授業改善推進プラン 教科ごとの改善プラン <小学校社会科> 社会科における昨年度の授業改善推進プランの検証 取り組みにおける成果と課題 ・知識・理解を定着させるために、基礎的な言葉を覚えさせるだけでなく、その意味や背景も含めて理解させた。そのた め身近に見られない事象や複雑な仕組み、抽象的な概念については丁寧な指導を心がけ、知識を定着する指導 の工夫として授業でワークシートの工夫をしたり、単元に限らず基礎的な言葉について繰り返し学習したりした。その 成果として「社会的事象についての知識・理解」は全学年でほぼ同等か上回ることができた。 ・資料活用能力を高める指導を充実させるために、複数の資料を関連付けて考え記述できるようにするために、一つの 社会事象について、複数の資料を読み取らせて、関連付けてとらえさせることを授業の中で意識的に取り組んだ。そ の成果として「観察・資料活用の技能」は、期待正答率と比べて5年と6年は上回ることができた。 ・考える力や表現する力を育てる指導の充実を図り、文章で表現させることを繰り返し行い、上手な表現を児童に発 表させたり、教師が意図的に取り上げたりすることで、よりよい表現の仕方を身に付けさせていった。「調べてわかったこ と」「そこから自分が考えたこと・感じたこと」を分けて文章に表現させ、事実と意見を分けるように意識付けていく指導 を行った。その成果として「社会的な思考・判断・表現」は、期待正答率と比べて5年と6年は上回ることができた。 社会科における調査結果の分析 ・ 内 容 別 結 果 の 分 析 4年生は、期待正答率をほとんどの領域で下回った。「市の様子」「買い物調べ」「昔のくらしの様子」「工場 の仕事」は、目標値との差が 1 ポイント以内でありおおむね期待正答率と同等であった。「学校のまわりの様 子」「店ではたらく人」は、苦手な領域である。 ・ 5年生は、全領域で期待正答率を上回った。特に「先人の働き」の領域は、大幅に期待正答率を上回る ことができた。細かくみると「安全なくらし」の火事の内容は、目標値より下回っている。 ・ 6年生は、おおむね期待正答率を上回る設問が多かった。「国土の自然などの様子」「農業や水産業」「情 報産業や情報化社会」は期待正答率を上回った。しかし「工業生産」は下回った。 観 点 別 結 果 の 分 析 ・ 「社会的事象への関心・意欲・態度」は、全学年期待正答率を上回るか、おおむね同程度であった。 ・ 「社会的な思考・判断・表現」は、どの学年も期待正答率を上回るか、おおむね同程度であった。6年生は 5ポイント近く上回っている。 ・ 「観察・資料活用の技能」は、期待正答率を上回っている学年が多い。5年生は5ポイント近く上回ってい る。 ・ 「社会的事象についての知識・理解」は、期待正答率を上回っている学年が多い。期待正答率を下回っ ている学年もあるが、おおむね同程度といえる範囲であった。 調査結果に基づいた授業改善のポイント 1 知識・理解の定着 →社会的事象について、言葉の意味やその背景を理解させるために、具体的に理解しやすく指導していく。そのため 身近に見られない事象や複雑な仕組みのもの、抽象的な概念については、具体物や写真となど視覚的な資料 を用意したり、具体例を挙げるなどして身近に感じられるように指導を心がけたりする。知識を定着するため、授業 でワークシートを活用したり、基礎的な言葉については繰り返して学習したりする。まとめの場面で、用語やキーワ ードを用いてまとめさせるようにする。 2 資料活用能力を高める指導の充実 →写真やグラフ、各種資料の読み取りをていねいに行い、その上で複数の資料から分かることを関連づけて考えるこ とを授業の中で意識的に取り組む。 3 考える力や表現する力を育てる指導の充実 →文章で表現することを繰り返し行い、考えをもつことに自信がもてるようにする。その上で「どのようになっているか」 「どのようにしているのか」をとらえさせるとともに、「どうして」「なぜ」「なんのために」と考えていかれるように授業展開を 工夫する。 社会科の授業改善策 1 知識・理解の定着 ○中学年・・・課題解決型の学習を通して、用語・語句のレベルの知識をわかりやすく指導する。その際、その言葉の意 味やその背景が理解できるように心がける。地図の読み取りは、繰り返し指導を行うことで定着する内 容であるので、意識的に地図の読みとりを取り上げていく。地図記号・都道府県名は、繰り返し指導を していく。 ○高学年・・・基礎的な用語・語句については、繰り返し指導をしたり、まとめの場面で用いたりして、キーワードとして重 点的に指導する。また、米作りの作業内容、自動車の製作工程、太平洋ベルトについて、日本の貿易 相手国、歴史的重要人物については、フラッシュカードや白地図、小テスト等を活用し、繰り返し学習 に取り組む。 2 資料活用能力を高める指導の充実 ○中学年・・・一つ一つの資料の読み取り方の指導を丁寧に行う。そのグラフから何を読み取るか視点を与え、資料の 読み取り方の基礎を定着させる。地図帳を活用できるように、使い方を繰り返し指導する。 ○高学年・・・中学年に引き続き基礎的な読み取り方を一人一人定着させた上で、複数の資料から読み取ったことを 関連付けて考えさせ、自分で関連付けができるようにする。 3 考える力や表現する力を育てる指導の充実 ○中学年・・・学習感想やまとめを書くことを多くして習慣化させ、自分の考えを書いたり、キーワードを用いてまとめを書 いたりできるようにする。どのような視点で書くのか明確にした上で表現させるようにする。 ○高学年・・・事実と意見を分けて書くように指導する。「どのようになっているか」「どのようにしているのか」をとらえさせ、そ の上で抵抗感が少なくなるように工夫して「どうして」「なぜ」「なんのために」と考えていけるように指導を行 っていく。 4 体験学習や調べ学習を取り入れる ○中学年・・・身近に感じられるように、実際に体験したり見学したりする学習をできるだけ取り入れる。体験的な学習 の中で、調べ方を身に付けさせたり、社会的事象を抽象的に考えたりできるようにする。 ○高学年・・・意図的に身近にある教材を扱ったり、デジタル教科書等を用いて視覚化した資料をできるだけ用意したり して、分かりやすく具体的に調べさせるようにする。
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