仕様書(PDF : 88KB) - 林野庁

平成28年度山地保全調査(水源森林保全調査・森林の融雪遅延効果に関する調査
(その2))
委託事業仕様書
1
件名
平成28年度山地保全調査(水源森林保全調査・森林の融雪遅延効果に関する調査(そ
の2))委託事業
2
事業目的
昨年8月に策定された農林水産省気候変動適応計画において、近年、積雪の減少、融
雪の早期化が予測され、渇水の発生リスク等が懸念されることから、森林の防災・減災
機能を活用した森林管理について検討を行うこととされた。
このことを受けて、平成27年度から、森林の状態が積雪及び融雪に及ぼす影響を定量
的に評価し、積雪地域の森林の整備及び保全のあり方を明らかにするための調査を行っ
ているところである。これまでの調査において、収量比数や開空度等と融雪遅延日数等
との間に一定の相関が見られ、その結果については、日射、風の遮断等が影響を及ぼし
ていることが示唆された。
このため、本事業では、積雪深、融雪量等の既存の調査項目に、日射量、風向等の気
象観測に関する項目を追加して調査を実施し、気象条件との関係を明らかにしつつ、森
林の状態が積雪及び融雪に及ぼす影響を定量的に評価することにより、積雪地域の森林
の整備及び保全のあり方を明らかにし、適応策の検討に資するものとする。
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事業内容
本事業では、平成28年度から平成29年度にかけて、積雪深、融雪量、日射量、風向等
を調査し、森林の状態や気象条件が積雪及び融雪に及ぼす影響を定量的に評価し、積雪
地域の森林の整備及び保全のあり方を明らかにすることとしており、平成28年度におい
ては以下の事項を実施する。
(1) 森林と積雪及び融雪の関係を定量的に評価するための調査
以下により、森林による融雪遅延効果等を評価するためのデータを取得し解析する。
なお、調査地、調査プロット、調査項目については、少雪時や現地の林分状況等を
踏まえ、変更する場合がある。
① 調査地(3地区)
調査地は、平成27年度に設定した以下の3地区とすること。
(ア) 群馬県みなかみ町藤原地内(宝川地区)
(イ) 新潟県十日町市赤坂地内
(ウ) 秋田県大館市長坂地内
②
調査プロット
調査プロットは、平成27年度に設定した15箇所(①の(ア)~(ウ)各5箇所)を原
則とするが、詳細な設置箇所及び箇所数については、林野庁担当者と相談するこ
と。
③
既存資料及び既往の観測データの取得・解析(3地区)
調査地周辺の河川流出量、気象要素(アメダス観測所、流域観測所等の記録)、
積雪深、降水量、積雪水量、積雪密度、気温、日射量、風向、風速等に関するデ
ータを取得し解析すること。
④
積雪及び融雪状況のデータの取得・解析
調査プロット毎にインターバルカメラにより積雪・融雪の推移を観測し解析す
ること。撮影の頻度は毎日(原則、7時~17時、1時間に1回)、消雪日まで計測
すること。
調査期間は積雪期から融雪期とするが、詳細な期間・頻度は林野庁担当者と相
談すること。
⑤
森林内の気象条件に関するデータの取得・解析
調査プロット毎に気温、日射量、風向、風速等の推移を観測し解析すること。
調査期間は積雪期から融雪期とするが、詳細な期間・頻度は林野庁担当者と相
談すること。
(2)
検討委員会の開催
本事業の目的を効果的かつ効率的に達成できるよう検討を行うため、下記事項につ
いて有識者5名以上からなる検討委員会を設置する。検討委員会は、本事業期間中に
2回程度開催する。
・ 気候変動に適応した積雪地域の森林の整備及び保全のあり方検討委員会
(3)
取りまとめ
事業2年目の平成29年度に、それまでの調査で得られた成果を用いて、積雪地域の
森林の整備及び保全のあり方を明らかにできるよう、事業1年目の平成28年度におい
ては、平成26年度から平成28年度までに実施した山地保全調査(水源森林保全調査)
及び本調査の結果から、森林の状態や気象条件が積雪及び融雪に及ぼす影響を定量的
に評価する。
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事業期間
委託契約締結日から平成29年3月24日(金)まで
5 成果品
(1) 納入物品
① 調査報告書
5部(A4版カラー200ページ程度)
② 電磁記録媒体(DVD-R)
5部
納入する電磁記録媒体については、ウイルスチェックを行い、ウイルスチェック
に関する情報(ウイルス対策ソフト名、定義ファイルのバージョン、チェック年月
日等)を記載したラベルを添付して提出する。
(2)
納入場所
林野庁森林整備部治山課水源地治山対策室(本館7階ドアNo.本769)
6 その他
(1) 受託者は、本事業の進行状況等を毎月1回以上(月末まで)報告するほか、林野庁
担当者の求めに応じて報告を行うこと。
(2) 林野庁担当者は、本事業の進行状況に対して事業の目的を達成するため必要な指示
ができるものとし、受託者はこの指示に従うこと。
(3) 受託者は、本事業の実施に当たって再委託を行う場合には、事前に支出負担行為担
当官林野庁長官に承認を得ること。
(4) 受託者は、本事業により知り得た情報については、契約期間中はもとより、契約期間
終了後においても外部に漏らしてはならないこと。
(5) 林野庁担当者と受託者は、本事業の目的を達成するため、本仕様書に明示されてい
ない事項で必要な作業が生じたときは協議を行うこと。
(6) 林野庁担当者は、受託者の申し出により、過年度の調査報告書(観測データ等を含
む)及び平成28年度の検討委員会資料を参考として貸与すること。