異常行動に関する注意喚起のお願い - 医療関係者のための医薬品情報

── 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読みください。──
適正使用のお願い
長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物吸入粉末剤
処方箋医薬品:注意―医師等の処方箋により使用すること
2016 年 10 月
異常行動に関する注意喚起のお願い
インフルエンザ発症後に、イナビルを含む抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無にかか
わらず、異常行動の発現が報告されております。異常行動としては、突然走り出す、飛び降り、
その他事故につながったり他人に危害を与えたりする可能性がある行動も報告されております。
2012年2月には、イナビルを処方された10歳代の患者さんの転落死が報告されました。イナビル
を含め、抗インフルエンザウイルス薬のご処方の際には改めて患者さんならびに保護者の方へ
以下の注意喚起を徹底いただきたく、お願い申し上げます。
万が一の事故を防止するため、特に小児・未成年の患者さんにおいては、
「インフルエンザ」
と診断されてから少なくとも2日間、就寝中を含め患者さんが一人にならないように、患者さん
ならびに保護者の方へご指導ください。
【使用上の注意】
(抜粋)
2. 重要な基本的注意
(1)因果関係は不明であるものの、本剤を含む抗インフルエンザウイルス薬投薬後に異常行動等の
精神神経症状を発現した例が報告されている。小児・未成年者については、異常行動による転落
等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、
1)異常行動の発現のおそれがあること、2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、
保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明
を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状があらわれるとの報告がある
ので、上記と同様の説明を行うこと。
予防に用いる場合の用法・用量の追加のお知らせ
2016年8月に医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得し、予防に用いる場合の新たな
用法・用量(成人及び10歳以上の小児での40mg単回投与及び10歳未満の小児の用量の追加)
が追加され、予防で用いる場合に、治療で用いる場合と同じ用法・用量での使用が可能となり
ました※。
※成人及び10歳以上の小児への予防投与につきましては、従来の20mg 1日1回2日間投与も可能です。
【用法・用量】
(抜粋)
2. 予防に用いる場合
成人:ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。また、20mgを1日1回、2日
間吸入投与することもできる。
小児:10歳未満の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。
10歳以上の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。また、
20mgを1日1回、2日間吸入投与することもできる。
「 治療 」で 用いる場 合
10 歳以上
「 予防 」で用いる場合
10 歳以上
10 歳未満
40mg(2容器)を1回分として吸入
20mg(1容器)を1回分として吸入
2 容器で1回分
1容器で1回分
イナビルは、
「予防」
目的で使用した場合は、
保険給付されません。
10 歳未満
40mg(2容器)を1回分として吸入
2 容器で1回分
これでイナビルによる
20mg(1容器)を1回分として吸入
1容器で1回分
予防は終わりです
これでイナビルによる
治療は終わりです
これでイナビルによる
治療は終わりです
または
1容器1回分 を
2日間
これでイナビルによる
予防は終わりです
1容器を1回分として、1日1回、
2日間吸入することもできる(2日間で2容器)
なお、本剤をインフルエンザの予防目的で使用できるのは、原則として、インフルエンザ
ウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である以下の方となります。
①高齢者(65歳以上)、②慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、③代謝性疾患患者(糖尿病等)
、
④腎機能障害患者
流通在庫の関係から、最新の添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに日数が必要ですので、ご使用に際しましては、ここにご案内
申し上げました内容をご参照いただきますようお願い申し上げます。
イナビルQ&A
治 療
Q
A
イナビルの用法・用量を教えてくだ
さい。
成人及び 10 歳以上の患者さんは 40mg(2 容器)を吸入投与
します。
10 歳未満の患者さんは 20mg(1 容器)を吸入投与します。
イナビルは 1 シーズンに何回も処方
してかまいませんか?
処方回数の制限はありません。同一シーズン内で異なる型の
インフルエンザに罹患する可能性もあります。
予 防
Q
A
イナビルの用法・用量を教えてくだ
さい。
成人及び 10 歳以上の患者さんは 40mg(2 容器)を吸入投与
します。また、20mg(1 容器)を 1 日 1 回、2 日間吸入投与
することもできます。
10 歳未満の患者さんは 20mg(1 容器)を吸入投与します。
イナビルを予防投与する時の 2 日間
吸入とは?(吸入タイミング)
連続 2 日間投与となります。また、吸入時間に関する規定は
ありません。
イナビルを予防投与する場合は、保険
診療で処方できますか?
イナビルは他の抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ)と
同様に、「予防」目的で使用した場合は、保険給付されません。
共 通
Q
イナビル吸入後にうがいや飲食をして
も問題はありませんか?
A
イナビル吸入後のうがい、飲食は特に問題はありません。
喘息または慢性閉塞性肺疾患患者さん
に吸入投与できますか?
患者さんの状態を十分観察しながら慎重に投与してください。
(類薬で気管支攣縮や呼吸機能の低下が見られた報告があります。
)
イナビルは乳製品アレルギーがある
患者さんに吸入投与できますか?
イナビルには乳糖が含まれています。乳製品アレルギーの既往
歴のある患者さん(特にアレルギーのために乳製品を制限して
いる人)においては、本剤吸入後にアナフィラキシーがあらわ
れることがあるので、吸入後、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、
顔面蒼白、冷汗等の異常が認められた場合には、ただちに医師
に相談するなどの注意をお願いします。
イナビルは卵アレルギーがある患者
さんに吸入投与できますか?
イナビルには、卵成分は含まれていません。卵アレルギーが
ある患者さんでも、特別な制限はなく吸入投与可能です。
イナビルは、どのように保管したら
良いですか?
アルミ包装の状態で、室温で保存してください。アルミ袋は
使用直前に開封してください。
イ ン フ ル エ ン ザ に か か り ま し た が、
いつから学校や職場に行っても良い
ですか?
一般的に熱が下がっても、しばらくはウイルスの感染力が残っ
ているため、他の人に感染させる可能性があります。そのため、
熱 が 下 が っ た あ と も、 最 低 2 日 間( 幼 児 は 3 日 間 )、 か つ、
インフルエンザ発症後からは 5 日間は自宅で療養することを
*
お勧めします。
なお、登校の是非については、学校からの指示に従ってください。
*学校保健安全法施行規則より
インフルニュース イナビルQ&A(監修 東北大学 加齢医学研究所抗感染症薬開発研究部門 教授 渡辺 彰 先生)
より抜粋
よくある質問(Q&A)はこちらから
医療関係者向けサイト「Medical Library」によくある質問(Q&A)
を掲載しています。
PC サイト
スマートフォンサイト
https://www.medicallibrary-dsc.info/
https://www.medicallibrary-dsc.info/sp
Medical Libraryトップ画面最下段に
「よくある質問
(Q&A)
」
が掲載されています。
クリックすると製品一覧が表示されます。
製品一覧よりイナビルをクリックすると
よくある質問が表示されます。
※ご使用にあたっての注意
「よくある質問(Q&A)」は、主要製品につき皆様からよくご質問いただく事項に関してとりまとめたものです。
なお、「よくある質問(Q&A)」の内容は、医薬品の適正使用にあたっての参考情報であり、すべての患者さんにあてはまる
ものではありません。そのため、「よくある質問(Q&A)」の利用に伴って生じた結果については、責任を負いかねますので
ご了承ください。
また、具体的な事項については、弊社製品情報センター又は弊社担当MRに直接お問い合わせください。
<製品情報お問い合わせ先>
第一三共株式会社 製品情報センター
TEL:0120-189-132〔受付時間 9:00 ~ 17:30(土、日、祝祭日、当社休日を除く)〕
INA7AT1701
2016 年10 月作成