学校だより 第18号 - 板橋区教育ネットワーク

平成28年10月18日
第18号
日
校長 荒 井 秀 樹
時代が変わると求められる力も変わる だから授業も変わる
先日、生き方について考えるキャリア教育に関する区の会議に出席してきました。その時の講師の先生が、ア
メリカのデューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンさんの研究発表に触れました。
「アメリカで 2011
年度に入学した小学生の 65%は、大学卒業時、今は存在していない職に就くだろう」という 2011 年8月のニ
ューヨーク・タイムズ紙に掲載された研究発表です。この記事は、当時大きな話題となりました。
今の中学生が社会の第一線で活躍する時代は、今とは大きく様変わりしているだろうことは、誮にも想像がつ
きます。人間が現在やっている仕事の多くは機械やロボットやコンピュータや人工知能に変わっていくことは誮
もが疑わないことだと思います。
でも私が改めて「そうか!」と考えさせられたのは、その次に続く言葉でした。講師の先生は続けてこのよう
な事を言ったのです。「今ある職業の多くで人間の力を不要とする時代になるということは、今の中学生が社会
を担っていく時代には、自ら新しい仕事を創造していかなければならない時代ということです」
確かに多くの皆さんは、今ある仕事の中から「こんな仕事に就きたい」という思いをもって勉強したり、技術
や知識を身に付けたりしていることでしょう。でももしかしたら、今この仕事に就きたいと思っている仕事が未
来に存在するとは限りません。仕事は、選択する時代から、次代を読み、必要とされる仕事を創造する時代にな
っているかもしれません。そういう時代では、知識や技能を身に付けるだけでは十分とはいえません。その知識
や技能を応用して、新しいものを創り出す力が必要なのです。
先月、私は一人一人の先生方の授業を観させていただきました。最近の授業は、自分の考え
をまとめたり、気づいたことを書き出したり、グループで話し合ったり、教え合ったり、皆の
前で発表したりする授業が増えたと思いませんか。実はこれらの活動は、10年後の皆さんに
必要とされる力を身に付けさせるための授業なのです。
例えば班で学習する場合にはどんな力が必要になるでしょうか?まず、自分の意見をもつことが必要になりま
す。そして自分の意見を伝える力が必要になります。人の話を聞きとる力も必要です。聞いた話と自分の考えを
比べ、よりよい考えを導き出す力が必要です。また、自分が気づかなかった考え方やより良い考えを学び取る機
会が増え、自分の考えが膨らみます。話し合い活動の経験から、人から考えを聞き出すリーダーシップやチーム
ワークを学ぶこともできます。社会にでも必要な、人間関係を築く力も自然に身に付けていけるのです。
また、発表や学び合い学習をすれば、話し方や話す順序、わかりやすい伝え方、表現の仕方を工夫します。発
表する経験の積み重ねが、自主性や積極性などを育て、伝える力が増していきます。学び合い活動では、要点を
押さえて説明しようとします。説明することで知識が定着し、理解も深まります。
先生の説明を聞きしっかり学習に取り組めば、知識や技能が深まります。でも皆さんがこれから生きていく時
代は、その知識や技能をどのように使うかが求められる時代になっているのです。班活動をする時には、自分の
意見をしっかり持つことや伝えること、人の話を自分の意見に生かすこと、等を意識しながら参加していれば、
知らず知らずのうちに皆さんの将来に必要とされる力が身につきます。大切なのは学びの意義を知ることです。
区内の小中学校では、板橋区授業スタンダードに基づいて授業を進めています。毎時間のめあてを示すことで
皆さんは、目的をもって授業に臨めるようになります。ぜひその時間のめあてを意識してください。そして毎時
間のまとめの時には、学んだことから自分の意見をもつということを意識してください。
めあてを皆さんに示すということは、実は先生方にとっても大切なことなのです。「○○を覚える、理解する」
というめあての時は、基本の定着を目指します。「○○について考える、発表する」であれば、学んだ知識や技
能を使って考えをまとめたり、意見を交換したり、人に伝える活動が入ってくることになります。この1時間で
身に付けさせたい力は何か先生たちは考えながら、授業の内容を決めるからです。
身に付けさせたい力によって、授業のねらいが変わり、授業のねらいが変わることで授業の内容が変わる、皆
さんもそんなことを意識すれば、授業に取り組む姿勢も変わってくるかもしれません。
(この話は朝礼で話しました)
英語検定試験、漢字検定試験を行いました チャレンジで実力アップ
中間考査を終えた7日(金)に実用英語技能検定試験を、15日(土)に実用数学技能検定試験を本校にて行
いました。検定試験の受験は自分の実力を知る機会になるばかりではなく、資格としてこの先の皆さんの大きな
支えとなることでしょう。特に3年生は入試を控え、受験勉強の一環として復習の機会になったと思います。ま
た高校選択の際のメリットとして生かせることがあるかもしれません。
今後も、ぜひ多くの生徒の皆さんに、いろんな検定試験に、チャレンジしてほしいと思います。
授業評価の結果が出ました
より質の高い授業を目指していきます
1 学期に全学年で授業アンケートを実施しました。その集計結果を皆様にご報告します。
授業中の規律の面などにいての生徒自身の自己評価は高いようです。授業をしっかり受けようという気持ちに
も高いように思います。それは毎時間の授業でも感じ取れるところです。
その一方で、主体的に考えたり、積極的に意見を出したり、わからなかったところを確実に振り返ったりする
ことなどに対する積極性については、生徒自身の評価も低いようです。各先生方は、自分の意見をまとめさせた
り、班での話し合い活動や学び合い活動を取り入れるなどの工夫をしているところですが、授業の中に、考える
時間をより多く作り出したり、振り返りをしっかりさせるなど、今後の工夫が必要とされます。
1
2
1 年生
3
4
5
1
2
2 年生
3
4
5
1
2
3 年生
3
4
5
77.4
19.4
2.6
0.6
―
90.9
8.2
0.8
0.1
―
89.0
10.5
0.6
0.1
―
77.7
18.6
3.2
0.5
―
81.4
13.8
3.9
0.9
―
79.0
18.8
1.4
0.9
―
57.1
33.8
7.8
1.3
―
60.9
30.2
7.5
1.4
―
64.7
28.8
5.3
0.4
―
54.2
29.0
10.8
6.0
―
52.6
22.0
15.1
10.3
―
66.6
25.7
5.2
1.1
―
64.7
28.8
4.9
1.6
―
67.0
25.3
5.4
2.3
―
75.1
21.5
3.7
0.0
―
26.5
22.2
28.8
19.2
3.3
37.2
25.9
23.7
10.0
3.0
38.1
29.7
21.9
9.9
0.3
り、
学び合い活動に積極的に 35.0
33.4
19.6
7.8
4.2
49.4
26.0
17.9
5.2
1.1
49.1
31.3
14.1
5.5
0.0
22.4
29.2
24.2
1.4
30.8
20.5
23.2
23.2
2.3
35.2
30.8
21.3
11.2
0.1
20.9
21.9
17.5
1.2
40.5
20.5
16.2
20.3
2.3
49.0
21.0
16.2
13.1
1.0
29.2
19.9
9.5
0.7
44.3
24.1
17.0
14.4
0.4
48.2
28.1
17.7
5.7
0.4
質問項目
チャイム着席を守っていま
すか
授業の始めと終わりに、
あい
さつをしていますか
授業のねらいや内容を、
理解
して授業を受けていますか
授業内容を振り返り、
ノート
をとってまとめていますか
先生の話や説明をよく聞い
て、
授業の内容を理解しよう
と取り組んでいますか
自分で考え、
考えたことを発
表することに積極的に取り
組んでいますか
お互いに意見を出し合った
参加していますか。
わからないことがあったと
き、
授業中や休み時間に先生 22.8
に聞いていますか
わからなかったことを塾や
家庭で教えてもらっている 38.5
ことがありますか
わからなかったことを予習
や復習をして、
解決すること 40.7
ができていますか
<表の見方について>
○1(肯定的な評価)→ 4(否定的な評価) 5は自分では判断できない
○単位は%です。実際に試験では教科ごとにアンケートを取りましたが、ここでは各教科の平均で示しています
演劇部「まなぽーと成増」のオープニングイベントで劇を披露
10 月 1 日(土)、「まなぽーと成増」のオープニを祝い、演劇部の皆さんが劇
を披露しました。まなぽーと成増は生涯学習センターとしての機能をもち、特に中高生や
若者を対象としたさまざまな講座や催しを行ったり、青尐年のふれあいの場として活用さ
れることが期待されています。
その開館を祝い、演劇部の生徒たちがオープニングセレモニーでユーモアを交えた劇を
披露し、観客の笑いと喝采をいただきました文化発表会や板橋区連合学芸会とスケジュー
ルが厳しい中での参加でしたが、皆生き生きと自分の役になりきって演じていました。
教育実習が終わりました
いい先生になることを願っています
4 日(火)に教育実習が終了しました。今年は、有澤侑希先生(国 2 年 1 組)
、武
藤将治先生(社 2 年 3 組)
、佐藤麗先生(体 3 年 1 組)を迎えての教育実習でした。
1 日早い 3 日(月)の生徒会朝礼で、生徒の皆さんへの言葉を、実習生一人一人からい
ただきました。ともに学んだ 3 週間、途中に運動会などもあり、生徒の皆さんとの絆が深
まったのではないでしょうか。
実習生にとっては皆さんとの経験の一つ一つが、生きた勉強だったと思います。西台中
での経験を活かし、素晴らしい先生になってくれることを期待しています。