「神奈川県科学技術政策大綱骨子案」に つ い て ご 意 見 を お 寄 せ く だ

神奈川県
政策局政策部総合政策課
「神奈川県科学技術政策大綱骨子案」に
つ い て ご 意 見 を お 寄 せ く だ さ い
県では、県のめざす姿を科学技術の面から支える「神奈川県科学技術政策大綱」
を策定し、科学技術政策に取り組んでいます。
このたび、現在の科学技術政策大綱の計画期間が終了することから、ICTやグ
ローバル化の進展などの科学技術をとりまく環境の変化を踏まえ、新たな科学技術
政策大綱を策定することとしました。
10月14日(金)から、新たな「神奈川県科学技術政策大綱骨子案」を、県ホ
ームページで公開するとともに、県政情報センター等に配架し、県民の皆様からの
ご意見・ご提案を募集します。
ご 意 見 の 提 出 方法
◆ 意 見募集 期間
平成28年10月14日(金)∼平成28年11月14日(月)
◆ 提 出方法
ご意見・ご提案は、次のいずれかの方法でお寄せください。なお、(2)または(3)の
方法により提出する場合は、骨子案に添付の「ご意見記入用紙」をご利用いただけます。
(1)県のホームページ(フォームメール)
https://cgi.pref.kanagawa.jp/ques/questionnaire.php?openid=2000002014
※
フォームメールとは、上記ホームページの画面上でご意見を入力していただき、
県にお送りいただくことができる仕組みです。
(2)ファクシミリ
045−210−8896
(3)郵送
〒231−8588 (住所の記載は不要です。)
神奈川県 総合政策課 科学技術グループ 宛
※ 意見募集期間最終日の消印があるものを有効とします。
◆ ご 意見へ の対 応
意見募集の結果については、お寄せいただいたご意見をとりまとめ、県の考え方を整理
した上で公表する予定です。(個別のご意見に対する回答はいたしませんので、ご了承く
ださい。)
(問合せ先)
神奈川県
政策局
総合政策課
電
政策部
科学技術グループ
話
045−210−3071
ファクシミリ
045−210−8896
神奈川県科学技術政策大綱骨子案
神
奈
川
県
目
はじめに
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
第1章 基本目標及び計画期間
1 基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 計画期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
2
第2章 県の役割と施策の基本的な方向
1 県の役割 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 地域社会への貢献
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2) 国内外への発信
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 施策の基本的な方向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 「経済のエンジンを回す」科学技術活動の展開 ・・・・・・・・・
(2) 安全・安心の確保など生活の質の向上を実現する科学技術活動の展開
・・・・・・・・・
(3) イノベーション創出を担う人材の育成と科学技術の情報発信 ・・・
第3章 県試験研究機関等の活動
1 重点的な研究活動の展開 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 基本原則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2) 重点研究目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 各機関の活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1) 県試験研究機関の活動 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2) 地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所の活動 ・・・・・
第4章
施策例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
3
3
4
4
4
5
6
6
6
7
7
7
(今後検討)
第5章 施策の展開にあたって
1 研究機関や他の自治体、国等との連携とネットワークの構築 ・・・・
2 ICTなどの活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3 施策の進行管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
9
9
■ はじめに
【科学技術とは】
科学技術は、人々の生活に豊かさをもたらし、新産業の創出など経済の発展を促
すとともに、地球環境問題や健康、福祉など、人類の直面する多様な課題の克服に
貢献するための手段となるものです。
【これまでの取組み】
本県は、1990(平成2)年に、全国に先駆けて、科学技術政策の基本的な方向を示
す「神奈川県科学技術政策大綱」を策定し、これまで4度の改定を行いながら、県
試験研究機関(注)や公益財団法人神奈川科学技術アカデミー(KAST)を中心に、
総合的・計画的に科学技術政策に取り組んできました。
現在の「神奈川県科学技術政策大綱」は、2012(平成24)年に策定し、県の政策
に沿った重点研究目標を設定し、特区を活用した研究開発や実用化支援、科学技術
に基づく情報の発信などの成果をあげてきました。
【社会環境の変化と県の政策】
現在、超高齢・人口減少社会の到来、地震や火山など自然災害への不安の高まり、
地球温暖化の進行、グローバル化や情報通信技術(ICT)の急激な進化など、社
会経済の環境は、日々大きく変化しています。
こうした状況のもと、本県では、健康寿命日本一や新たな市場・産業の創出を目
指す「ヘルスケア・ニューフロンティア」をはじめ、分散型エネルギーシステムの
構築によるエネルギーの安定供給と関連産業の振興を図る「かながわスマートエネ
ルギー計画」や、「さがみロボット産業特区」を中心として分野横断的に幅広くロ
ボットの実用化や普及・活用の取組みなどを進めています。また、健康寿命が伸び
る中で、県民一人ひとりが100歳をひとつのゴールとし、そこから逆算して人生の
設計図を描いていく「人生100歳時代の設計図」という考え方を提起し、取組みを
進めています。
【策定の趣旨】
将来にわたり、社会が持続的に発展していくためには、より効果的に科学技術の
成果を生み出すとともに、イノベーション創出や科学的な根拠に基づく情報発信な
ど科学技術の成果を産業や県民生活に結びつける活動を、さらに強化していくこと
が求められています。国においても、社会環境の変化などを踏まえて、平成28年1
月22日に「第5期科学技術基本計画」が策定されました。
そこで、県の総合計画である「かながわグランドデザイン」に掲げる「いのち輝
くマグネット神奈川」の実現を科学技術の面から支えるため、社会環境の変化や国
の科学技術政策の動向などを踏まえ、「神奈川県科学技術政策大綱」を策定します。
(注) 県試験研究機関…①温泉地学研究所、②環境科学センター、③自然環境保全センター、④農
業技術センター、⑤畜産技術センター、⑥水産技術センター、⑦衛生研究所、⑧産業技術セ
ンター(2017(平成29)年4月に、KASTと統合し、地方独立行政法人神奈川県立産業技
術総合研究所に移行)の8機関をいいます。
1
第1章
基本目標及び計画期間
■ 第1章
1
基本目標及び計画期間
基本目標
本県の人口は、2018(平成30)年をピークに減少に転じることが見込まれておりま
すが、人口減少社会では、経済規模の減少など、社会に様々な影響が生じることが
懸念されています。また、グローバルな環境においては、ICTの急激な進化によ
り、新たなビジネスや市場が生まれ、人々の働き方やライフスタイルにも変化が起
こり始めています。
こうした中で、科学技術によって、新しい価値を創造し、産業競争力を高めるイ
ノベーションを創出することや、人々が安全に安心して暮らせる環境を創りだすこ
とが期待されています。また、この期待に応えるためには、イノベーション創出を
担う人材を継続的に輩出する必要があります。
そこで、知的資源の集積や活発な産業活動などの本県の特徴及び社会環境の変化
などを踏まえるとともに、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を図るため、目
指すべき神奈川の将来の科学技術の姿を、基本目標として次のとおり掲げ、人や企
業を引きつける魅力あふれる神奈川を目指していきます。
基 本 目 標
目標1
「経済のエンジンを回す」ことによる地域経済の活性化
これまでに蓄積された「知」を生かすとともに、共同研究など産学公の連携を図
り、オープンイノベーションにより新たな「知」を生み出すことで、神奈川からイ
ノベーションを創出し、地域経済を活性化させる取組みを推進します。
目標2
県民生活の質の向上の実現
誰もが健康で長生きできる社会の実現や自然災害への対応など、安全・安心でよ
り良い生活環境づくりの実現や県民生活の質の向上のための課題解決に寄与する取
組みを推進します。
目標3
イノベーション創出を担う人材の輩出
県民のニーズに応える情報発信を積極的に行い、科学技術に対する興味・関心の
さらなる喚起を図るとともに、イノベーション創出を担う人材の育成を推進しま
す。
2
計画期間
2017(平成29)年度∼2021(平成33)年度(5年間)
2
第2章
■ 第2章
1
県の役割と施策の基本的な方向
県の役割と施策の基本的な方向
県の役割
「基本目標」(第1章)を実現するために、県は、国や市町村、大学、企業、
研究機関、その他国内外の関連機関などと連携しながら、次の役割を担います。
(1)地域社会への貢献
○
「科学技術」と「産業」との間をつなぐ
県は、地域経済全体の活力を高めていくため、科学技術の成果を地域産業
の振興に結びつける役割を担います。
・ 製品化・実用化につなげる
・ 市場展開につなげる
・ 研究者・技術者等の育成
など
○
「科学技術」と「県民生活」との間をつなぐ
県は、より良い生活環境づくりのため、科学技術の成果が、社会や県民生
活の様々な場面で活用されていくよう促す役割を担います。
・ 県民生活の質の向上につなげる
・ 県民ニーズに応える情報発信
など
(2)国内外への発信
県は、わが国トップクラスの知的資源及び産業の集積を生かし、神奈川発の
知の発信などを行うことで、国全体、ひいては世界の科学技術に貢献していき
ます。
・ 神奈川発の有望な研究シーズの展開
・ 次世代の科学技術を担う人材の育成 など
3
第2章
2
県の役割と施策の基本的な方向
施策の基本的な方向
(1)「経済のエンジンを回す」科学技術活動の展開
ア
知的創造活動の展開と産学公連携による共同研究の推進
県内からのイノベーション創出に向け、県試験研究機関と地方独立行政法人
神奈川県立産業技術総合研究所(以下「県試験研究機関等」という。)が中心
的な役割を担い、大学や企業、研究機関等と連携した知的財産の創造及び活用
を促進するとともに、産学公連携による共同研究などを推進します。
イ
中小企業支援などによる研究成果の産業への活用
県内企業の技術力の向上や知的財産を生かした競争力強化のため、研究開発
や技術移転、製品化等に関する支援を行います。また、第一次産業に対して
は、品種及び生産技術の開発・改良等の研究・導入支援を行います。
ウ
市場展開を見据えた産業支援
新しい技術を活用した製品等が、円滑に市場へ流通・普及できるようにする
ため、製品等の性能評価や試験計測、商品開発支援など、市場展開を見据えた
取組みを推進します。
エ
成長産業の創出・育成支援に向けた研究成果の展開
国家戦略特区などの特区(注)を活用した産学公の連携による研究成果の実用化
などにより、最先端医療、未病、ロボット、エネルギー産業など成長産業の創
出・育成を推進します。
(2)安全・安心の確保など生活の質の向上を実現する科学技術活動の
展開
ア
健康長寿社会実現に寄与する科学技術活動の展開
健康長寿社会の実現のため、生活支援ロボットなど超高齢社会に対応した医
療・福祉技術や食の機能性・安全性技術などの開発を推進します。また、研究成
果の社会への活用を図るとともに、未病の科学的なエビデンスの確立や県民の
健康に寄与する検査・モニタリング活動に取り組みます。
イ
自然災害等へ対応する研究・モニタリング活動の推進
自然災害の原因となる地震や火山の活動に対する調査・研究や災害対応ロボ
ットなどを活用した防災力の強化に向けた活動、放射線等のモニタリング活動
などに取り組みます。
(注)県では、現在、「国家戦略特区(東京圏)」、「京浜臨海部ライフイノベーション国際戦
略総合特区」、「さがみロボット産業特区」の3つの特区の指定を受けています。
4
第2章
ウ
県の役割と施策の基本的な方向
自然・生活環境の保全など県民生活につなげる活動の推進
自然環境の保全・再生に向けた活動や大気・水質等の生活環境の保全に向け
た研究、モニタリング活動を行います。また、生活に関わる様々な分野で、こ
れまでに蓄積したデータや科学的な知見を生かし、研究成果を県民生活につな
げていきます。
(3)イノベーション創出を担う人材の育成と科学技術の情報発信
ア
イノベーションを生み出す人材の育成
神奈川の知的資源や産業の集積をさらに促すよう、起業家や革新的な研究
者、アイディアを創出する技術者などイノベーション創出を担う人材を継続的
に育成するため、企業の研究者や技術者、大学院生などを対象とした先端的か
つ高度な教育講座の実施やシニア人材の起業支援、次代を担う理工系人材の育
成に向けた取組みなどを推進します。
イ 子どもたちの科学技術に対する興味・関心の喚起
次代の科学技術を担う人材を育成するため、子どもたちや子どもたちを支え
る家族などに対して、様々な機関と連携しながら科学技術に触れる多様な機会
を提供することで、子どもたちの創造性・探究心・主体性・チャレンジ精神を
育み、科学やものづくりに対する興味・関心を高めていきます。
ウ
科学技術に係る活動等の情報発信
県民が科学技術に裏付けられた情報をもとに、生活を送ることができるよ
う、科学技術に係る活動やその成果について、多様な発信手法や媒体を活用
し、県民ニーズに応える情報を正確にかつ積極的に発信するとともに、対話型
の科学技術活動など研究者と県民をつなぐ双方向のコミュニケーション活動を
積極的に推進します。
○
ヘルスケア・ニューフロンティア
「最先端医療・最新技術の追求」と
「未病(ME-BYO)(注)の改善」の
2つのアプローチを融合させた取組
みを進めることで、健康寿命の延伸
と新たな市場・産業の創出を目指す
神奈川の新たな政策を展開していま
す。
(注) 「未病(ME-BYO)」とは、健康と病気を2つの明確に分けられる概念として捉え
るのではなく、心身の状態は健康と病気の間を連続的に変化するものと捉え、このすべ
ての変化の過程を表す概念です。
5
第3章
県試験研究機関等の活動
■ 第3章
1
県試験研究機関等の活動
重点的な研究活動の展開
県試験研究機関等において、それぞれの目的に沿った研究を推進しながら、将
来のイノベーション創出のための研究シーズの発掘に努めるとともに、大学や企
業、研究機関等との連携を図りながら、新たな高付加価値産業の創出や異分野間
の連携も視野に入れ、次のような重点的な研究活動を展開していきます。
2017(平成29)年4月に、産業技術センターとKASTを統合して、地方独立
行政法人神奈川県立産業技術総合研究所を設立し、イノベーション創出に向けた
取組みを強化します。
(1)基本原則
ア
県の政策の方向性に沿った研究
より効果的に科学技術の成果を生み出していくために、選択と集中の観点を
踏まえ、県の政策の方向性と合致するかという視点により研究を推進します。
イ
研究シーズだけではなく、産業や県民生活のニーズに基づいた研究
科学技術の成果が社会に活用されるため、県の研究活動を研究シーズからだ
け捉えるのではなく、消費者・最終使用者などの視点からも捉え、産業や県民
生活のニーズ・課題解決に基づく研究を推進します。
(2)重点研究目標
産業や県民生活のニーズに着目し、県内経済の活性化が求められていること
や、県民の自然災害への関心の高まりを踏まえ、次の2つを重点研究目標に設
定します。
重 点 研 究 目 標
目標1
成長産業を創出・育成するための技術の向上に資する研究(最先端医
療、未病、ロボット、エネルギー等)
目標2
自然災害へ対応するための技術やシステムの向上に資する研究(防
災、減災等)
6
第3章
県試験研究機関等の活動
2 各機関の活動
県試験研究機関等は、「基本目標」を実現するために、次のような活動を展
開していきます。
(1)県試験研究機関の活動
県試験研究機関は、若手をはじめとする研究職員の育成に取り組むとともに、
シーズ探求型の研究を実施し、研究機能の強化を図り、地域課題の把握や解決
に向けた研究やモニタリング・普及・実証活動などを行います。
また、県民に開かれた機関として、継続的な情報発信や情報共有に係る活動
などを行いながら、産業や県民生活に貢献していく活動を推進します。
(2)地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所の活動
地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所は、神奈川発のイノベーシ
ョン創出を支援するため、基礎研究(産業につながることを明確に想定したもの)
から事業化までの一貫支援を行う「研究開発」「技術支援」「事業化支援」の3
つの柱で事業を推進します。
また、中小企業等の研究開発力の向上を図る「人材育成」や、産業技術総合
研究所が持つネットワークを活用した大学と企業とのコーディネートなどを行う
「連携交流」に取り組みます。
【図】県試験研究機関等における連携イメージ
「いのち輝くマグネット神奈川」の実現
イノベーションの創出
県試験研究機関
衛研
環境科学C
水技C
県立産業
技術総合
研究所
自環保C
温地研
農技C
連
携
共同研究
大学
研究機関
企業
畜技C
※「第4章 施策例」については、今回示した基本目標や県の役割等に対するご意見等を踏
まえ、内容の検討を行います。
7
第5章
施策の展開にあたって
■ 第5章
施策の展開にあたって
「神奈川県科学技術政策大綱」に基づき施策を進めるにあたっては、次の点に
留意していきます。
1
研究機関や他の自治体、国等との連携とネットワークの構築
○
本県が取り組む科学技術の活動が、より効果を発揮し、成果が社会に実装さ
れるため、大学や企業、研究機関等との連携を図り、ネットワークの形成や地
域におけるオープンイノベーションの推進に取り組むとともに、インキュベー
ト機関も活用し、研究活動の発展や事業化・起業化を促進していきます。
○
地域づくりに知的財産を生かすため、知的財産の活用を促進する産学公連携
活動の更なる活発化を促していきます。また、地域外に対しても、知的財産を
活用して、神奈川発の研究シーズを発信していきます。
○
県内各地で展開されている産学公連携活動や、小・中学校における子どもたち
の「理科離れ」対策などにおいては、市町村の役割が重要であることから、市
町村と相互に連携・協調しながら取組みを進めていきます。また、政令指定都
市である横浜市、川崎市及び相模原市においては、科学技術活動が活発に行わ
れていることから、密に連携を取り、施策がより効果を発揮するよう努めてい
きます。
○
本県の豊富な知的資源と産業力を活用し、先導的な技術開発などに積極的に
取り組み、その成果を広く展開するとともに、革新的なイノベーションを創出
するシステム構築のため、他の都道府県との間でも、それぞれの特徴を生かし、
互いに補完しあう広域的な連携体制の構築を目指していきます。
○
国の施策が県内で実施されるよう努めるとともに、そこで形成される知的集
積を産学公連携活動などで活用し、その成果を産業・県民生活につなげていき
ます。また、研究活動や成果の展開にあたっては、国等の競争的資金や金融機
関との連携、多様なファンドを活用していきます。
○
本県の特に強みのある研究シーズについては、国内外の「知」を活用しなが
ら、世界市場を見据え、グローバル化を意識した研究を推進するとともに、研
究成果について国際標準化や市場獲得など国際展開を図っていきます。国際展
開にあたっては、海外にパートナーを見つけるとともに、国際的なポジショニ
ングを認識し、どの地域がマーケットになり得るかなどを把握するよう努めて
いきます。
8
第5章
2
施策の展開にあたって
ICTなどの活用
○
各施策を推進するにあたっては、ICTを最大限活用していきます。また、
これまでICTが活用されてこなかった分野への導入や、ものづくり分野のデ
ジタル化の技術的な支援を実施していきます。
○
日本に世界が経験したことのない超高齢社会が到来し、今後は「生涯現役」
であり続ける、これまでとは異なった社会モデルの構築が必要となってきます。
そのため、国の第5期科学技術基本計画において、サイバー空間とフィジカル
空間(現実世界)が高度に融合した「超スマート社会」の実現を掲げ、その一
連の取組みを「Society 5.0」と名付け、強力に推進することとしています。
○
本県においては、神奈川の強みを生かして、ロボットをはじめとした基盤技
術の開発・実用化、IoT(Internet of Things)やビッグデータ解析、IC
Tを活用した健康増進(IoHH(Internet of Human Health))などをとり
入れた施策などを展開するとともに、ICTやAIなどを活用した最先端の科
学技術によって社会基盤を支える仕組みづくりなどを検討していきます。
3
施策の進行管理
○
施策の着実な推進を図るため、外部の有識者により構成される神奈川県科学
技術会議に、施策の進捗状況を定期的に報告し、課題の整理やその解決に向け
た方策について助言をいただき、施策の推進に生かします。また、施策の具体
的な展開にあたっては、有識者や様々な団体から意見をいただき、その反映に
努めていきます。
○
施策の進捗状況を把握し、改善に結びつけるため、次の指標を定め、定量的
に把握することとします。ただし、指標は科学技術政策全体を俯瞰するために
把握するものであり、個々の施策や各機関の活動等の評価には活用しません。
※指標の項目については、今後検討を行います。
9
第5章
施策の展開にあたって
○
県試験研究機関が、より効果的な事業を展開し、県民からの信頼及び支持を
さらに高めていくため、定期的に科学技術会議に対し、各機関の取組みを報告
し、その内容を公表していきます。
○
主要な研究活動については、着実な研究成果が出るよう、その進行段階に合
わせた評価を実施していきます。
○
神奈川県の研究成果例
【果樹のジョイント栽培法】
農業技術センターでは、隣の樹木と接木し、直線状の1
本の樹のように仕立てる栽培方法を考案しました。この栽
培方法は、早期多収が可能で、従来の栽培法に比べて大幅
に作業の省力化ができるため、全国に普及しています。
(ジョイント栽培法)
【新たな発がん性評価試験法】
衛生研究所では、化学物質の発がん促進作用を予測する高感度な試験法を開発し、経
済協力開発機構(OECD)から 2016(平成 28)年1月に、使用を推奨する「ガイダ
ンス化」の認定を受けました。現在は国際標準化に向けた取組みを進めています。
10