児童期青年期の友人関係研究の展望 - DSpace at Waseda University

早稲田大学大学院教育学研究科紀要 別冊 24 号―1 2016 年9月
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
25
児童期青年期の友人関係研究の展望
個人間要因,環境要因,集団的友人関係の視点から―
―
武 蔵 由 佳
【問題と目的】
ラスの友人であると回答しており(厚生労働
省,2009),また中学生の 89%が特定の友人グ
住田(1999)は,幼児期に所属する家族集団
ループに所属している(幸本,2009),中学 2
のメンバーは親や兄弟などの自分を受容してく
年生の女子の 93%が仲良しグループに所属し
れる身内であり,その中で各々の家族集団内で
ている(武内,1993)と指摘されている。さら
社会化された価値や思考・行動様式を身につけ
に,グループは同じクラス内で構成され(小学
るが,児童期に所属する仲間集団のメンバーは
生男子の 84.5%,女子の 87.9%,中学生男子の
常に受容してくれる身内とは異なる対等な他人
60.5%,女子の 66.1%),構成メンバーはいつ
であり,仲間集団内で求められる価値や思考・
も同じ(小学生男子の 56.4%,女子の 65.3%,
行動様式が家族集団内で求められるそれとは必
中学生男子の 61.5%,女子の 76.7%)(藤田・
ずしも一致しておらず,はじめて異なる価値や
伊藤・坂口,1996)とも指摘されている。つま
思考・行動を持つ他人と折り合っていく経験を
り,児童生徒は最低 1 年間を同じメンバーで過
することになる。これは他人との人間関係を取
ごす学級内で,親友のような親密な二者関係お
り結ぶ現実の社会生活の縮図に近づいてくるも
よび集団的な複数の友人と人間関係を結ぶ仲間
のとなり,個人は自己中心性を減少させ,互い
集団を形成すると考えられる。よって,学級と
に他人の存在を認め,他人の権利を認めること
いう公的集団内において仲間集団という私的集
が必要であることを学んでいくと指摘してい
団を形成しながら,個人の思考や態度,価値観
る。このように他者との関わりを経験し始め,
や規範を形成するのである。
かつ仲間集団を形成する体験を積み重ねる小学
学級という公的集団内における社会化につい
校および中学校の時期に,まずは様々な他者と
ては河村(2010)が,児童生徒にとっての社会
関わる体験を持てることが重要になり,その中
ともいえる学級や学校の集団に,継続的に参加
では各々が持つ異なる家庭集団の価値や思考・
させ,集団のルールに準じて行動する,互いの
行動様式をより仲間集団や学校集団に受入れら
人権を尊重しあいながら他者と関わる,共同活
れる価値や思考・行動様式に変化させるような
動の中で役割を遂行し責任を果たす,などの体
経験が必要となると考えられる。
験学習が必要であることを提起している。ま
仲間集団については,小学生の 84.5%,中学
生の 70.7%が普段よく一緒に遊ぶ友達は同じク
た Ladd(2005)によると,①仲間関係は子ど
もの社会的能力の発達と社会化の手段である,
26
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
②仲間集団の相互作用により,向社会的行動
こと,③一般の児童生徒学生を対象としている
や,仲間入りの戦略,指導性発揮の試み,性役
研究であること,④展望論文でないこと,とい
割など,多様な社会的行動を経験する,③仲間
う 4 つの基準を用いてその後の分析の対象とす
関係が乏しいと不適応行動を起こすリスクが高
る研究を選択した。この基準にて各研究を検討
い,などと指摘されている(田丸,2009)。よっ
した結果,幼児や高齢者の友人関係に関する研
て,児童生徒が思考や態度,価値観や規範を形
究,親子関係や恋愛関係に関する研究,非行少
成し,社会化していく際には,個人が所属する
年の友人関係に関する研究,展望論文など合
学級集団とその学級内の友人や仲間関係との関
計 124 本が対象外となった。このような過程を
わりの質が大きな影響を及ぼすものとなると考
踏み,最終的に 101 本の論文を対象に文献研究
えられる。
を実施した。分析の結果,友人関係の研究の枠
このような点を踏まえ,本研究では本邦の児
組みとして,1.友人関係の構造に関する研究,
童期青年期の友人関係の特徴について他者との
2.友人関係の構造と様々な要因との関連研究,
関係性や集団との関係性の観点から整理し,そ
3.友人関係の発達的変化に関する研究の大き
の上で,友人関係研究における課題を抽出する
く 3 つの視点がある(落合・竹中,2004)こと
ことを目的とする。
が明らかになった。近年では,友人関係の構造
【方法】
と様々な要因との関連に関する研究に関する応
用研究が発展している傾向がある。そこで本研
児童期・青年期の学級集団内で展開される友
究では落合・竹中(2004)の枠組みに則しなが
人関係を概観し,動向と課題を明らかにする。
らも,それらをさらに細分化させて,1.友人
その際には,わが国の友人関係の動向をまず概
関係の発達的変化,2.友人関係の構造,3.友
観する。文献検索は友人,友達,仲間をキー
人関係の男女差,4.個人内要因,5.個人間要
ワードに 1970 年から 2015 年までの学会論文を
因,6.電子媒体要因,7.仲間・グループ要因,
検索した。研究雑誌は,心理学研究,教育心理
8.学校場面,としてまとめた。上記 1 ~ 4 ま
学研究,発達心理学研究,カウンセリング研
では武蔵(2016)で報告しているため,本稿で
究,青年心理学研究,パーソナリティ研究,性
は,5.個人間要因から 8.学校場面までを記述
格心理学研究,社会心理学研究,対人社会心理
しまとめることとした。なお,1 本の論文中で
学研究,実験社会心理学研究をあたった。ま
複数の領域を検討しているものは,それぞれの
た,これらの研究雑誌に掲載されていた論文中
項目に分割して記載するかあるいは主となる知
で頻繁に引用されている論文は,大学紀要等で
見の比重が高い項目に分類することとした。
も抽出した。1970 年~ 2015 年までに国内の研
究 225 件を抽出し,これらの論文を対象に文献
【結果】
研究を行った。この 225 件の中から,①児童期
5.個人間要因
から青年期までの友人関係を対象としているこ
1)親密化
と,②児童期青年期の友人関係に関連している
友人関係の親密化に関連する研究を示す。
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
27
渡辺・今川(2011)は,大学入学 3 ヶ月の間
ていくこと,親密度の違いにかかわらず,かけ
の最も親しい友人について調査したところ,
がえない友達であるという関係の共有が友達と
1 ~ 2 回目で同一の友人を選択した者は全体の
の関係満足度を高め,友達との深いつきあいを
57.2%,2 ~ 3 回目で同一の友人を選択した者
促すこと,悩みや否定的な感情,物品を共有す
は全体の 67.1%であり,一度も変更しなかった
ることは関係満足度を低めてしまうが,悩みや
ものは 44.4%であったことを明らかにした。山
否定的な感情を共有することは友達との深い付
中(1998)は,友人関係の親密化に関する時系
き合い方にもつながっていることを明らかにし
列的変化を追跡し,大学入学時点の友人に対す
た。このように友人関係の親密化過程に関する
る好意度はその後持続しないが,共に行動す
研究は,主に社会心理学の研究が多く,行動の
る行動頻度は持続することを示している。和
頻度や友人選択の割合等に関する検討が行われ
田(2001)は,新友人よりも旧友人で関係満足
ていた。
感および心的疲労感が高く,考え方への影響が
大きいこと,新旧友人の相違が友人関係期待に
おける協力,情報,自己向上,共行動,真正
さ,自己開示で見いだされ,新友人よりも旧友
2)心理的距離・類似性,共有,魅力,同調・
悩み,相談
他者との関係性に関連する研究を示す。藤井
人に対し,自己向上,真正さ,自己開示を重視
(2001)は,「ヤマアラシ・ジレンマ」として,
していたこと,情報,協力,共行動は,旧友人
自分が傷つくなどの対自的要因によるジレンマ
よりも新友人に求めていることが明らかにされ
と相手を傷つけるなどの対他的要因によるジレ
た。下斗米(2000)は,同性友人関係の親密化
ンマを抽出し,対自的要因ほど「萎縮」「しが
過程の段階によって期待される役割行動の様相
みつき」
「見切り」などの心理的対処反応に結
が異なり,これに応じて葛藤原因として顕在化
びつきやすく,それは相手との心理的距離を遠
し易い,あるいは顕在化し難い役割行動も異な
く認知しているほど強まることを明らかにして
ることを明らかにした。中村(1990)は社会的
いる。坂本・髙橋(2009)は,現実の友人との
交換モデルを,投入や成果などに着目して比較
心理的距離と理想の友人との心理的距離が一致
検討をし,出会いから時間が経過して投入の蓄
している群の疎外感が低いことを報告してい
積に関する情報が豊富になるにつれ,コミット
る。藤原(1976)は,仲間集団への同調と年齢
メントを決めるのに重要な役割を果たすように
との関係は,小 4 から小 6(9–12 歳)を頂点と
なることが示された。相澤(2003)は,同性友
する 2 次曲線的な関係にあったことを指摘して
人関係について,衡平理論の概念である怒りや
いる。谷口・大坊(2002)は,同性友人関係の
罪悪感という感情も含めてコミットメントへの
社会的望ましさ要因は友人に対する魅力判断に
影響を調べた結果,コミットメントへはその関
おいて類似性認知よりも効果が大きいが,パー
係への満足が大きな影響を与えていた。池田・
ソナリティ特性次元および対人魅力次元の組み
葉山・高坂・佐藤(2013)は,友人関係が親密
合わせによっては類似性認知の効果が大きい場
になることに伴い現れる共有様式は多様になっ
合も示された。石田(2006)は,自己と友人は
28
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
自己の諸側面の重要度(関与度)という自己定
動は促進される,一方で「自助努力」のよう
義において類似していること,関与度の類似性
に,自分で何とかしたいという思いがある場
が高いほど親密性は高いことを示した。高坂・
合,相談行動は減じることを明らかにした。小
池田・葉山・佐藤(2010)は,中学生の同性友
川(2014)は,中高大学生を対象に,慰め方(励
人関係における共有の心理的機能には「動機づ
まし,共感,何もせずそっと離れる)による感
け」「楽しさの増大」「周囲からの親和的評価
情生起について検討し,励ましや共感は何もせ
の獲得」
「周囲からの達成的評価の獲得」など
ずそっと離れるよりも,受けての感謝の感情が
のポジティブな機能と「負担感の増加」「周囲
高く,反発の感情が低かったことを指摘してい
からの否定的評価の増大」などのネガティブな
る。以上,他者との関係性については心理的距
機能の両面があることを明らかにした。西浦・
離・類似性,共有,魅力,同調・悩み,相談な
大坊(2010)は,同性友人に感じる魅力(安心
ど様々な視点から検討されていた。
感,よい刺激,誠実さ,自立性)から,対象者
を安心感重視群,刺激重視群,自立性重視群,
6.電子媒体
非重視群の 4 群に分類し,自立性重視群ではよ
電子媒体を使用した際の他者との関係性に関
い刺激が最も関係継続動機に影響を与え,他の
する検討がある。赤坂・高木(2005)は,メー
3 群では,安心感が最も影響を与えていた。丹
ル使用と友人関係の希薄化との関連を検討し,
野(2007)は,多くの相互作用のある友人関係
メール使用がさかんなほど,友人関係が密な
とあまり相互作用がない友人関係とを比較する
ものであることを示した。古谷・坂田・高口
と,友人関係機能尺度の得点から,相互作用の
(2005)は,友人との親密度が高くなると,対
多い友人関係では,日常で得られる相手からの
面では将来の目標や悩み事に関する自己開示が
支援が多く,一緒に何らかの活動をする頻度が
増加し,携帯メールではうわさ話の開示が増加
高いことが明らかとなった。西田(2000)は,
した。一方,親密度が変化しなかったり下がっ
友人の悩みの相談に対してどのような応答をす
ても,携帯メールの開示量は変化しなかった。
るのかについて検討した。小学生全体では「意
対面での開示が行われることが前提となって,
見」が最も多く,「反映」と「質問」は出現し
携帯メールの開示が親密度に影響していた。古
なかった。小学生男子は「指示」が多く,小学
谷・坂田(2006)は,距離の異なる同性の友人
生女子と短大生は「支持」が多く出現した。人
関係におけるコミュニケーションの形態と関係
間関係能力の高い児童が 3 つの観点(尊重性,
満足度との関連を検討した。あらゆるメディア
共感性,具体性)にすぐれた応答をすることが
を使用可能な近距離友人関係や,関係期間の短
示された。永井・新井(2007)は,利益・コス
い友人関係については,対面でのコミュニケー
トと相談行動の関係を検討した結果,悩みを抱
ションの重要性が認められた。また,近距離友
え,相談実行の結果「ポジティブな効果」が予
人関係および関係期間の長い遠距離友人関係で
期された場合や,悩みを相談しないことによ
は,携帯メールでのコミュニケーションを行う
る「問題の維持」が予期された場合に,相談行
ことで,関係を維持できる可能性があることが
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
29
示された。松尾・大西・安藤・坂元(2006)は,
青年期前期・中期の仲間関係とは区別されてい
携帯メールの使用や趣味・関心を目的とする携
たことを明らかにした。また,親密さと,目
帯電話通話が友人数を増やすが,友人数の増加
的・行動の共有という 2 軸によって,仲間,友
が選択的友人関係志向を高めるというよりは,
だち,親友を布置したところ,仲間を他の関係
「趣味・関心」や「家族のこと」を目的とする
から分離する指標として目的・行動の共有が有
携帯電話通話が選択的友人関係志向を高めるこ
効であることを指摘した。三好(2002)は,女
とが示された。赤坂・坂元(2008)は,携帯電
子短大生に自分とグループの関係をイメージし
話の使用が友人関係の深さに及ぼす影響は,小
て絵に描いてもらい,「自分」「私」などの自己
中高ともに全般的に弱いこと,中学生ではイン
同定のあり方や個別性の観点から自己や他者を
ターネット量,真実の心理的一体感,情報伝達,
どう捉えているかについて考察した。大嶽・多
情緒的依存が高いほど,友人関係の密着性が低
川・吉田(2010)は,「ひとりぼっち回避行動」
下し,高校生では,虚構の心理的一体感,情緒
の捉え方の変化を検討したところ,青年期前期
的依存が高いほど,密着性が増加したことを指
にはグループ成員が互いに束縛し合う傾向をも
摘している。黒川・吉武・中山・三島・大西・
ち,一緒にいることで得られる安心感と,形と
吉田(2015)は,SNS の普及により,大学生
して群れている状態への漠然とした不安感とが
のコミュニケーション形態は変化しつつも,
共存していることがわかった。青年期後期にな
FTF(Face to Face)によるコミュニケーショ
ると,ほどよいゆるやかな友人関係を習得し,
ンを行う機会をもっている場合における SNS
情緒的にも道具的にも満たされた主観的な満足
コミュニケーションは,FTF コミュニケーショ
感を獲得することが示唆された。吉原・藤生
ンの物理的・時間的制約に対する補完的な役割
(2005)は,高校生の友人グループ内の「関係
を果たすにとどまり,いつの時期においても友
拒否性」「親密性」「依存性」「無関心性」が学
人関係には対面での相互作用が重要であること
校ストレッサーとストレス反応に影響を与える
を示した。以上より,電子コミュニケーション
ことを示した。吉原・藤生(2012)は,高校生
ツールを媒介として友人関係の親密度に差異が
男子では友人グループの状態が直接ストレス反
あることが示された。
応に,女子では友人グループの状態から主観的
学校ストレッサーを経由してストレス反応に影
7.仲間集団・グループ要因
三島(2008a)は児童の仲間集団指向性は「独
響を与えることを明らかにしている。以上,グ
ループに関する研究では肯定的な側面のみでな
占的な親密関係指向」「固定的な集団指向」の
く,固定的集団指向,ひとりぼっち回避行動,
2 因子にわかれることを指摘した。難波(2005)
反社会的傾向,ストレスなどの否定的な側面も
は,青年期後期の仲間概念を面接を通して探索
扱われていることが明らかになった。
的に検討し,仲間は親友に次ぐ親しさであるこ
と,互いを認識できる複数の規模での関係であ
ることを,青年期後期の仲間関係は,児童期や
30
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
8.学校場面
1)学習・学業との関連
(2006)は,仲間集団以外成員とのかかわりが
学級の級友適応に及ぼす影響について検討し,
磯崎・高橋(1988,1993)は,成績の認知と
集団外成員受容が高いほど,級友適応が高いこ
実際の学業成績において,自己と心理的に近い
と,仲間集団内地位(中心性)が低いほど集団
他者については,自己評価を維持できるような
外成員との積極的な関わりは低く,仲間集団の
形で友人選択がなされていることが示された。
周辺児ほど仲間集団以外の成員とかかわってい
岡田(2008)は,学習の援助要請は友人関係に
くことにより排斥される危険がある。さらに他
対する自律的な動機づけおよび充実感と関連
者の立場になって考えられることが仲間集団境
し,援助提供は学習に対する自律的な動機づけ
界問題の改善に有効であることを示唆してい
および充実感と関連していた。さらに相互学習
る。黒川・吉田(2006)は,学級内の仲間集団
は友人に対する自律的な動機づけと関連し,学
内における個人と集団の他成員との双方向によ
習と友人関係の両方に対する充実感と関連して
る役割期待遂行度が,関係満足度に与える影響
いたことを指摘している。外山(2004)は,仲
を検討した。結果,男子および小集団では,個
のよい友人の学業成績が低いときには,自分自
人と集団の他成員が一致して重要と捉える役割
身の学業成績の高さと学業コンピテンスを対応
期待領域が多くなり,女子および大集団では重
させることができるが,仲のよい友人の学業成
要性の一致した役割期待項目において,個人が
績が高いときには,自分自身の学業成績の高さ
他の集団成員の期待に応えることで,高い関係
と学業コンピテンスを対応させることができな
満足度を得ていることが示された。黒川・吉田
くなると指摘している。外山(2006)は,中学
(2009)は,小学校 5・6 年生を対象に,授業の
1 年生において日頃学業成績が高い友人と比較
班活動における仲間の効果と個人の集団透過性
をしている生徒の中で,学業コンピテンスが高
の効果を明らかにした。仲間が同じ班にいる場
い生徒は学業成績が向上したが,学業コンピテ
合はいない場合よりも,また個人の集団透過性
ンスが低い生徒は学業成績が向上しなかった。
が高い児童の方が低い児童よりも,学習活動は
一方,学業成績が低い友人と比較をする生徒
明るく,優しい雰囲気のもとで行われ,さらに
は,学業コンピテンスの高低にかかわらず,学
班成員から受けるサポートは多いことが示され
業成績が低下したことを指摘している。以上よ
た。よって,学級集団内の友人関係の様相が明
り,友人関係が個人の学業成績にも影響してい
らかにされている。
ることが示された。
3)適応
2)学級集団
楠見(1988)は,学級集団の構造を 4 パター
上野・上瀬・松井・福富(1994)は,友人と
の関係において内面的な心理的距離が大きく,
ンに分類し,児童の友人関係特性として,欲求
外面的な同調性が高い“表面群”は対人的な不
と現実の友人の一致度および両次元の友人選
適応を示すことを指摘している。石本・久川・
択の安定性との関連について検討した。黒川
齊藤・上長・則定・日潟・森口(2009)は,中
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
31
学生女子の友人関係では,心理的距離が近く同
子どもと比べると,適応の困難さを裏付ける特
調性の高い密着した関係をとる者は適応的であ
徴が明らかとなったことを示している。勝間・
るが,高校生女子は,心理的距離は近くとも同
山崎(2008)は,小学校 4 年生の男子のみ,関
調的ではない友人関係を持つことが適応的であ
係性攻撃に対する自己評定と仲間評定に有意な
ることを示している。楠見(1986)は,欲求お
正の相関が見られたことを示している。濱口・
よび現実次元で安定した友人関係をもつ児童
江口(2009)は,児童の主張行動は仲間関係の
は,学級内で自分の希望に沿う友人を獲得して
適応諸指標に有意な寄与を示し,中でも特に肯
いるため満足感が高く,現実の相互作用を伴っ
定的主張と権利防衛の重要性が示された。穏健
た親密な友人関係をもつ児童は,お互いの行動
群,低主張群,高攻撃群,平均群の 4 群のうち,
様式や意見を比較することによって自分たちの
主張行動と向社会的行動が多く攻撃行動が少な
社会的現実を吟味する機会に恵まれ,かつ相互
い穏健群が最も適応的で,すべての主張行動と
の理解の深まりから相互選択関係の成立が促進
向社会的行動がともに少ない低主張群と攻撃行
されることを示している。山本・沖田・小林
動の顕著さを示す高攻撃群が最も不適応である
(2000)は小・中学生の友人関係認知と教師関
ことが明らかになった。吉澤・吉田(2010)は,
係認知は,学校享受感に対して直接に,また各
単一の親友や仲間集団の反社会的傾向が個人の
種ストレス反応を経由して間接に影響を及ぼし
同傾向に与える影響を,相互影響モデルに基づ
ていたことを指摘している。また,小学生では
いて検討した。高校生を対象とした研究におい
無気力,中学生では不機嫌・怒りのストレス反
て,仲間集団からの影響が単一の親友からの影
応が学校享受感にネガティブな影響を及ぼして
響よりも強いことが示された。中学生を対象と
いた。小学生で友人関係認知の能動的側面や教
した研究において,親友や仲間集団との反社会
師関係認知の受動的側面をネガティブに認知し
的傾向は,行動傾向のレベルではなく主に認知
ている子どもは,不機嫌・怒りや無気力といっ
レベルにおいて相互に影響していることが示さ
たストレス反応を表出する。中学生で友人関係
れた。親友と仲間集団とで影響の方向が異なる
認知の受動的側面をネガティブに認知している
ことから,単一の親友との相互影響は,個人が
子どもは学校享受感が低く,また抑うつ・不安
逸脱的な他者を親友として意図的に選択するこ
や無気力といったストレス反応を表出する。中
とを意味し,仲間集団との相互影響は,個人が
谷(2002)は,社会的責任目標は社会的責任行
仲間集団から逸脱性のトレーニングを受けてい
動について検討し,児童の教室における規範や
ることを意味する可能性が示唆された。渡部・
ルールを守る行動や,友人に対する思いやりの
松井(2011)は,高校生時には主張性における
ある行動は,クラスメイトにとって対人関係を
「情動制御」や「主体性」が,大学生時には「情
築く上で好意的に認知されるものであり,その
動制御」や「素直な表現」が友人関係満足感を
ため友人から受け入れを促進していると指摘し
高めていた。同様に渡部(2010)も主張性と友
ている。井上(2002)は,“ひとりでいい(Lw
人関係における適応との関連を指摘している。
型)”と言う子どもは,
“友人を多く持つ(F 型)”
高坂(2010)は,異質拒否傾向および被異質視
32
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
不安が友人関係満足度を低めることを明らかに
め」を体験をした生徒は,体験しなかった生徒
している。したがって,適応と関連しているの
に比べ,高校生になってからも学校不適応感を
は,心理的距離の近さ,同調性の高さ,親密性
より強く持ち,友人に対しても不安・懸念が強
の希求,主張性,異質視不安などであることが
いことが示唆された。長谷川(2014)は,「仲
示された。これらのことから,学校内の友人関
間はずれ」とよばれる,異質な他者を集団から
係が児童生徒の主張性や悩みに対する応答,ス
排除することについての判断の発達を検討し
トレスや反社会的行動などと関連していること
た。小中学生では,閉鎖的,固定的な集団への
が示された。
志向性および友人への同調欲求が高いと,集団
排除を認めることが示された。これらのことか
4)いじめ
三島(2003)は,親しい友人からいじめられ
た経験は男子に比べて女子に多く,親しくない
友人からいじめられた経験に性差はなかったこ
ら友人関係の負の側面である「いじめ」に関す
る様相が明らかになった。
【考察】
と,親しい友人からいじめられた経験が友人に
以上,友人関係は個人内要因のみならず,他
対する満足感に与える負の影響は女子の方が
者との関係性や集団への適応などと関連してい
大きかったことを指摘している。黒川(2010)
ることが明らかになった。ただし,研究を概観
は,伝統的いじめ被害経験と電子いじめ被害経
すると次のような課題も抽出される。
験をもとにいじめ被害群を 7 つに類型化した。
1 点目は,集団的な友人関係に関する検討の
伝統的間接いじめ被害優位群は,いじめ被害低
必要性である。児童生徒は親友のような最も親
群よりも学校適応感が低く,不機嫌・怒り感
密な二者関係を形成する他に,集団的な友人関
情,抑うつ・不安感情,身体的反応といったス
係であるグループを形成する。その背景には
トレス反応が高いことが示された。電子的間接
「ひとりぼっち回避行動(大嶽・多川・吉田,
いじめ被害優位群は,いじめ被害低群よりも,
2010)」や「固定的な集団指向(三島,2008a)」
抑うつ・不安感情が高いことが示された。伝統
という従来の友人関係研究では指摘されてこな
的直接いじめ被害優位群は,いじめ被害低群よ
かった心性があると考えられる。また近年では
りも,抑うつ・不安感情や無気力的認知,思考
このようなグループの具体的な様相として,①
が高いことが示された。全般的いじめ被害群
学校を基盤として形成され,②メンバーの流動
は,いじめ被害低群よりも,不機嫌・怒りの感
性が少なく,③小規模化しており,④グループ
情,抑うつ・不安感情,無気力的認知・思考が
の境界が明瞭かつ固定的になってきている(藤
高いことが示された。不特定他者を含めた電子
田・伊藤・坂口,1996)と指摘されている。こ
いじめ被害優位群は,いじめ被害低群よりも抑
のようなグループの様相が児童生徒にどのよう
うつ・不安感情が高く,また学級内の仲間の人
な影響を及ぼすのか,について検討が必要であ
数が少ないことが示された。三島(2008b)は,
ると考えられる。さらに,日本においては,ス
小学校高学年の頃に親しい友人からの「いじ
クールカースト,つまり学級集団内の生徒の相
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
33
対的な地位が同性や異性からの人気やコミュニ
赤坂瑠以・坂元章 2008 携帯電話の使用が友人関
ケーション能力の高さで表される階層関係(森
係に及ぼす影響:パネル調査による因果関係の
口,2007;鈴木,2012)があることが指摘され,
推定 パーソナリティ研究,16,363–377.
赤坂瑠以・高木秀明 2005 携帯電話のメールによ
スクールカーストの低いグループ内にいじめが
るコミュニケーションと高校生の友人関係にお
発生しやすい(森口,2007)などと指摘される。
ける発達の特徴との関連 パーソナリティ研究,
しかし,研究論文としてまとめられているもの
はまだない。したがって,どのようなグループ
が児童生徒個々人の発達を促進したり,退行さ
せたりするのかについて検討する必要があると
考えられる。
2 点目として,児童生徒の友人関係のほとん
どは学校を通じて形成されるため,学校場面と
の関連で友人関係を検討する必要があると考え
られる。子どもたちが一日の大半を過ごす学級
集団は,最低一年間メンバーが固定され,一日
の大半を過ごし,学習や生活をともにする集団
13,269–271.
藤井恭子 2001 青年期の友人関係における山ア
ラシ・ジレンマの分析 教育心理学研究,49,
146–155.
藤田英典・伊藤茂樹・坂口里佳 1996 小・中学校
の友人関係とアイデンティティに関する研究―
全国 9 都県での質問紙調査の結果より― 東京
大学大学院教育学研究科紀要,36,105–127.
藤原正光 1976 同調性の発達的変化に関する実験
的 研 究 ― 同 調 性 に お よ ぼ す 仲 間・ 教 師・ 母
親からの集団圧力の効果― 心理学研究,47,
193–201.
古谷嘉一郎・坂田桐子 2006 対面,携帯電話,携
帯メールでのコミュニケーションが友人との関
係維持に及ぼす効果:コミュニケーションのメ
である。学級集団のメンバー内に友人がいて良
ディアと内容の適合性に注目して 社会心理学
好な人間関係があれば,相互に愛他性や受容性
研究,22,72–84.
が高まり,個人の発達にもプラスの影響を与え
ると考えられる。反対に学級集団のメンバー間
に攻撃的な言動,喧嘩や対立,防衛的な関係が
ある場合は相互に傷つけ合うため,個人の発達
にマイナスの影響をもたらすと考えられる。こ
の点についてはまだ詳細に検討されていない。
したがって,学級集団の状態と児童生徒個々人
の友人関係との関連を検討する必要があると考
える。
これらのことから,仲間集団の具体的な特徴
について明らかにするような研究が求められる
だろう。
古谷嘉一郎・坂田桐子・高口央 2005 友人関係に
おける親密度と対面・携帯メールの自己開示と
の関連 対人社会心理学研究,5,21–29.
濱口佳和・江口めぐみ 2009 児童の主張行動と仲
間関係の適応との関連―アサーションは本当に
児童の仲間関係の適応に役立つのか ? カウンセ
リング研究,42,60–70.
長谷川真里 2014 他者の多様性への寛容:—児童
と青年における集団からの排除についての判
断— 教育心理学研究,62,13–23.
池 田 幸 恭・ 葉 山 大 地・ 高 坂 康 雅・ 佐 藤 有 耕 2013 大学内の友人関係における親密さと共有様式と
の関係 青年心理学研究,24,111–124.
井上まり子 2002 “ひとりでいい”と答える小学生
の人間関係―友だちの多い子どもとの比較によ
る検討― 性格心理学研究,11,58–60.
石田靖彦 2006 自己定義の類似性と自他の相対的
引用文献
相澤寛史 2003 同性友人関係における投資モデル
の精緻化 実験社会心理学研究,42,131–145.
遂行度が友人選択と親密性に及ぼす影響 対人
社会心理学研究,6,65–70.
石本雄真・久川真帆・齊藤誠一・上長然・則定・日
潟・森口 2009 青年期女子の友人関係スタイ
34
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
ルと心理的適応および学校適応との関連 発達
心理学研究,20,125–133.
磯 崎 三 喜 年・ 高 橋 超 1988 友 人 選 択 と 学 業 成 績
における自己評価維持機制 心理学研究,59,
113–119.
磯崎三喜年・高橋超 1993 友人選択と学業成績の
関連の時系列的変化にみられる自己評価維持機
制 心理学研究,6,371–378.
勝間理沙・山崎勝之 2008 児童の関係性攻撃にお
黒川雅幸・吉武久美・中山真・三島浩路・大西彩
子・ 吉 田 俊 和 2015 大 学 新 入 生 の 友 人 関 係
における FTF および SNS コミュニケーション 対人社会心理学研究,15,55–62.
Ladd 2005 Children’s Peer Relations and Social
Competence: A century of progress. 子どもの仲
間 関 係 と 社 会 的 コ ン ピ テ ン ス: 前 進 の 100 年 New haven and London :Yale University Press.
松尾由美・大西麻衣・安藤玲子・坂元 章 2006 携
ける自己評定と仲間評定の比較 心理学研究,
帯電話使用が友人数と選択的友人関係志向に
79,263–268.
及ぼす効果の検討 パーソナリティ研究,14,
河村茂雄 2010 日本の学級集団と学級経営 図書
文化社
幸本香奈 2009 中学生のグループ関係 生涯発達
心理学研究,1,84–93.
高坂康雅 2010 青年期の友人関係における被異質
視不安と異質拒否傾向:青年期における変化と
友人関係満足度との関連 教育心理学研究,58,
338–347.
高 坂 康 雅・ 池 田 幸 恭・ 葉 山 大 地・ 佐 藤 有 耕 2010 中学生の友人関係における共有している対象
と心理的機能との関連 青年心理学研究,22,
1–16.
厚生労働省 2009 平成 21 年度 全国家庭児童調査
結果の概要
楠見幸子 1986 学級集団の大局的構造の変動と教
師の指導行動,学級雰囲気,学校モラールに関
する研究 教育心理学研究,34,104–110.
楠見幸子 1988 学級集団のサブグループ・タイプ
と児童の友人関係特性に関する研究 実験社会
心理学研究,27,157–162.
黒川雅幸 2006 仲間集団外成員とのかかわりが級
友適応へ及ぼす影響 カウンセリング研究,39,
192–201.
黒 川 雅 幸 2010 い じ め 被 害 と ス ト レ ス 反 応, 仲
間関係,学校適応感との関連―電子いじめ被
害も含めた検討― カウンセリング研究,43,
171–181.
黒川雅幸・吉田俊和 2006 個人―集団間の役割期
待遂行度が仲間集団関係満足度に及ぼす影響 実験社会心理学研究,45,111–121.
黒川雅幸・吉田俊和 2009 仲間の存在と個人の集
団透過性が学習班活動に及ぼす効果 実験社会
心理学研究,49,45–57.
227–229.
三島浩路 2003 親しい友人間にみられる小学生の
「いじめ」に関する研究 社会心理学研究,19,
41–50.
三島浩路 2008a 仲間集団指向性尺度の作成―小学
校高学年用 カウンセリング研究,41,129–135.
三島浩路 2008b 小学校高学年で親しい友人から
受けた「いじめ」の長期的な影響―高校生を対
象にした調査結果から― 実験社会心理学研究,
47,91–104.
三好智子 2002 女子短大生の同性友人グループと
の関わりにおける自己の個別性のあり方―イ
メージ画を用いた検討― 青年心理学研究,14,
1–19.
森口朗 2007 いじめの構造 新潮社
武蔵由佳 2016 児童期青年期の友人関係研究の展
望―友人関係の構造,発達的変化,個人内要因
の視点から― 早稲田大学大学院教育学研究科
紀要別冊,23,13–23.
永井智・新井邦二郎 2007 利益とコストの予期が
中学生における友人への相談行動に与える影響
の検討 教育心理学研究,55,197–207.
中村雅彦 1990 大学生の友人関係の発展過程に関
する研究― 関係関与性を予測する社会的交換モ
デルの比較検討― 社会心理学研究,5,29–41.
中谷素之 2002 児童の社会的責任目標と友人関
係,学業達成の関連―友人関係を媒介とした動
機づけプロセスの検討― 性格心理学研究,10,
110–111,
難波久美子 2005 青年にとって仲間とは何か―対
人関係における位置づけと友だち・親友との比
較から― 発達心理学研究,16,276–285.
西田貢 2000 友人の悩みの相談に対する児童の応
児童期青年期の友人関係研究の展望(武蔵)
答の分析 カウンセリング研究,33,18–29.
西浦真喜子・大坊郁夫 2010 同性友人に感じる魅
力が関係継続動機に及ぼす影響―個人にとって
の重要性の観点から― 対人社会心理学研究,
10,115–123.
大嶽さと子・多川則子・吉田俊和 2010 青年期女
35
丹野宏昭 2007 友人との接触頻度別にみた大学
生の友人関係機能 パーソナリティ研究,16,
110–113.
外山美樹 2004 中学生の学業成績と学業コンピテ
ンスの関係に及ぼす友人の影響 心理学研究,
75,246–253.
子における「ひとりぼっち回避行動」に対する
外山美樹 2006 中学生の学業成績の向上に関する
捉え方の発達的変化―面接調査に基づく探索的
研究:比較他者の遂行と学業コンピテンスの影
なモデル作成の試み― 対人社会心理学研究,
10,179–185.
落合良行・竹中一平 2004 青年期の友人関係研究
の展望― 1985 年以降の研究を対象として― 筑
波大学心理学研究,28,55–67.
響 教育心理学研究,54,5562.
上野行良・上瀬由美子・松井豊・福富護 1994 青
年期の交友関係における同調と心理的距離 教
育心理学研究,42,21–28.
山本淳子・仲田洋子・小林正幸 2000 子どもの友
小川翔大 2014 青年期における友人の慰め方が受
人関係認知および教師関係認知とストレス反応
け手の感情に与える影響:励ましや共感の言葉
との関連―学校不適応予防の視点から― カウ
かけと何もせずそっと離れる行動の比較 発達
心理学研究,25,279–290.
岡田涼 2008 友人との学習活動における自律的な
動機づけの役割に関する研究 教育心理学研究,
56,14–22.
坂本安・高橋靖恵 2009 友人関係における心理的
距離のズレと疎外感の関連 青年心理学研究,
21,69–81.
下斗米淳 2000 友人関係の親密化過程における満
足・不満足感及び葛藤の顕在化に関する研究 実験社会心理学研究,40,1–15.
ンセリング研究,33,235–248.
山中一英 1998 大学生の友人関係の親密化過程に
関する事例分析的研究 社会心理学研究,13,
93–102.
吉原寛・藤生英行 2005 友人関係のあり方と学校
ストレッサー,ストレス反応との関係 カウン
セリング研究,38,128–140.
吉原寛・藤生英行 2012 高校生の友人グループが
主観的学校ストレッサーとストレス反応に及ぼ
す影響,学校心理学研究,12,15–27.
吉 澤 寛 之・ 吉 田 俊 和 2010 中 高 校 生 に お け る 親
住田正樹 1999 発達・社会・教育(住田正樹・高
友・仲間集団との反社会性の相互影響:社会的
島秀樹・藤井美保編著 人間の発達と社会)福
情報処理モデルに基づく検討 実験社会心理学
村出版株式会社 10–24.
鈴木翔 2012 教室内(スクール)カースト 光文
社新書
武内清 1993 友達関係 教育と情報,422,10–15.
田 丸 敏 高 2009 9,10 歳 の 節 心 理 科 学 研 究 会
編 小学生の生活とこころの発達 福村出版 98–110.
谷口淳一・大坊郁夫 2002 同性友人関係におけ
るパーソナリティの類似性認知が魅力判断に与
える効果―パーソナリティ特性次元と対人魅
研究,50,103–116.
和田実 2001 性,物理的距離が新旧の同性友人関
係に及ぼす影響 心理学研究,72,186–194.
渡部麻美 2010 高校生の主張性の 4 要件と友人関
係における行動および適応との関連 心理学研
究,81,56–62.
渡部麻美・松井豊 2011 高校生時と大学生時にお
ける主張性の 4 要件と友人関係満足感との関連 対人社会心理学研究,11,35–42.
渡辺舞 ・今川民雄 2011 大学新入生の友人選択状
力次元による検討― 対人社会心理学研究,2,
況が親密化過程に及ぼす影響 社会心理学研究,
51–64.
27,31–40.