校長だより第 47 号 平成 28 年 10 月 11 日 生物生産科の異年齢交流活動 農業の科目には、農業生物や地域資源の特性を活用した対人サービスに関する科目である「生物活 用」と「グリーンライフ」で構成されるヒューマンサービス分野があります。これらの科目は交流活 動を目的とした科目ですので、実際的・体験的な学習を重視し、実践力を体得させる観点から、実習 や交流を通して園芸活動がもたらす効用について生徒が理解し、人の発達段階やニーズに合わせて園 芸作物を有効に活用する実践力が育つように教員は留意しながら、交流対象者の安全や健康などにつ いて十分配慮し実践していくことが必要です。 生物生産科 3 年で「生物活用」を履修している生徒 24 名とまつばら保育園様とで、この 1 年野菜 の栽培、管理を通した交流体験を行ってきました。今日がその最終回でサツマイモの収穫を行ったよ うでしたが、私はその実施時間にお客さんがあり、現場を見に行けませんでした。お客さんが帰られ てすぐに農場長から「校長先生、うちの生徒が保育園児からメダルをもらっています。 」と電話があ り、カメラを片手に農場に向かうと、生徒の首には手作りのメダルがかけられていました。 今年度生物生産科 3 年生が実施した(している)異年齢の交流活動には、今日の野菜作りをはじ め、田植え・稲刈り、ハイドロカルチャーの作成、収穫祭での植物バイオ体験などそれぞれのコース で何らかの交流活動を実施しています。 高校生が、このような異年齢の交流活動において、 「人と関わることが好き」 「人と関わることは楽 しい」 「自分から他の人に働きかけられる」 「自分は他の人の役に立っている」等の自信や誇り等を獲 得することが、こうした活動の目的であり、社会性の向上や地域のつながりを深める意味でも効果的 な取組だろうと思っています。このような活動は、教師が育てるというよりも、生徒が育つ活動にな るのでしょう。 今回のまつばら保育園様との交流を通して、グループワークによって協力しながら実習が行える生 徒の育成を目指し、園児に対して野菜の定植・収穫など管理の説明が工夫して実施できるという生徒 の育成を目指しています。このことが体系的な知識と技術の習得と、園芸作物を有効に活用できる実 践的な力を身につけることにつながっていくものです。 園児は「ありがとう」と大きな声で生徒に向かっていっていました。これらの交流を通して、この 「ありがとう」という言葉が、誰かの役に立つことを実感でき、生徒にとっては充実感が得られる瞬 間だろうと思います。これは、ボランティア活動にも通じているものなのでしょう。
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