開講の第一歩「用語」 用語 英語訳 概要 流域 river basin, watershed

H28後期/流域保全学
開講の第一歩「用語」
用語
英語訳
river basin,
流域
watershed,
catchment
概要
降水の降下域全体を流域(または集水域)という。河川、湖沼、
海洋へ水を供給する地域。流域の形状は地域の地形に応じて異
なる。
soil
①地殻の最上層、地殻表面の岩石が崩壊、分解して地表に集積
したもの、多くは分解した動植物質を含む。
②地球の表面にある自然体の集合であり、場所によっては人間
によって土状の物質で修飾されたり、つくられたりしているが、そ
れは生物を含んでいて、野外で現に植物を支えているか、支える
能力をもっているもの。
問題土壌
Problem Soils
非常に特異な化学・物理・生物性が存在するために容易に生産
の上がらない、あるいは作物生育すら難しい土壌。さらにはこれ
ら自然要因による問題土壌に加え、人為による農薬や重金属の
汚染土を含めることもある。泥炭土peat soil、塩類およびアルカリ
土saline soils and alkaline soils、酸性硫酸塩土壌acid sulfate
soilsなどがある。世界的にはバーティソル、プラノソル、重粘質沖
積土さらには熱帯の強風化土壌なども問題視されている。
河川法
River Act
昭和39年制定。洪水などによる災害の防止、河川の適正な利
用、流水の正常な機能の維持がなされるよう総合的に管理する
ための河川行政の基本法。(新河川法)
水利権
water right
河川や湖沼などから取水して使用する権利。河川管理者の許可
が必要。これを定めた河川法施行以前の既存の農業用水など
は、許可を受けたものとみなされ、慣行水利権traditional water
rightと称し、許可水利権permitted water rightsと区別される。慣
行水利権は、新河川法で届け出が義務づけられている。
水利慣行
custom of water use 田優先や番水などはこの例。
土壌
河川からの取水や用水の利用をめぐって成立している慣行。古
古田優先
(上流優先)
番水
rotative irrigation
灌漑用水の不公平な配分からくる収穫の豊凶を避け、また干ば
つによる被害を最小限にくい止めるために行われた水の配分制
度。
灌漑(かんが
い)
irrigation
作物の栽培に必要な水を、耕地に人為的に供給すること。
輪中
polder
地区外(堤外)からの水の侵入を防ぐために、全域を堤防で囲ん
だ地域(堤内)。周囲の堤防を輪中堤という。
かすみ堤(不連
続堤、霞堤、信 open levee
玄堤)
連続する堤ではなく、あらかじめ間に切れ目をいれた不連続の
堤防。堤に切れ目を入れ、増水した川の水をそこから堤後背の
遊水地へ逃がす。しかし、水位が下がり始めれば、逆にその切
れ目から速やかに排水が行われる。
堤防
dike, levee
河川などにおいて、流水の氾濫を防止する目的をもって、流水を
一定の流路内で安全に流下させるための構造物。
防潮堤
sea dike
海から陸地(干拓地)を守るために築造される堤防。海水の浸
透、台風時の高潮、波の破壊力に耐える構造が必要。(潮受け
堤防)
TP+6m
Tokyo Peil +6.0m
全国の標高の基準「東京湾平均海面」より6.0m高いレベル。東日
本大震災以降、全国の防潮堤の堤高の設計基準とした。ただ
し、一律に定めてはいない。
堤内(地)、堤
外(地)
inland、riverside land 対側を堤外riverside landという。
自然地名
堤防によって洪水から保護されている土地を堤内という。その反
自然地名とは、地形・地質・植生・気象などの自然現象にもとづ
いて名付けられた地名の総称であり、その数は極めて多く、地名
全体の殆どを占める。また、自然地名の中で、地形地名が圧倒
的に多い。地形は平坦地、傾斜地、山、崖、湿地、川、沖積平野
そして岬や海岸などの入江が代表的。
主な引用・参考文献
農業土木学会(現 農業農村工学会)編: 改訂五版 農業土木標準用語事典