計算理論 初回の演習問題(定義や図の番号は配布資料のものを指します) 問 0.1 次の問題 L8 ,L9 を解く有限状態機械をそれぞれ作れ.図 6.4 の L3 を解く機械 4 が参考になるかもしれない. { L8 (x) = 真 偽 真 L9 (x) = x に現れる b の個数が奇数であるとき そうでないとき x に現れる a の個数が 3 の倍数かつ b の個数が奇数であるとき 偽 そうでないとき 問 0.2 6.1.2 項末の問題 L5 を解く有限状態機械が存在しないことを示せ. 4 問 0.3 定理 6.3 の問題 L4 を解くチューリング機械を作れ. 4 問 0.4 6.3.1 項で,L5 は O(n2 ) 時間で解けるが,更に工夫をすれば O(n log n) 時間でも 7 解けると述べた.どうすればよいか. 問 0.5 2+2 6.1.3 項や 6.2.2 項で,機械の定義を少し変えても問題を解く能力が変わらないと 述べた.それを証明するには,任意の問題 L に対し,一方の定義の下で L を解く機械が あるならば,他方の定義の下でも L を解く機械が作れることを示すことになる.そのよ うな証明を簡単な場合について考えてみよう. (1)定義 6.4 や定義 6.6 ではテープ上の位置を各時刻に左か右へ動かすものとしてい た.その場に留まることを許しても変わらないことを示せ. (2)定義 6.4 や定義 6.6 では機械は入力文字列の左端から動作を始めるとしていた.右 端から始めるとしても変わらないことを示せ. 問 0.6 2+2+4 定理 6.5 を示そう.両方向有限状態機械 M が問題 L を解くとする.ただし前問 (2)を使い,M は入力文字列の右端から動作を開始するものとしておく.定義 6.4 と同様 に,M の状態集合を Q,そのうち受理状態 q受理 と拒否状態 q拒否 を除いたものを Q− ,文 字集合(空白以外)を Σ とする.Σ 上の文字列 x と状態 q ∈ Q− とに対し,[x](q) を次 で定める.x をテープ上に置いてその右端の位置で状態 q から M を動かし始めると,や がて x の右端よりも右を • 訪れるならば,その初めて訪れる時点での状態を [x](q) とする. • 訪れることなく受理する場合,[x](q) = q受理 . • 訪れることなく拒否する場合,[x](q) = q拒否 . • 訪れることも終了することもない場合,[x](q) = ⊥. 1 つまり [x] は Q− から Q ∪ {⊥} への函数である. (1)Σ の文字からなる文字列 x,x′ がもし [x] = [x′ ] を満すならば,Σ の任意の文字 σ について,[xσ] = [x′ σ] が成り立つ.何故か. (2)Σ の文字からなる文字列 x,x′ がもし [x] = [x′ ] を満すならば,M が x を受理す るか否かと x′ を受理するか否かは一致する.何故か. (3)定義 6.1 の有限状態機械であって L を解くものを作れ.Q− から Q ∪ {⊥} への函 数一つ一つを状態とするとよい(そのような函数は有限通りしかない).遷移規則 や始状態,受理状態集合をどのように定めたらよいか. 問 0.7 配布した原稿(これはウェブには載せず,答案返却箱に何部か置いておきます) 1+… の誤りや改善点などを見つけて下さい(誤字脱字など軽微なものでよい).誤り一つごと に,最初に見つけた人に 1 点. 2
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