省エネ型二酸化炭素回収設備「ESCAP®」の商業二号機の受注について

2016年10月17日
新日鉄住金エンジニアリング株式会社
ニュースリリース
省エネ型二酸化炭素回収設備「ESCAP®」の商業二号機の受注について
新日鉄住金エンジニアリング株式会社(代表取締役社長 藤原 真一)は、住友共同電力株式会社が
新居浜西火力発電所構内に建設を計画している炭酸ガス分離回収設備(以下、同設備)設置工事を受注
いたしました。同設備は、当社が開発した化学吸収法による省エネ型二酸化炭素回収設備「ESCAP®」の
商業第二号機であり、世界最高レベルの省エネ性能、高度な製品品質、安定操業実績等が評価され受注
に至りました。また、石炭火力発電の燃焼排ガスを二酸化炭素回収源とする、化学吸収法による炭酸ガ
ス分離回収としては、日本で初めての商業設備です。なお、同設備稼働後、生産される炭酸ガスは住友
化学株式会社愛媛工場に供給されます。
「ESCAP®」は国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究である「環
境調和型製鉄プロセス技術開発(COURSE50)」の一環で開発した省エネルギー型二酸化炭素回収技術を
基に、独自の高度精製技術を付加し高純度産業ガス向けに商品化したものです。公益財団法人 地球環
境産業技術研究機構(RITE)と新日鐵住金株式会社が開発した化学吸収液を用いて、反応プロセス等に
工夫を加えることにより大幅な熱エネルギー消費量の削減を実現しました。
近年、製油所の統廃合やアンモニア工場の規模縮小等により、これまで二酸化炭素の原料となってい
たガス源が不足しつつあることから、火力発電所、セメント工場、製鉄所等で発生する二酸化炭素含有
ガスを活用した「ESCAP®」の提案を積極的に推進しています。また、二酸化炭素需要の増大が見込まれ
る新興国の産業ガス向けや、CO2-EOR※1及びCCUS※2、あるいは化学プロセス等におけるCO2除去用途な
どに「ESCAP®」の適用範囲を拡大していきます。
当社は、今後とも資源の有効活用や低炭素化社会への貢献に寄与して参ります。
※1:CO2-EOR(CO2 - Enhanced Oil Recovery)
二酸化炭素圧入による石油増進回収法
※2:CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)
大気放散前の二酸化炭素を、分離・回収、輸送、利用または圧入・貯留する技術
【案件概要】
施主(施設保有)
住友共同電力株式会社
(代表取締役社長 山本 一心、本社 愛媛県新居浜市)
建設元請け
住共エンジニアリング株式会社
(代表取締役社長 山本 一心、本社 愛媛県新居浜市)
建設場所
住友共同電力株式会社 新居浜西火力発電所構内
「ESCAP®」完工時期
2018年 5月末(予定)
「ESCAP®」主仕様
原料ガス :石炭火力発電の燃焼排ガス
二酸化炭素製造能力 :143㌧/日
二酸化炭素純度 :99.9%
製品品質
食品用途レベル
<参考:ESCAP®概略プロセスフロー>
オフガス
吸収塔
CO2
再生塔
原料ガス
吸収塔上部から吸収液を散布し、CO2 を選択的に吸収。
CO2 を吸収した吸収液は再生塔に送られ、加熱により CO2 を放出。
【お問い合わせ先】
CSR・広報部 広報室 03-6665-2366
URL
https://www.eng.nssmc.com/ask/
以
上