第1分科会のご案内 - 日本弁護士連合会

第59回 日本弁護士連合会
シンポジウム
人権擁護大会
in 福井
第1分科会 2016年10月6日㈭ 12時30分∼18時00分
会場/フェニックス・プラザ 大ホール
「立憲主義と民主主義を回復するために
∼安保関連法と秘密保護法の適用・運用に反対し、
その廃止を求めて∼」
1 立憲主義、国民主権、恒久平和主義に対する日弁連
の立場
員の人権はもとより国民の平和的生存権が脅かされよう
としています。
日弁連は、
鳥取(2005年)、富山(2008年)、広島(2013年)
の各人権擁護大会において、日本国憲法の基本理念であ
4 安保関連法と秘密保護法との関係
る立憲主義並びに基本原理である基本的人権の尊重、国
安保関連法は、日本の防衛及び周辺事態への日米での
民主権及び恒久平和主義が極めて重要な意義を有するこ
対応、米軍の活動に対する自衛隊による切れ目のない支
とを確認してきました。 援、集団的自衛権行使等を目的として制定されましたが、
そのためには日米間で共有された軍事秘密情報を保護・
2 安保関連法は立憲主義、国民主権、恒久平和主義
に違反する
秘匿する必要があるとされ、秘密保護法は、安保関連法
に先駆けて2013年12月6日に強行採決されました。
2014年7月、政府は閣議決定により、憲法が禁じてき
安保関連法の成立を受けて、秘密保護法により軍事情
た集団的自衛権の行使を容認しました。その後、2015年
報などが特定秘密に指定されれば、本来国会の事前事後
4月の日米新ガイドライン策定を経て、平和安全法制整
の承認が必要な情報であっても、国会にさえ提供されな
備法及び国際平和支援法(安保関連法)案が国会に提出
いおそれがあり、当然私たち市民にも知らされません。
されました。国会では、憲法違反との指摘に対して政府
その結果、安保関連法に関する情報を国会は審議できず、
により十分な説明がなされないまま、2015年9月に参議
私たちの知る権利も侵害されます。
院特別委員会で採決が強行され、本会議で可決されま
した。
安保関連法は、存立危機事態において集団的自衛権の
5 立憲主義・民主主義の回復のために
シンポジウムでは、国会審議の内容も踏まえながら、
行使を容認し、また、同法が認める重要影響事態等での
安保関連法が日本国憲法の基本理念である立憲主義、基
後方支援は武力行使との一体化が指摘され、PKO協力
本原理である国民主権及び恒久平和主義に違反する法律
法等の駆け付け警護等での武器使用は武力行使に至る危
であることや、安保関連法施行により自衛隊員はもとよ
険があるなど、同法は、恒久平和主義に違反するもので
り国民一人一人の人権が侵害されるおそれについて解明
す。しかも、憲法改正手続を経ずに閣議決定や法律で集
します。
団的自衛権の行使を認めたことは、立憲主義・国民主権
原理に違反しています。
これは、
我が国の歴史に大きな汚点を残したものです。
また、安保関連法の下で秘密保護法が果たす役割を確
認した上で、情報公開法や公文書管理法との関係、とり
わけ、立憲主義及び国民主権の観点から、国会や第三者
機関による特定秘密に対する監視のあり方を検討します。
3 安保関連法施行により「平和的生存権」が侵害される
最後に、政府与党関係者が、国家緊急権の創設や憲法
これまでの政府の見解では、「平和的生存権」(憲法前
9条の改変等に言及している中で、改めて立憲主義、民
文)や憲法9条により、個別的自衛権の行使にあたる場
主主義及び恒久平和主義への理解を深め、相互の関係を
合以外には武力を行使することは許されないとされてき
解明するとともに、市民や弁護士会の全国各地での取組
ました。しかし、安保関連法施行に伴い、政府の命令に
を紹介しながら、立憲主義と民主主義を回復させる展望
より海外の現場で、自衛隊員が、自ら殺傷し、殺傷され
を明らかにします。
る現実の危険にさらされる制度に変わることで、自衛隊
是非、シンポジウムにご参加ください。
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