PD-027

FIRE-3
変異、
変異解析
PD-027
WCGIC 2016
セツキシマブ+FOLFIRI療法またはベバシズマブ+FOLFIRI療法を受けた
変異型、 変異型患者の転帰:
FIRE-3試験におけるETSおよび分子マーカーの役割(AIO KRK-0306)
Stintzing S, et al:WCGIC(ESMO-GI)2016, PD-027
結 論
●
変異型または
変異型患者において、セツキシマブ+FOLFIRI療法とベバシズマブ+FOLFIRI療法の有効性は同程度であった。
●
変異型患者と
変異型患者は臨床的に同一集団ではないようである。
●
変異型患者ではセツキシマブ+FOLFIRI療法後の早期腫瘍縮小(ETS:Early tumor shrinkage)は、同療法でベネフィットが
得られる患者の同定に役立つ可能性が示された。この知見は今後、検証が必要である。
●
本研究で得られた知見は限定的なものであり、今後臨床データを集積して、バイオマーカーに関する検討を進める必要がある。
背景・目的
●
FIRE-3試験(AIO KRK-0306)は、切除不能大腸癌(mCRC)患者の一次治療において、セツキシマブ+FOLFIRI療法とベバシズマブ+
FOLFIRI療法を比較する多施設、ランダム化試験として開始された。
●
野生型mCRC患者の一次治療において、セツキシマブ+FOLFIRI療法とベバシズマブ+FOLFIRI療法の奏効率(ORR)と無増悪
生存期間(PFS)は同程度であったが、全生存期間(OS)はセツキシマブ+FOLFIRI療法群で有意に長かった。
●
本研究では、FIRE-3試験のサブグループ解析を行い、
変異型または
方 法
変異型患者の転帰を予測するバイオマーカーについて検討した。
コンソート・ダイアグラム
変異型、
・ FIRE-3試験で試験薬の投与を受けた患者のうち、
変異型患者のデータをレトロスペクティブに解析した。
・ ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)腫瘍組織を用いてパイ
ロシークエンス解析を行い、
および
exon2、3、4変
異および
V600E変異を同定した。
n=752 mCRC 1次治療 未評価患者
exon2 野生型 ITT 集団
n=592
n=475(80.2%)
・ 生存分析はKaplan-Meier法を用い、群間差はlog-rank検定、
ハザード比、95%信頼区間から検討した。
・ E T Sおよび 奏 効の 深さを評 価する画 像判 定は独 立中央セン
ターで行った。
n=400 最終的な
n=48
n=23
セツキシマブ +
FOLFIRI 療法群
exon2 変異型集団
n=113
変異の評価可能集団
(All
変異不明=30例 未治療=17例
n=75
(15.8%)
new
変異型
)野生型
変異型
n=188 最終的な
n=25
ベバシズマブ +
FOLFIRI 療法群
)変異型
(All
n=97
セツキシマブ +
FOLFIRI 療法群
n=91
ベバシズマブ +
FOLFIRI 療法群
PFS・OS
●
変異型患者
・ PFS中央値はセツキシマブ+FOLFIRI療法群7.4ヵ月、ベバシズマブ+FOLFIRI療法群9.7ヵ月(ハザード比:1.27、95%CI:0.94-1.70、 =0.12)。
OS中央値はそれぞれ19.2ヵ月、20.1ヵ月(ハザード比:1.05、95%CI:0.78-1.42、 =0.73)であった。
イベント数 中央値(月) (95%CI)
イベント数 中央値(月) (95%CI)
1.0
<PFS>
87/91
7.4
(5.7-8.5)
ベバシズマブ +FOLFIRI 療法群
93/97
9.7
(8.5-11.2)
全生存率
無増悪生存率
0.75
=0.12(log-rank 検定) ハザード比:1.27(95% CI:0.94-1.70)
0.50
1.0
<OS>
セツキシマブ +FOLFIRI 療法群
89/97
19.2
(16.3-22.2)
ベバシズマブ +FOLFIRI 療法群
85/91
20.1
(17.4-26.0)
=0.73(log-rank 検定) ハザード比:1.05(95% CI:0.78-1.42)
0.50
0.25
0.25
0.0
0.75
セツキシマブ +FOLFIRI 療法群
12
24
36
48
治療開始時からの追跡期間 ( 月)
60
0.0
72
12
24
36
48
治療開始時からの追跡期間 ( 月)
60
72
●
変異型患者
・ PFS中央値はセツキシマブ+FOLFIRI療法群6.6ヵ月、ベバシズマブ+FOLFIRI療法群6.6ヵ月(ハザード比:0.84、95%CI:0.47-1.51、 =0.56)。
OS中央値はそれぞれ12.3ヵ月、13.7ヵ月(ハザード比:0.79、95%CI:0.43-1.46、 =0.45)であった。
イベント数 中央値(月) (95%CI)
1.0
<PFS>
21/23
6.6
(2.5-8.8)
ベバシズマブ +FOLFIRI 療法群
25/25
6.6
(4.3-7.8)
=0.56(log-rank 検定) ハザード比:0.84(95% CI:0.47-1.51)
0.50
0.25
0.0
イベント数 中央値(月) (95%CI)
1.0
<OS>
全生存率
無増悪生存率
0.75
セツキシマブ +FOLFIRI 療法群
0.75
セツキシマブ +FOLFIRI 療法群
20/23
12.3
(5.5-23.8)
ベバシズマブ +FOLFIRI 療法群
24/25
13.7
(7.8-19.5)
=0.45(log-rank 検定) ハザード比:0.79(95% CI:0.43-1.46)
0.50
0.25
12
24
36
48
治療開始時からの追跡期間 ( 月)
60
72
0.0
12
24
36
48
治療開始時からの追跡期間 ( 月)
この資材は学会の最新情報を掲載しており、日本国内での承認内容と異なる薬剤の情報が含まれています。ご使用にあたっては各薬剤の添付文書をご参照ください。
60
72
WCGIC 2016
最大腫瘍縮小率(DpR:Depth of Response)
・ DpR中央値は、 変異型患者ではセツキシマブ+FOLFIRI療法群−18.3%、ベバシズマブ+FOLFIRI療法群-26.0%( =0.19)、
者ではそれぞれ-20.3%、-15.5%( =0.64)であった。
●
変異型患者
値
DpR
中央値 (Wilcoxon 検定)
セツキシマブ +FOLFIRI 療法群
ベバシズマブ +FOLFIRI 療法群
-18.3%
-26.0%
変異型患者
●
値
DpR
中央値 (Wilcoxon 検定)
セツキシマブ +FOLFIRI 療法群
ベバシズマブ +FOLFIRI 療法群
0.19
+20%
+20%
-30%
-30%
変異型患
-20.3%
-15.5%
0.64
変異型患者におけるETSと転帰の関連性
・ セツキシマブ+FOLFIRI療法群のPFS中央値はETS群7.7ヵ月、非ETS群5.5ヵ月(ハザード比0.63、 =0.16)、OS中央値はそれぞれ27.6ヵ月、
16.0ヵ月(ハザード比0.43、 =0.022)であった。ベバシズマブ+FOLFIRI療法群のPFS中央値はETS群8.9ヵ月、非ETS群12.8ヵ月(ハザード比
1.37、 =0.29)、OS中央値はそれぞれ17.5ヵ月、21.8ヵ月(ハザード比0.77、 =0.42)であった。
●セツキシマブ+FOLFIRI療法群
OS 中央値 (95%CI)
(95%CI)
7.7ヵ月
(5.2-10.2)
non ETS 群(n=30) 5.5ヵ月
(3.9-7.2)
ETS 群(n=18)
無増悪生存率
0.75
=0.16(log-rank 検定)
1.0
<OS>
ハザード比:0.63
0.5
ETS 群(n=18)
27.6ヵ月 (11.4-43.7)
non ETS 群(n=30) 16.0ヵ月 (14.9-17.0)
全生存率
PFS 中央値
1.0
<PFS>
0.75
=0.022(log-rank 検定) ハザード比:0.43
0.5
0.25
0.25
12
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
12
24
24
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
36
●ベバシズマブ+FOLFIRI療法群
1.0
<PFS>
ETS 群(n=24)
(95%CI)
8.9ヵ月
(8.2-9.6)
non ETS 群(n=35) 12.8ヵ月
=0.29(log-rank 検定)
1.0
<OS>
(9.2-16.3)
全生存率
無増悪生存率
0.75
PFS 中央値
ハザード比:1.37
0.5
0.25
OS 中央値 (95%CI)
ETS 群(n=24)
0.75
17.5ヵ月 (9.6-25.4)
non ETS 群(n=35) 21.8ヵ月 (18.6-25.1)
=0.42(log-rank 検定)
ハザード比:0.77
0.5
0.25
12
24
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
36
12
24
36
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
48
変異型患者におけるETSと転帰の関連性
・ セツキシマブ+FOLFIRI療法群のPFS中央値はETS群9.0ヵ月、非ETS群1.9ヵ月(ハザード比0.14、 =0.002)、OS中央値はそれぞれ29.8ヵ月、
5.9ヵ月(ハザード比0.30、 =0.047)であった。ベバシズマブ+FOLFIRI療法群のPFS中央値はETS群7.5ヵ月、非ETS群4.8ヵ月(ハザード比0.45、
=0.12)、OS中央値はそれぞれ11.8ヵ月、13.7ヵ月(ハザード比1.2、 =0.70)であった。
●セツキシマブ+FOLFIRI療法群
PFS 中央値 (95%CI)
1.0
<PFS>
ETS 群(n=9)
9.0ヵ月
(8.3-9.8)
non ETS 群(n=8) 1.9ヵ月
(1.3-2.6)
全生存率
無増悪生存率
0.75
=0.002(log-rank 検定) ハザード比:0.14
0.5
0.25
●ベバシズマブ+FOLFIRI療法群
29.8ヵ月 (0.0-66.4)
non ETS 群(n=8) 5.9ヵ月 (0.0-15.4)
0.75
=0.047(log-rank 検定) ハザード比:0.30
0.5
24
PFS 中央値 (95%CI)
1.0
ETS 群(n=7)
7.5ヵ月
(5.4-9.6)
non ETS 群(n=14) 4.8ヵ月
(3.0-6.7)
=0.12(log-rank 検定)
ハザード比:0.45
0.5
12
24
36
48
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
1.0
<OS>
全生存率
無増悪生存率
0.75
ETS 群(n=9)
0.25
12
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
<PFS>
OS 中央値 (95%CI)
1.0
<OS>
60
OS 中央値 (95%CI)
ETS 群(n=7)
0.75
11.8ヵ月 (9.7-13.9)
non ETS 群(n=14)13.7ヵ月 (7.2-20.2)
=0.70(log-rank 検定)
ハザード比:1.2
0.5
0.25
0.25
12
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
24
12
24
36
48
ランダム化からの追跡期間 ( 月)
この資材は学会の最新情報を掲載しており、日本国内での承認内容と異なる薬剤の情報が含まれています。ご使用にあたっては各薬剤の添付文書をご参照ください。
60
2016年7月作成
EB031C1607PH576