全国老施協発第 1275 号 平成 28 年 10 月 4 日 会 員 各 位 公益社団

全国老施協発第 1275 号
平 成 28 年 10 月 4 日
会 員 各 位
公益社団法人全国老人福祉施設協議会
会
長
石
川
憲
( 公 印 省 略 )
軽費老人ホーム・ケアハウスにおける適切な財源確保について(お願い)
時下、ますますご清祥のこととお慶び申しあげます。
軽費老人ホーム・ケアハウス(以下、軽費という)においては、いわゆる三位一体
の改革平成 16 年度に事務費補助金の一般財源化がなされています。結果、自治体財
政の悪化を理由に軽費の各種加算の削減等が散見されており、その経営基盤を脅かす
に至っています。
また、地域介護・福祉空間整備等交付金についても、平成 18 年度以降一般財源化
されたために、軽費については大規模修繕等が必要となる年数に差し掛かっている一
方で、設立年における自己資金比率等との兼ね合いから、実質的に大規模修繕等に充
てる原資に乏しい実態があります。
これら一般財源に関しては、標準の地方自治体において必要とされる行政経費をも
とに、必要な額が交付されている整理ではありますが、こうした額の算定にあたって
は、地方公共団体が総務大臣に対し意見の申出ができる仕組み(地方公共団体の意見
申出制度(交付税法第 17 条の4))が存在しています。
統治権・財源が中央政府から地方政府に移管されている地方分権を勘案し、別紙の
内容を参照いただき、貴職におかれましては、各地方公共団体に対して交付税法第 17
条の4に基づく“地方公共団体の意見申出”を行うことを要請いただきますよう、お
願い申しあげます。
なお、当該意見申出制度については、毎年9月頃と年度末頃に募集されるため、時
宜に応じ、対応いただきますよう、お願い申しあげます。
〔連絡先〕
公益社団法人全国老人福祉施設協議会
介護保険事業等経営委員会
軽費老人ホーム・ケアハウス部会
(村上・忽那・岩井)
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-1
塩崎ビル7階
TEL 03-5211-7700
FAX 03-5211-7705
E-mail:[email protected]
(別紙)
各自治体に対して、意見申出を促す文書(例)
○発○○号
○年○月○日
○○
○○
都道府県名等
殿
所属長名
○○
所属
○○ 印
軽費老人ホーム・ケアハウスに関連する基準財政需要額の算定にあたり、交付税法
第 17 条の4に基づく総務大臣への意見申出について(要望)
みだしのことについて、以下のとおり要望する。
一. 軽費老人ホーム・ケアハウスにおける単位費用の見直し
1) 事務費補助金分について
○ 軽費老人ホーム・ケアハウスの事務費における単位費用及び測定単位に関し
て、後期高齢者医療制度以外の高齢者保健福祉に係る経費一般の高齢者保健
福祉費については、「65 歳以上人口」とされている。一方、軽費老人ホーム
の入居者は、「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」第十三条第二項
において、「60 歳以上の者」とされており、軽費老人ホームについては、60
歳以上 65 歳未満の事務費補助金分の配分額の上乗せを検討されたい。
○ 消費税増税に伴う配分額の上乗せについて、速やかに対応されたい。
2) 新たな単位費用としてみるべき項目について
○ 軽費老人ホームにおける民間施設給与等改善費については、施設に従事する
職員等の勤続を促す観点から重要な加算である。介護保険においては介護職
員処遇改善加算において介護職員の処遇の向上が図られているところである
が、軽費老人ホームに従事する職員に対してはこうした処遇への手当がない
ことに鑑み、軽費老人ホームにおける民間施設給与等改善費を単位費用額と
して盛り込むこととされたい。
二. 軽費老人ホーム・ケアハウスへの包括算定経費の増額見直し
○ 地域福祉の増進の担い手である老人福祉施設でありながら、その経営基盤は
脆弱であり、現状では全国の軽費老人ホーム・ケアハウスの4割が赤字経営
となっている。(平成 26 年度軽費老人ホーム収支状況等調査 全国老施協)
○ 軽費老人ホーム・ケアハウスの制度創設当初は、施設整備補助金の交付が断
続的に続くことを念頭にした制度・会計となっている。「国による福祉」とし
ての責務を果たすうえで、当該補助金相当分が、従前同様補助されている仕
組みを構築することによって、施設運営の継続性を担保すべきである。
○ 従って、施設・設備の老朽化等に対応するための修繕、改修、建替えに要す
る額について適正な額を算定したうえで、包括算定経費の増額、あるいは別
途緊急の交付金等の設定において対応されたい。
以上