頭頸部腫瘍科 - 埼玉医科大学

頭頸部腫瘍科
取得可能専門医、認定医及び到達目標など
専門医・認定医
取得年数
名称
最短
通常
日本耳鼻咽喉科専門医
7 年目
7 年~8 年
頭頸部がん専門医
10 年目
10 年~15 年
気管食道科専門医
8 年目
8 年~10 年
日本がん治療医認定医
8 年目
8 年~10 年
【基本となるもの】
【取得可能なもの】
全体を通して症例数の設定はあえて行っておりません。理由は、他の大学病院と比べて経
験症例は極めて多く症例が少なくて問題になることはありません。研修当初より意欲のある
者には、術者をどんどん経験してもらう方針です。したがって術者・助手の区別は当科にお
いては不要と判断します。
学年別 到達目標など
卒後年数
卒後 3 年目
(後期 1 年目)
到達目標・その他
1)臨床に必要な検査法の習熟。
これには、耳鼻咽喉科医として必要な手技を含みます。
例:額帯鏡が使える、耳鏡、鼻鏡、喉頭鏡等が使える、鼻咽腔・喉
頭・下咽頭ファイバーの操作、耳鼻咽喉科的検査を理解し、結果
を判定できる(オージオグラム、ENG など)。
将来、耳鼻咽喉科専門医を取得するため 1 年目あるいは 2 年目で
一般耳鼻咽喉科としての研修を行います。大学病院耳鼻咽喉科、
神経耳科、総合医療センター耳鼻咽喉科に 3 ヶ月から半年のローテ
ーションを行う予定です。
2)頭頸部腫瘍患者の診察を行い、必要な検査を行い、診断ができる。
3)喉頭微細手術などの診断のための手術を行える。
4)良性腫瘍の手術を指導医のもとに行える。
卒後 4 年目
(後期 2 年目)
1)必要な科へのローテーション(耳鼻咽喉科、神経耳科のみならず、
希望により放射線腫瘍科、原発不明・希少がん科、麻酔科等への
短期ローテ
ートを含む)。
2)舌・口腔内早期癌に対する切除が指導医のもとに行える。
3)甲状腺癌手術が指導医のもとに行える。
4)2 年目の終わりには頸部郭清を指導医のもとに行える。
5)喉頭全摘を指導医のもとに行える。
6)症例報告をまとめ、必要な文献検索ができ、学会で発表できる。
卒後 5 年目
(後期 3 年目)
1)良性腫瘍の手術、舌・口腔内早期癌に対する切除、甲状腺癌手術
を完投できる。
2)頭頸部癌に対する、検査、診断、治療計画をたてることができる。
3)上顎部分切除が指導医のもとに行える。
4)咽喉食摘、頸部郭清、遊離空腸による咽頭再建手術を指導医のも
とに行える。
5)中咽頭癌切除、頸部郭清、腹直筋による再建手術を指導医のもと
に行える。
6)症例報告をまとめ、論文発表ができる。
卒後 6 年目
(後期 4 年目)
1)良性腫瘍の手術、舌・口腔内早期癌に対する切除、甲状腺癌手術
を指導できる。
2)上顎部分切除が完投できる。
3)咽喉食摘、頸部郭清、遊離空腸による咽頭再建手術を完投できる。
4)中咽頭癌切除、頸部郭清、腹直筋による再建手術を完投できる。
5)初期研修医の学会発表指導ができる。
6)臨床データを分析し問題点を把握し、臨床研究テーマを立案でき
る。
以上の 4 年間の研修で日本耳鼻咽喉科学会専門医の受験資格が得られ、全員取得を
目指す。
全診療科の取得可能な専門医、認定医及び到達目標等一覧表
頭頸部腫瘍科の特色
当科は平成 17 年 7 月より我が国で 2 番目に開設された、頭頸部外科専門診療講
座です。治療対象は、頭頸部がんを主体とし、頭蓋内と眼窩を除いた鎖骨より頭側
の腫瘍性疾患を広く扱います。
人口の高齢化と共に頭頸部がん患者は増加の一途をたどっておりますが、治療施
設は不足しており、当科にも埼玉県西部は勿論のこと、群馬県南部、東京都西部な
どから多数の患者が来院し、症例は極めて豊富です。また、甲状腺腫、上皮小体
腫瘍も当科が取り扱っております。非常に多様な疾患を扱っておりますので、充実
した研修を受けることが可能で、当科で研修されれば、頭頸部外科を専門とする医
師にとり必要な全てを経験することができると自負しております。
頭頸部深部領域への外科的アプローチの改良、機能温存治療(超選択的動注の
導入、化学放射線療法の意義)などの臨床研修のみならず、学位につながる基礎
研究、そして国内国際学会への参加発表も奨励しております。
第一の目標は日本耳鼻咽喉科学会専門医の獲得(卒後 6 年で受験資格)であり、
当院のみでは不足する一般耳鼻咽喉科の研修については、埼玉医科大学病院
(毛呂)、総合医療センター(川越)、および国立国際医療研究センターと提携し、1
年程度のローテーションを予定しております。更に次のステップとして頭頸部癌専門
医の獲得を目指します。また、日本気管食道学会専門医の獲得も可能です。
平成 20 年度より、日本耳鼻咽喉科学会、気管食道学会の専門医研修認定施設と
なりました。平成 22 年度から頭頸部がん専門医認定研修施設として登録されまし
た。
研修責任者と指導者
研修責任者:菅澤
正(診療部長)
指導者:
菅澤 正 (教授):診療部長、耳鼻咽喉科専門医、気管食道科専門医、
日本がん治療認定医、暫定指導医、頭頸部がん専門医、暫定指導医
中平光彦 (教授):副診療部長、耳鼻咽喉科専門医、気管食道科専門医、
日本がん治療認定医、頭頸部がん専門医
小柏靖直 (講師):病棟医長、耳鼻咽喉科専門医、気管食道科専門医、
日本がん治療認定医、頭頸部がん専門医
南 和彦 (講師):外来医長、耳鼻咽喉科専門医、日本がん治療認定医、
頭頸部がん専門医
蝦原康宏 (講師):耳鼻咽喉科専門医、日本がん治療認定医、
頭頸部がん専門医
久場潔実 (助教):耳鼻咽喉科専門医
井上 準 (助教):耳鼻咽喉科専門医
大庭 晋 (助教):耳鼻咽喉科専門医
プログラムの目的と特色
頭頸部がん専門医取得を目標に、その第一段階として、頭頸部外科の基本を学び
ます。豊富な症例に基づき、上縦隔から、頭蓋底まで、頭頸部外科の全分野を体験
可能です。
到達目標
当科で 4 年間学ぶことで、定型的な頭頸部癌症例の治療を、指導医なしで出来るよ
うになることを目指しております。そのためにも、早期から積極的に術者として、手
術経験を積んでいただく方針です。また、外科系研修の一環として、数ヶ月間、当
科の研修を希望される方を歓迎します。
1 年目
1)臨床に必要な検査法の習熟。
これには、耳鼻咽喉科医として必要な手技を含みます。
例:額帯鏡が使える、耳鏡、鼻鏡、喉頭鏡等が使える、鼻咽腔・喉頭・下咽頭ファ
イバーの操作、耳鼻咽喉科的検査を理解し、結果を判定できる(オージオグラ
ム、ENG など)。
将来、耳鼻咽喉科専門医を取得するため 1 年目あるいは 2 年目で一般耳鼻咽
喉科としての研修を行います。大学病院耳鼻咽喉科、神経耳科、総合医療セン
ター耳鼻咽喉科に 3 ヶ月から半年のローテーションを行う予定です。
2)頭頸部腫瘍患者の診察を行い、必要な検査を行い、診断ができる。
3)喉頭微細手術などの診断のための手術を行える。
4)良性腫瘍の手術を指導医のもとに行える。
2 年目
1)必要な科へのローテーション(耳鼻咽喉科、神経耳科のみならず、希望により放
射線腫瘍科、臨床腫瘍科、麻酔科等への短期ローテートを含む)。
2)舌・口腔内早期癌に対する切除が指導医のもとに行える。
3)甲状腺癌手術が指導医のもとに行える。
4)2 年目の終わりには頸部郭清を指導医のもとに行える。
5)喉頭全摘を指導医のもとに行える。
6)症例報告をまとめ、必要な文献検索ができ、学会で発表できる。
3 年目
1)良性腫瘍の手術、舌・口腔内早期癌に対する切除、甲状腺癌手術を完投でき
る。
2)頭頸部癌に対する、検査、診断、治療計画をたてることができる。
3)上顎部分切除が指導医のもとに行える。
4)咽喉食摘、頸部郭清、遊離空腸による咽頭再建手術を指導医のもとに行える。
5)中咽頭癌切除、頸部郭清、腹直筋による再建手術を指導医のもとに行える。
6)症例報告をまとめ、論文発表ができる。
4 年目
1)良性腫瘍の手術、舌・口腔内早期癌に対する切除、甲状腺癌手術を指導でき
る。
2)上顎部分切除を完投できる。
3)咽喉食摘、頸部郭清、遊離空腸による咽頭再建手術を完投できる。
4)中咽頭癌切除、頸部郭清、腹直筋による再建手術を完投できる。
5)初期研修医の学会発表指導ができる。
6)臨床データを分析し問題点を把握し、臨床研究テーマを立案できる。
以上の 4 年間の研修で日本耳鼻咽喉科学会専門医の受験資格が得られ、全員取
得を目指す。また、希望者は気管食道学会専門医も取得可能である。
5 年目以降
専門領域を定めると共に、臨床研究、トランスレーショナルリサーチに取り組み、頭
頸部癌専門医を目指す。
当科で研修の後、一般耳鼻咽喉科を研修希望の者は、埼玉医科大学病院(毛
呂)、総合医療センター(川越)、および国立国際医療研究センター等も紹介可能で
す。
入局後の教育スケジュール
病棟受け持ち医として頭頸部外科専門医に必要な基本的知識・手技の修得を目指
します。指導医とともに平均 10 名の患者を受持ち、毎日、病棟回診を行います。患
者の治療計画を立て、患者及び患者家族との信頼関係を築き、さらに、基本的な全
身管理が適切に行うことができるように教育されます。
外来診療も週1日行い、初診から、手術、術後の経過観察まで、指導医の指導の
下、一貫した治療を行います。
手術には、指導医の指導の下、早期から術者として取り組んでいきます。
日本耳鼻咽喉科学会に入会し、各種関連学会に参加および発表を行い、科学者と
して論文作成における大切な基本を学び、さらに学位取得希望者には研究の準備
を進めます。
以下の学会への発表及び参加をします。
日本耳鼻咽喉科学会総会(年 1 回)
日本気管食道学会(年1回)
日本頭頸部癌学会(年 1 回)
日本頭頸部外科学会(年 1 回)
日本頭蓋底外科学会(年一回)
日本耳鼻咽喉科学会埼玉地方会(年 3 回)
教育スケジュール
卒業後年数
3
4
5
大学院
研 究
6
7年以降
学 位
基礎的または臨床研究(希望者のみ)
臨 床
主治医
指導医
日本耳鼻咽喉科
学 会
会
員
専門医
必 須
日本気管食道
学 会
会
員
専門医
希望者
日本頭頸部
外科学会
会
員
希望者
埼玉医科大学社会人大学院コースも受け入れ可である。
教育行事
1.教授回診(水曜午後):全患者を診察し、問題点のチェックを受ける。
2.手術報告会(火曜夕)手術内容を報告、指導を受ける。
3.術前カンファランス(金):翌週の手術について術式等を検討する。
4.初診患者検討会(金):初診患者の検査、治療方針を確認する。
5.ジャーナルカンファ、リサーチカンファ:最新論文にふれ、臨床・研究への還元を
目標とする。個々の研究の方向性・進捗度ならびに問題点を討論する。
6.専門医勉強会
7.頭頸部腫瘍カンファ(火曜日 16 時):放射腺腫瘍科と合同で治療方針を検討。リ
ハビリチーム(言語聴覚士・理学療法士・作業療法士)、看護士、薬剤士とも多
職種カンファを開催。
8.頭頸部病理カンファ:病理診断科、放射線診断科と合同カンファ
9.各種セミナー、講演会、研究会など学術集会を年数回開催
他科研修の可能性について
希望があれば、関連各科で研修可能です。
(EX.形成外科、脳外科、放射線腫瘍科、消化器外科等)
週間スケジュール
午前
午後
月 外来、病棟
外来手術
火 手術(2 列)
手術 カンファ
水 外来、病棟
回診 カンファ
木 手術、外来
手術、特殊検査
金 手術(2 列)
手術 カンファ
土 外来、病棟
シニアレジデント研修修了後の進路(具体的内容)
引き続き、科内での専門研修、他施設での研修、大学院での基礎研究、臨床研究
による学位取得、海外留学等、希望により相談に応じます。
学位取得について
希望者はシニアレジデント研修中、社会人大学院生として学位取得の道がありま
す。また、臨床データをまとめて、論文博士で取得も可能です。
留学の可能性
希望者には留学先を紹介いたします。
関連施設
一般耳鼻咽喉科研修先:
埼玉医科大学病院、総合医療センター、国立国際医療研究センター病院、など。
希望者には、がん研究センター中央病院、癌研有明病院での研修も可能です。
問い合わせ先
〒350-1298 埼玉県日高市山根 1397-1
埼玉医科大学国際医療センター 包括的がんセンター
頭頸部腫瘍科 菅澤 正(教 授)
TEL&FAX:042-984-4629
E-mail: