1 - Embassy of Japan in Israel

(2016年7~9月)
1 治安情勢及び一般犯罪の動向
(1)具体的な発生事案
・8月11日深夜,ガザ地区より数発のロケット弾が発射され,イスラエル国
内シャアル・ハネゲブ地区(境界より約5km内陸)周辺の空襲サイレンが吹
鳴,イスラエル側の開豁地に着弾した。これを受けて,イスラエル空軍による
報復攻撃が実施された。
・8月21日午後,ガザ地区より数発のロケット弾が発射され,イスラエル内
陸シャアル・ハネゲブ地区周辺の空襲サイレンが吹鳴,スデロット市住宅地付
近に着弾,建造物に若干の被害が出た。これを受けて,イスラエル空軍による
報復攻撃が実施された。
・9月14日夜,ガザ地区より2発のロケット弾が発射され,イスラエル内陸
シャアル・ハネゲブ地区周辺の空襲サイレンが吹鳴,1発のロケット弾がイス
ラエル側開豁地に着弾した。これを受けて,イスラエル空軍による報復攻撃が
実施された。
・9月に入り,シリア領内から発射された迫撃砲弾が,ゴラン高原(イスラエ
ル実効支配)に複数回着弾した。これを受けて,イスラエル空軍による報復攻
撃が実施された。
(2)一般犯罪の動向
イスラエル国家警察の統計によると,2015年の一般犯罪の発生件数は,3
41,447件で,約1分30秒に1件の割合で発生している。犯罪発生率を,
人口比で日本と比較した場合,強盗は約10.5倍,性犯罪は約8.5倍,放
火は約38.5倍と凶悪犯罪の発生率が高いことが特徴的と言える。
2 殺人・強盗等凶悪犯罪の主な実例
(1)7月27日朝,西エルサレムにおいて,車両一台が何者かに爆破される
事件が発生し,1名が負傷した。
(2)7月31日午後、アッコ市(テルアビブ市北約120km)及びホロン
市(テルアビブ東隣接)において,刺傷事件が発生,それぞれ1名が負傷した。
(3)8月1日夜,クファール・サバ市(テルアビブ北東約20km)及びジ
ャッファ地区(テルアビブ南方)にて銃撃事件が発生,それぞれ1名が負傷し
た。
(4)8月2日夜,ハイファ市(テルアビブ北約100km)において,ピザ
宅配の青年が何者かに強盗目的にて銃撃を受け死亡する事件が発生した。
(5)8月3日午後,ロッド市(テルアビブ南東約15km)及びベエル・シ
ェバ市(テルアビブ南約90km)において,ナイフによる刺殺事件が発生し
た。
(6)8月12日午後,ロッド市(テルアビブ南東約15km)において,走
行中の車両に対する銃撃事件が発生,うち運転手1名は死亡した。
(7)8月13日午後,ベエル・シェバ市(テルアビブ南約90km)の路上
にて銃撃事件が発生,1名が負傷した。
(8)8月18日午後,バット・ヤム市(テルアビブ市南隣接)の路上におい
て銃撃事件が発生,1名が死亡した。
(9)8月21日夕刻,ナザレ市(テルアビブ北東約70km)の路上におい
て,銃撃事件が発生,1名が死亡した。
(10)8月22日,テルアビブ市内において銃撃事件が2件発生,それぞれ1
名が重傷を負った。
(11)日本人の被害の報告はない。
3
テロ・爆弾事件発生状況
昨年10月以降,イスラエル人とパレスチナ人との間の緊張の高まりを受け,
エルサレム旧市街を含む東エルサレム,ヨルダン川西岸地区等における治安が
悪化した。2016年に入って以降鎮静化傾向にはあるものの,引き続き予断
を許さない状況が続いている。7月以降の主なテロ及び同未遂事案は以下のと
おり(ヨルダン川西岸地区を除く)。
(1)7月10日午後,キリヤット・ガット市(テルアビブ市南約50km)
の路上において,パレスチナ人によるイスラエル兵士に対する刺傷未遂事件が
発生,犯人は,同兵士に撃たれ重傷を負った。
(2)7月17日朝,エルサレム中心部の路面電車の駅にて,不審な行動をと
っていたパレスチナ人青年に対し警備員が職務質問及び所持品確認をしたとこ
ろ,同人のバッグからパイプ爆弾3個とナイフが発見され,逮捕される事案が
発生した。
(3)7月31日午後,アッコ市(テルアビブ北約120km)及びホロン市
(テルアビブ東隣接)においてナイフによる刺傷事件が発生,後刻,犯人は逮
捕された。
(4)8月4日午後,エルサレム市内を走行するライト・レール(路面電車)
に駅付近で挙動不審なパレスチナ人少年が警察官より職務質問を受けた結果,
ナイフ等の武器を所持していたことが発覚,供述より電車内での襲撃が目的で
あったことが判明した。
(5)8月11日午後,エルサレム市内において,イスラエル人少年がスクリ
ュー・ドライバーで刺される事件が発生した。後日、パレスチナ人犯人は逮捕
された。
(6)8月23日午後,シェファール・アム市(テルアビブ北約100km)
において,走行中の車両が銃撃に遭い,運転していたイスラエル人が負傷する
事件が発生した。犯人は,後刻逮捕された。
(7)8月27,28日の両日,エルサレム市の路上において,不審な行動を
とっていたパレスチナ人が警察官の尋問を受けた結果,ナイフを所持していた
ことが発覚,供述より,警察官襲撃を企図していた事実が確認された。
(8)9月16日午後,エルサレム旧市街ダマスカス門付近において,ヨルダ
ンからの訪問者によるナイフを使った刺傷未遂事件が発生,犯人はその場で警
察官に射殺された。犯人の所持品からは,他にナイフ2本が発見された。
(9)9月19日朝,エルサレム旧市街ヘロデ門付近において,パレスチナ人
女性による警察官2名に対する刺傷事件が発生,警察官1名は重体,1名は重
傷を負った。犯人はその場で警察官に撃たれ,重体となった。
4 誘拐・脅迫事件発生状況
日本人の被害の報告はない。
5
対日感情
基本的に良好であり,特段の変化は見られない。
6 日本企業の安全に関する諸問題
JICA,JETRO及び日系企業関係者に対し,不測の事態に備え,緊急連
絡体制の整備・訓練の実施。また,出張者等が当地を訪問する場合は,「たび
レジへの登録を促すと共に,短期間の滞在であっても連絡先を当館へ通報する
よう求めている。
7
日本人安全対策のために取った具体的措置
(1)以下注意喚起につき,一斉メール(在留届・たびレジ登録者宛)及び当
館ホ-ムページに掲載を行った。
(ア)7月4日:バングラデシュにおける銃撃・人質事案(広域情報)及び当
地安全対策と注意喚起
(イ)7月17日:トルコにおけるクーデター未遂に伴うトルコ渡航について
(スポット情報)
(ウ)9月8日:イスラム教の犠牲際をひかえた注意喚起
(エ)9月20日:治安悪化及びユダヤ教新年祝祭日期間をひかえた注意喚起
(オ)9月30日:故ペレス前大統領の国葬及びユダヤ教新年祝祭日をひかえ
た注意喚起
(2)たびレジ登録者を対象とした注意喚起メールを発出した。
7月7,14,21,27日。
8月5,10,19,26日。
9月9,16,23,30日。