取 組 み の 背 景 計 画 の 方 針 と 目 標 世田谷区の公共施設 全体方針

世田谷区公共施設等総合管理計画(素案)特集号
取 組 み の 背 景
この計画における
「公共施設」
は次のようなものを指します。
◀図書館の子どもコーナー
◀身近な公園
◀区道
道路、橋、公園、水路な
どの、区民の生活を支
える基盤となる
「都市
基盤施設」
◀鉄道線路上の橋
学校、
保育園、
区民セン
ター、
福祉施設、
区役所
庁舎などの、区が持っ
ている、あるいは借り
て管理している
「建物」
◀区民センター
◀まちづくりセンター
1 世 田 谷区の公共施設
2 公 共 施設の現状と課題
3 財政 上 の 課 題
区が保有・管理する建物
(建物数=512)は、今後30年間に築年数が60年を迎
える施設が290施設、全体の約56%となり、これまでの約3~5倍の施設を毎年
更新する必要があります。
また、建物の量
(延床面積)は右肩上がりに増え続けており、このままでは、
50年後には東京ドーム7つ分の施設が増える計算です
(現在=約128万平方㍍
→50年後=160万平方㍍)
。
道路は、毎年全体の0.6%程度しか更新できていません。このままでは、道路
の劣化が一斉に進み、
対応が難しくなります。
河川や道路にかかる橋も、30年後には全体の66%
(106橋)が供用開始から
60年以上が経過し、
老朽化が懸念されます。
公園も、開園から30年以上経つ園が全体の3分の1を超え、遊具やトイレなど
を手入れしていく必要があります。
このように、今後30年の間に、建物、道路、橋、公園等のあらゆる公共施設で、
老朽化への対応の必要性が高まっています。
今後30年で、施設の整備にどのくらいの経費がか
かるのか計算してみると、年平均で619億円となり
ます。近年は520億円程度を充てていますので、100
億円程度増えることになり、支出が収入を大幅に上
回ることがほぼ確実な状況です。順調に収入が増え
ると仮定すると、今後30年間、平均して毎年65億円
不足するという見通しです。
不足する額を30年間にわたり借入で補う場合、
27年度末の借入残高見込みが466億円のところ、約
2000億円にまで膨れ上がることになります。
収入増が期待できないため、公共施設の支出額を
減らすことが避けられない状況です。
建物の築年数
(寿命)
について
区では、
「公共施設中長期保全計画」
において、
大規模改修が必要とされる年数=30年
建替え等の更新が必要とされる年数=60年を目安として定めています。
不足する額を借入で補う場合
平成35年度から築60年となる建物の更新需要が集
中するため、適切な財政運営を行う範囲での通常借
入を超えた更なる借入が必要になります。
そこで、投資する経費を調整しつつ、老朽化する施設の適切な更新と管理が必要になります。
計 画 の 方 針 と 目 標
1 全 体 方針
区では、公共施設を建替え、造替
えるために必要な経費が大幅に増
えていきます。これまでと同様のや
り方では、財政の健全性がおびやか
されます。
今ある施設を修繕、更新する
「手
入れの時代」に入っています。この
状況は、少なくとも今後30年は続
くと考えられます。また、
「必要だか
ら」残すのではなく、
「必要なもの」
の中から、
「より必要なもの」を選ば
なくてはならない時代にも入りつ
つあります。
2
全体
方針
全体
目標
今ある施設を手入れして長寿命化し、必要かつ合理的な建替えや、
計画的な新規整備を進めます。少ない投資で必要なインフラを提
供する「省インフラ」を実現します。
財政目標
超高齢社会に突入しても福祉など行政サービスを維持するため、公共施
設に投資する総額を年間550億円程度に抑えます。
建物=370億円程度 都市基盤施設=180億円程度
施設総量目標
・建物は、
50年後
(平成78年度)
の施設総量を147万平方㍍以内に抑制します。
・都市基盤施設は計画に沿って整備しますが、維持管理コストの増に伴い、
新規整備量を調整します。