穢土の思想 -「九相図」における 不浄から無常への展開

綜
合
仏
教
研
究
所
公
開
講
座
穢土の思想
-「九相図」における
不浄から無常への展開
講師 山本聡美先生
(共立女子大学 教授)
[日程] 平成28年10月19日(水)
[時間]14:50~16:20(4時限目)
[ 場 所 ]
4 3 6 教 室 ( 4 号 館 3 階 )
本研究所では、共立女子大学 教授である 山本聡美先生を講師にお迎えし、ご
講演いただきます。予約不要および無料でどなたでも聴講できますので、ふ
るってご参加ください。
【講義概要】不浄観とは、出家者が肉体に対する執着を断ち切るために、その不浄の様
子を思い浮かべる仏道修行の一種である。そのうち、腐乱死体や白骨を凝視し、自他の
肉体が執着に値しないものであることを理解する修行が九相観である。諸経典に説かれ
る九相観とは、第一義的には本物の死体を観察するものであった。ただし、もしその機
会を得ることができない場合には、描かれた死体で代えることもできた。ここに九相図
の源流がある。
中世日本では、そこに無常という新たな意味が付与され、各種の仏教説話とも結びつ
きながら多様な作品へと展開した。明治以降にも、河鍋暁斎や菊池容斎らの作品が残
り、近年では九相図に想を得た現代画家の作品も登場している。意味を変容させながら
も時代を超えて描き継がれているという点で、日本の九相図文化は特異である。
死体の絵に、日本人は何を求め続けているのか。今回の講義では、代表的な作品を紹
介しつつ、この図像の意味の変遷について考える。
【 問い合わせ先】
大正大学綜合仏教研究所 03 -3918- 7311(代表)
http://www.tais.ac.jp/library_labo/sobutsu/
※日程等に変更が生じた場合は、随時、上記HP上にてご案内いたします。