<平成 28 年現在の「もんじゅ」について> 昭和 58 年 5 月 27 日 国

<平成 28 年現在の「もんじゅ」について>
昭和 58 年 5 月 27 日 国による原子炉設置許可
昭和 60 年 10 月 25 日 本格工事着手
昭和 60 年 12 月 2 日 使用前検査申請・開始
平成 4 年 12 月 17 日 性能試験開始
平成 6 年
4月
5 日 初臨界
平成 7 年
8 月 29 日 初発電
平成 7 年 12 月 8 日
平成 28 年 9 月現在
2 次主冷却系ナトリウム漏えい事故
原子炉等規制法上、
使用前検査 中で あ
り、本格運転の前の
試験運転の段階
昭和 60 年 12 月から今日に至るまで
使用前検査中
「もんじゅ」は、昭和 60 年 12 月 2 日から現在まで使用前検査中であり、使用
前検査には合格していない、原子炉等規制法上は建設中のまま未完成という状
態です。
原子炉等規制法の運転期間 40 年規制は、使用前検査合格の時から起算して 40
年間となります。従って、
「もんじゅ」は未だ使用前検査に合格していないため、
原子炉等規制法上は、新規制基準の下で使用前検査に合格した時から 40 年間運
転することができることとなります。ただし、
「もんじゅ」の使用は設計上 30 年
とされています。
一方、もんじゅは『第 4 次エネルギー基本計画』(平成 26 年 4 月に閣議決定)
において、廃棄物の減容・有害度の低減や核不拡散関連技術等の向上のための国
際的な研究拠点と位置付けられています。
「もんじゅ」はその目標を達成するた
めの手段ですが、その位置付けをどのようにしていくかのかも検討課題となり
ます。
広く皆様のご意見を募集し、地元としてどのように提言していくかを考えるた
め、近日、自民党福井県連として「原子力政策研究会」を開催いたします。
平成28年10月7日
「もんじゅ」に対する原子力規制委員会の勧告について
自由民主党福井県支部連合会
「もんじゅ」について原子力規制委員会が平成27年11月13日に文部科学大臣へ行
った勧告の内容は以下のとおりである。
一
機構に代わってもんじゅの出力運転を安全に行う能力を有すると認められる者を具体
的に特定すること。
二 もんじゅの出力運転を安全に行う能力を有する者を具体的に特定することが困難であ
るのならば、もんじゅが有する安全上のリスクを明確に減少させるよう、もんじゅという
発電用原子炉施設の在り方を抜本的に見直すこと。
政府及び自由民主党は、選挙等を通じ、世界一厳しい規制基準を策定し審査している原子
力規制委員会を尊重することを繰り返し述べている。
従って、原子力関係閣僚会議及び高速炉開発会議においては、「もんじゅ」について、原
子力規制委員会を尊重し、その勧告に記載されている指摘事項『一』及び『二』について政
府として検討し、その検討過程及び結果を国民、特に「もんじゅ」が立地している福井県の
関係自治体に分かりやすく説明をすることが求められる。
第4次エネルギー基本計画(平成26年4月11日閣議決定)において、
「もんじゅ」は
『廃棄物の減容・有害度の低減や核不拡散関連技術等の向上のための国際的な研究拠点と
位置付け』ると定められている。
平成25年6月にフランス共和国のオランド大統領が来日した際、安倍内閣総理大臣と
オランド大統領は、放射性廃棄物の減容化・有害度低減を含む燃料サイクル及び高速炉を含
む第四世代炉の準備におけるパートナーシップを引き続き深めていくという内容を含む日
仏共同声明を発表し、翌年8月には日本原子力研究開発機構はフランスの原子力・代替エネ
ルギー庁等とASTRID実施機関間の取り決め(協定)を締結した。協力内容には「もん
じゅ」での燃料バンドル照射試験も含まれており、ASTRID協力協定において「もんじ
ゅ」は重要な役割を担うこととなっている。
世界にある440基以上(建設段階を含めれば計500基以上)の原発から生じる放射性
廃棄物等の処理については、地球規模の大きな問題となりつつある。その将来に向けたソリ
ューション事業を、スピード感を持って展開することができるのは、日本だけである。この
問題の解決のため、政府は当該事業を「未来への投資」と位置付け、
「もんじゅ」を活用し
た放射性廃棄物等の減容・有害度の低減技術の確立を急ぐべきである。
「もんじゅ」について原子力規制委員会が勧告を行ったのは、研究者や技術者等に対して
ではなく、いわゆる品質管理の管理責任を問うためである。分かりやすく言うと、料理店に
一流の料理人がいたとしても、衛生管理の不手際により保健所の営業許可が出ない状態と
同様である。
「もんじゅ」は原子炉等規制法上、今後、新規制基準に対応し使用前検査に合格した時か
ら40年間運転できることとなる。
「もんじゅ」は出力28万kWであるところ、同規模の
商業用原子炉で10.7円/kWh、稼働率73%で試算すると年間売上額は約192億円
(仮に40年間稼働した場合は合計で約7,680億円)となり、当該売上額を「もんじゅ」
の運営に充て、今後必要となる費用の多くを賄えることになると考える。この試算は単純に
数字を当てはめただけであり、運転状況により多少の増減はあるものの、
「もんじゅ」の運
営に係る費用の在り方に関する考え方を述べたものであり、
「もんじゅ」の運転について多
様な前提条件を勘案した上で多様な議論を始め、深化させていくべきである。
以上