インドネシア中銀が2会合連続の利下げ

情報提供資料
インドネシア中銀が2会合連続の利下げ
2016年10月21日
 インドネシア中央銀行は10月20日、政策金利を5.00%から4.75%に引き下げ。今後は、
追加金融緩和の余地を探るとみられるも、米国の利上げを控え当面は様子見へ。
 インドネシアルピアは、中期的にもみあう展開を見込む。
2会合連続での利下げを決定
図表1
インドネシア中央銀行(以下、中銀)は10月19、20両
日に金融政策決定会合を開催し、政策金利(7日物リバー
スレポ金利)を5.00%から4.75%に引き下げました(図
政策金利の推移
2013年1月1日~2016年10月21日:日次
(%)
8.0
表1)。利下げの決定は前回9月会合に続き2会合連続です。 7.5
7.0
弱いインフレ率見通しが利下げを後押し
6.5
中銀は、非建設投資の低迷などを背景に、2016年の成
6.0
長率予測を前回提示したレンジである+4.9~5.3%の下限
5.5
付近とするなど、やや弱気な見方を示しました。
5.0
一方、足元で下げ止まりの動きがみられたインフレ率
4.5
(消費者物価)については、2016年末にかけてインフレ
4.0
目標(+4±1%)の下限に接近するとの見通しです(図表
2)。
中銀は、今回の利下げについて、マクロ経済・対外収
支・為替市場の安定、インフレ予測と整合的との見解を示
しています。中でも、弱いインフレ率見通しを強調してお
13
14
15
16
(年)
現政策金利(7日物リバースレポ金利)
旧政策金利(BIレート)
出所:ブルームバーグのデータを基にアセットマネジメントOne
が作成
(注)インドネシア中央銀行は2016年8月19日に政策金利をBI
レートから7日物リバースレポ金利へ変更
図表2
り、これが利下げを後押ししたと思われます。
インフレ率の推移
2013年1月~2016年9月:月次
米国の利上げを控え当面は様子見姿勢か
中銀が指摘しているように貸出しの伸びなど信用創造が
(前年同月比、%)
9
不十分であることや、インフレ率の加速が見込みづらい環
8
境であることを考慮すれば、中銀は追加金融緩和の余地を
7
探るとみられます。しかし、当面については、年内にも米
6
国の利上げが見込まれるなか、為替市場が不安定化する場
5
面も想定されるため、様子見姿勢をとると考えられます。
4
インフレ目標
消費者物価
3
【インフレ目標】
2
・2013年~2014年:4.5±1%のレンジ
1
・2015年~2016年: 4±1%のレンジ
0
13
14
15
16
(年)
出所:インドネシア中央銀行、ブルームバーグのデータを基にア
セットマネジメントOneが作成
(注)インフレ率は消費者物価を使用
※上記グラフは、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる
動向などを示唆、保証するものではありません。
※巻末の投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項を必ずお読みください。
商 号 等 / アセットマネジメントOne株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第324号
加入協会/ 一般社団法人投資信託協会
一般社団法人日本投資顧問業協会
1
今後のルピア相場見通し
図表3
前回9月の金融政策決定会合以降、インドネシアルピア
(対米ドル、以下ルピア)はやや強含んで推移しました
インドネシアルピア推移
2012年10月1日~2016年10月20日:日次
(図表3)。背景として、インドネシア経済が安定的に推移
していることや、米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連
(円)
邦公開市場委員会(FOMC)において利上げを見送ったこ
1.10
100ルピア/円:左軸
となどが挙げられます。
事前予想では「据え置き」と「利下げ」で見方が割れる
(ルピア)
9,000
米ドル/ルピア:右軸(逆目盛り)
ルピア高
1.00
10,500
なか、今回の利下げの決定を受けてルピア相場はやや下落
する動きとなりました(図表3)。
今後のルピアは、短期的には年内の米国追加利上げが見
込まれるなかで、神経質な展開を予想します。その後中期
的には以下の①~③の要因をにらみつつ、もみあう展開を
0.90
12,000
0.80
13,500
ルピア安
見込みます。
0.70
15,000
12/10
①利下げやインフラ整備の進展を通じた景気改善の行方
13/10
14/10
15/10
(年/月)
インドネシア経済は、個人消費が限定的ながらも回復し
ているものの、民間投資は弱い状態が続いています。低イ
ンフレ環境のもとで、中銀の利下げなどが景気の押し上げ
16/10
出所:ブルームバーグのデータを基にアセットマネジメントOne
が作成
に寄与すると考えます。また7月に現政権は内閣改造を実
図表4
パーム油価格
施し、経済閣僚を中心に経験豊富な人員を起用しました。
2013年1月3日~2016年10月20日:日次
今後インフラ整備計画が着実に実行されるとの期待感が高
まっている点は、ルピアの上昇要因とみられます。
(インドネシアルピア/キロ)
12,000
②一次産品市況
11,000
今次会合の声明文のなかで言及されているように、ここ
もとのパーム油など一次産品価格には底入れの動きが見ら
れています。インドネシアの主要輸出産品である一次産品
10,000
9,000
価格の持ち直しは、インドネシア経済にとってプラスに作
8,000
用すると考えます(図表4)。
7,000
6,000
③税恩赦制度※の活用動向
インドネシア政府は税恩赦制度を導入しています。今後
5,000
13/1
については、これによる税収増が国内景気を支えるための
財源として活用されるかが注目されます。
※一定の金額を支払うことによって過去の未払い税金の帳消しが受けら
れるという制度。
(2016年10月21日
14/1
15/1
16/1
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータを基にアセットマネジメントOne
が作成
※上記グラフは、将来の経済、市況、その他の投資環境にかかる
動向などを示唆、保証するものではありません。
12時執筆)
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2
投資信託に係るリスクと費用およびご注意事項
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