腸内細菌と消化器系疾患

JDDW 2016 Kobe
ランチョンセミナー 39
日時
場所
学会1日目
11 3
2016年
月
日(木) 12:30∼13:40
神戸ポートピアホテル 生田(第13会場)
腸内細菌と消化器系疾患
司会
坂井田 功 先生
山口大学大学院医学系研究科
消化器内科学講座 教授
演題1
腸内細菌制御による
新たなる肝性脳症の治療戦略
新潟大学大学院医歯学総合研究科
演者 寺井 崇二 先生
消化器内科学分野 教授
演題2
腸内細菌と NASH
演者
吉治 仁志 先生
奈良県立医科大学
内科学第三講座(消化器・内分泌代謝内科)教授
本セミナーは整理券制です。
昼食をご用意しておりますが、ご参加にはあらかじめランチョンセミナー整理券(無料)が必要です。
【ご用意数】 150 名様分
【発券日時】 前日 13:45 ∼ 17:30(一部発券のみ)
当日 7:30 ∼ 11:00
【発券場所】 ※11/2 は神戸国際展示場 1 号館2階のみ
1. 神戸国際展示場 1 号館2階
2. ポートピアホテル 南館1階 大輪田前ロビー
共催:第58回日本消化器病学会大会
会長 岡崎 和一(関西医大・3内科(消化器肝臓内科))
腸内細菌と消化器系疾患
司 会
坂井田 功 先生
山口大学大学院医学系研究科 消化器内科学講座 教授
演題1
腸内細菌制御による新たなる肝性脳症の治療戦略
寺井 崇二 先生
新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野 教授
非代償性肝硬変症における高アンモニア血症に伴う肝性脳症に対して、腸
管非吸収性の抗菌薬であるリファキシミン(リフキシマ)が保険収載される
予定である。一方で肝硬変と腸内細菌についての過去の解析では、肝硬変症
患者における腸内細菌は健常者に比べ異なるという報告がある。原因なのか
結果なのか依然として不明であるが、今後肝硬変症患者の病態制御において
腸内細菌の問題は重要になると考えられる。
すでにリファキシミンは海外において、アルコール性肝硬変症に伴う肝性
脳症の発症を予防し、長期生存に寄与したという報告もある。
本講演では、肝硬変症における腸内細菌の関連、さらに、新たなリファキ
シミン(リフキシマ)の使用方法及び今後の可能性を治験データ等を踏まえ
紹介する。
演題2
腸内細菌と NASH
吉治 仁志 先生
奈良県立医科大学 内科学第三講座(消化器・内分泌代謝内科)教授
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の中で、NASHという、脂肪性肝炎
から肝硬変・さらには肝細胞癌へと進展しうる予後不良な病態が含まれている
ことが明らかになり、その病態生理や治療法が精力的に研究されている。
NASHの成因は多くの因子が複雑に関連しながら発症するMultiple hit
theoryが支持されているが、内因性エンドトキシンを介する腸内細菌が大き
な役割を果たしていることが近年の研究から明らかになっている。NASH患
者において腸内細菌叢が大きく変化していることが次世代シークエンスによ
る解析で明らかになり、実験的に難吸収性抗菌薬を投与することでNASH患
者の予後規定因子である肝線維化が著明に改善することも報告されている。
本講演では明日の診療から役立つように、肝性脳症の原疾患である肝硬変
の原因として注目されているNASHの最近の話題について、腸内細菌との関
連などを中心に概説したい。