
利回りも魅力となる。
このメーカー向け技術者派遣ではテクノプロ・ホールディングス
<6028> やトラスト・テック <2154> 、UTグループ <2146> [JQ]
なども注目しておきたい。
業界大手のテンプホールディングス <2181> は存在感十分。企業の旺
盛な求人需要を背景に M&A による業容拡大効果が反映されている。時価
は 1800 円前後を上限とするボックス圏推移だが、早晩ここを上放れ、実
質上場来高値圏である 2000 円台を目指す展開が予想される。
建設現場の施工管理技術者派遣を手掛け大手ゼネコンを顧客とする夢真
ホールディングス <2362> [JQ]も成長期待が強い。首都圏再開発や東京
五輪関連のインフラ需要がビジネスチャンスとなっているほか、フィンテ
ック分野にも参入するなど多角的な経営に特徴がある。26 週移動平均線を
サポートラインとする下値切り上げ波動が続いている。
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●求人サイト運営企業にもチャンスが膨らむ
一方、労働需給のひっ迫は、企業と雇用者をネットで結ぶ良質な求人情
報を手掛ける企業にもフォローの風を与えている。特にスマートフォンの
普及加速に伴い、紙媒体よりもサイトを運営する企業の優位性が高まって
いる。その恩恵を大きく享受しているのがディップ <2379> やエンジャ
パン <4849> [JQ]である。
ディップは AKB グループなどを使った広告宣伝で認知度を高めたアルバ
イト募集サイト「バイトル」への広告出稿が好調、「はたらこねっと」な
ども引き続き高水準の求人需要を獲得している。17 年 2 月期営業利益は前
期比 23%増の 88 億円を見込んでいるが、保守的で市場ではさらなる上振
れ観測が根強い。
また、中途採用や新卒などの求人情報サイトを総合的に取り扱うエン・
ジャパンは主力の転職サイト「エン転職」や派遣会社向け求人サイト「エ
ン派遣」が好調に広告出稿需要を取り込んでいる。数年来、大幅増収増益
トレンドが続いており、17 年 3 月期営業利益は 11%増の 57 億円を見込む
が、やはり市場では大幅な増額修正の可能性が取りざたされている。
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