押し出し式カレンダーを利用した診療への貢献 超音波検査士の立場から

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押し出し式カレンダーを利用した診療への貢献 超音波検査士の立場から
多職種による診療を可能にするためには
◎吉村 昭宏 1)
大分県済生会 日田病院 1)
【はじめに】超音波検査はその特性上、術者
組んでいる。結果説明を行うという事は、カ
の主観により所見が確定され臨床に報告され
ルテ上に記載されている情報はもとより、患
る。超音波専門医や指導医が勤務する施設で
者背景を十分熟知した上で行われるべきであ
はダブルチェックによりその内容が担保され
ろう。時系列で治療効果を観察していく事は
るが、検査士だけで最終報告を行う施設では、
多職種による診療を行う上で特に重要と考え
報告の責任は技師と臨床医が担うこととなる。
る。
検査士は自分の報告したデータが患者治療の
【おわりに】超音波検査士、臨床検査技師等
上で的確な情報であったかを常に振り返り、
が検査データの報告、説明を行うにあたって
治療が完了する過程を臨床医とともに見守る
は、多職種による診療行為の一端を担ってい
義務があると考える。私は押し出し式カレン
る事を自覚し治療過程を追跡することが重要
ダーを利用し有所見患者の治療過程を確認す
である。
る事が安全管理上重要と考えたのでその手法
【連絡先】
を報告する。
大分県済生会日田病院 0973(24)1100 (内)
【方法】生理部門システム、Phyls(オネスト)
5123
から統計処理業務のための機能を利用し検査
情報を CSV 形式で Excel にダウンロードする。
有所見患者について押し出し式カレンダーに
コピーペストする。電子カルテシステム
mirai(NEC)で患者治療に関する情報を収集、
カレンダーに処方、検査、処置などの治療計
画を書き込み超音波所見との整合性と治療効
果を時系列で確認する。これを毎日繰り返す。
【考察】特に急性疾患における治療経過の観
察は重要で、超音波で病状の原因と判断した
フォーカスが間違っていれば治療に支障をき
たす結果となる。臨床症状に改善が認められ
ない場合、速やかに超音波所見を見直し、そ
の他の検査所見との乖離を調査することで見
誤りの原因を探ることができる。また、手術
に至る患者では、最終的な病理所見との対比
を行うことで超音波検査の精密度を高めるこ
とが可能となる。現在、日臨技が主体となり
結果説明のできる臨床検査技師の育成に取り