RESAS(地域経済分析システム) を活用した分析事例 栃木県大田原市 【詳細版】 2016年3月 関東経済産業局 第1項 STEP0 ① 人口の推移(人口マップによる分析) 人口ピラミッドを実績値(2010 年)と長期予測(2040 年)で表示することにより、過去 や現在と将来の人口構成を把握する。 大田原市の人口ピラミッド(図 0-1-1 参照)によると、2010 年の人口内訳は、年少人口 9,864 人(12%) 、生産年齢人口 50,429 人(65%) 、老年人口 16,385 人(21%)となってい る。2040 年の推計人口は、62,377 人まで減少すると推計されている。2040 年の人口内訳は、 年少人口 6,196 人(9%) 、生産年齢人口 33,531 人(53%)、老年人口 22,650 人(36%)と なっており、生産年齢人口が最も多いが老年人口の割合が 36%まで上昇しており、高齢社 会が進展することが予測される。 出典:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」 図 0-1-1 大田原市の人口ピラミッド 5 年ごとの総人口/年少人口/生産年齢人口/老年人口の推移を確認することにより、現 在と将来人口の推移を人口区分ごとに把握する。 大田原市の人口推移(図 0-1-2 参照)によると、2000 年をピークに 2040 年まで減少が続 くことが推計される。年少人口では 1985 年から、さらに生産年齢人口では 2000 年から減 少傾向となる。老年人口は、1980 年から一貫して増加しており、2040 年まで増加が続くこ とが推計される。 1 出典:総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口」 図 0-1-2 大田原市の人口推移 人口増減数の折れ線グラフと、それに対する自然増減と社会増減の寄与度を把握する。 大田原市の人口の自然増減・社会増減の推移(0-1-3 参照)によると、自然増減は 2002 年まではプラス傾向で推移していたが、2003 年以降はマイナスに転じており、減少幅は拡 大する傾向にある。社会増減をみると、1999 年よりマイナスで推移している。 出典:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数に関する調査」 図 0-1-3 大田原市の人口の自然増減・社会増減の推移 (注:2012 年までは年度データ、2013 年以降は年次データ。) 大田原市にどの自治体からの人口移動(転入及び転出)が多いかを把握する。 大田原市の社会増減 From – to 分析(定住人口)転入超過内訳(全年齢) (図 0-1-4 参照) と、転出超過数内訳(全年齢) (図 0-1-5 参照)によると、転入超過数では、栃木県那珂川 町からの転入割合が高い。一方、転出超過数では、栃木県宇都宮市への転出割合が高い。 2 2012年 2013年 製造業 2014年 出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」 出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」 図 0-1-4 大田原市の社会増減 From – to 分析(定住人口)転入超過内訳(全年齢) 出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」 図 0-1-5 大田原市の社会増減 From – to 分析(定住人口)転出超過内訳(全年齢) 大田原市の社会増減 From – to 分析(定住人口)転入超過数内訳(20 代)(図 0-1-6 参 照)と、転出超過数内訳(20 代) (図 0-1-7)によると、転入先上位の自治体が、2012 年で は栃木県那珂川町、2013 年では栃木県下野市、2014 年では福島県郡山市と、年度によって 転入先上位が変動している。一方、20 代の転出状況は、栃木県宇都宮市への転出人口が他 の自治体に比べて高い。 3 出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」 図 0-1-6 大田原市の社会増減 From – to 分析(定住人口)転入超過内訳(20 代) 2012年 2013年 2014年 出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」 図 0-1-7 大田原市の社会増減 From – to 分析(定住人口)転出超過内訳(20 代) 4 ② 年齢別人口分布の変化(人口マップによる分析) 栃木県大田原市 年齢階級別純移動数の時系列分析(0-2-1 参照)によると、20~24 歳→25 ~29 歳の年齢階級は、1980 年~2000 年にかけて転出超過となり、2000 年~2010 年では、 転出超過に転じた。 出典:総務省「国勢調査」、総務省「住民基本台帳人口移動報告」に基づきまち・ひと・しごと創生本部作成 図 0-2-1 大田原市の年齢階級別純移動数の時系列分析 ③ 従業地における産業別従業者数(国勢調査による分析) 従業地における産業別従業者数(図 0-3-1 参照)によると、製造業(1 万 3,068 人) 、卸 売業・小売業(4,801 人) 、農林業(4,463 人)の順で就業者数が多くなっている。 出典:総務省「国勢調査」 図 0-3-1 大田原市 従業地における産業別従業者数 5 ④ 通勤通学による人の動き(国勢調査による分析) 大田原市の通勤通学における人の動き(図 0-4-1 参照)によると、市内に常住する就業 者・通学者は、43,131 人でそのうち市外への通勤通学者は 31.2%を占める。また、市内に 従業通学する者は、47,450 人でそのうち市外からの通勤通学者は、35.8%を占めている。 市内から市外への移動人口は、那須塩原市への移動が 6,860 人で最大となっている。市 外から市内への移動人口も、那須塩原市からの移動が 9,670 人と最大になっている。 市内から県外への移動人口では、592 人が東京都(222 人)や埼玉県(101 人)などに通 勤通学している。県外から市内への移動では、999 人が茨城県(284 人)や福島県(214 人) などに通勤通学している。 大田原市 6,860 栃木県 (15.9%) 那須塩原市 市内に常住する 就業者・通学者 43,131人 9,670 那須町 那珂川町 うち市外へ通勤通学:13,463 1,417 (3.3%) 矢板市 1,677 1,292 (3.0%) 宇都宮市 934 1,722 常住者の31.2% が市外へ流出 市内で従業通学する者 1,349 47,450人 (3.1%) うち市外から通勤通学:16,970 従業通学者の 35.8%が市外より 流入 592 東京都 埼玉県 1,141 (2.7%) 222 101 ※( )内は通勤通学率(市内に常住する就業者・通 学者に占める、各地域へ就業・通学する者の割合) その他 県内市町村 1,963 999 県外 茨城県 福島県 284 214 出典:総務省「2010 年 国勢調査」 図 0-4-1 大田原市の通勤通学における人の動き ⑤ STEP0 のまとめ 大田原市の総人口は、2000 年をピークに減少しており、生産年齢人口は 2000 年から 2040 年にかけて緩やかに減少すると推計されている。人口増減の要因については、1999 年から 続いている社会減少に自然現象が加わったことが、人口減少の起因となったことがわかる。 産業別従業者数では、製造業 13,068 人、卸売業・小売業 4,801 人、農林業 4,463 人となっ ており、製造業の雇用依存度が高い地域である。 6 第2項 STEP1 ① 地域の主要産業の特定(大分類) 大田原市の産業について「産業マップ(全産業花火図)」を使い 売上高、付加価値額、 従業者数、取引流入額の各指標をおける「産業別構成割合」を確認し、構成割合が高い大 分類を地域の主要産業として特定する。 大田原市における産業大分類別の売上高(企業単位、2012 年) (図 1-1-1 参照)に占める 主要産業産は順に、製造業(5,542 億円) 、卸売業、小売業(535 億円) 、建設業(336 億円) となった。 大田原市における産業大分類別の付加価値額(企業単位、2012 年) (図 1-1-2 参照)に占 める主要産業は順に、製造業(667 億円) 、医療・福祉(83 億円) 、建設業(75 億円)とな った。 大田原市における産業大分類別の従業者数(事業所単位、2012 年) (図 1-1-3 参照)に占 める主要産業は順に、製造業(11,857 人) 、卸売業・小売業(5,094 人)、医療・福祉(3,386 人) 、となった。 大田原市における産業大分類別の取引流入額(取引流入額の図は省略)に占める主要産 業は順に、製造業(74%) 、卸売業・小売業(9%) 、建設業(6%)となった。 これにより、大田原市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、 取引流入額)における構成割合の高い産業を確認した結果、製造業、卸売業・小売業、医 療・福祉を主要産業として特定した。 卸売業 小売業 製造業 医療 福祉 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 1-1-1 大田原市における産業大分類別の売上高(企業単位、2012 年) 7 医療 福祉 製造業 卸売業 小売業 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 1-1-2 大田原市における産業大分類別の付加価値額(企業単位、2012 年) 医療 福祉 製造業 卸売業 小売業 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 1-1-3 大田原市における産業大分類別の従業者数(事業所単位、2012 年) ② 地域の主要産業の特定(生産額、移輸出入収支額) (地域経済循環マップによる分析) 大田原市の主要産業を特定するため「地域経済循環マップ 生産分析」を使い、生産額 が大きい産業及び外から稼いでいる産業を把握する。 地域経済循環マップ 生産分析(生産額)(2010 年)(図 1-2-1 参照)における生産額は順 に、電気機械器具製造業(1,321 億円)、サービス業(959 億円)、化学(579 億円)となっ た。 地域経済循環マップ 生産分析(移輸出入収支額) (2010 年)(図 1-2-2 参照)における主 要産業の移輸出入収支額は順に、電気機械器具製造業(827 億円)、化学(270 億円) 、農林 水産業(267 億円)となった。 8 出典: 環境省「地域産業連関表」、「地域経済計算」(株式会社価値総合研究所(日本政策投資銀行グループ)受託作成) 図 1-2-1 生産額(2010 年) 出典: 環境省「地域産業連関表」、「地域経済計算」(株式会社価値総合研究所(日本政策投資銀行グループ)受託作成) 図 1-2-2 移輸出入収支額(2010 年) ③ 地域の主要産業の特定(中分類) 大田原市の産業について「産業マップ(全産業花火図)」を使い 売上高、付加価値額、 従業者数、取引流入額の各指標をおける「産業別構成割合」を確認し、構成割合が高い中 分類を地域の主要産業として特定する。 大田原市における産業中分類別の売上高(企業単位、2012 年) (図 1-3-1 参照)に占める 主要産業は順に、電気機械器具製造業(2,978 億円)、情報通信機械器具製造業(1,055 億 円) 、業務用機械器具製造業(456 億円)となった。 大田原市における産業中分類別の付加価値額(企業単位、2012 年) (図 1-3-2 参照)に占 める主要産業は順に、電気機械器具製造業(277 億円)、業務用機械器具製造業(110 億円) 、 生産用機械器具製造業(56 億円)となった。 大田原市における産業中分類別の従業者数(事業所単位、2012 年) (図 1-3-3 参照)に占 める主要産業は順に、農業(4,713 人) 、電気機械器具製造業(3,214 人) 、飲食店(2,055 人) 、医療(1,859 人)となった。 大田原市における産業中分類別の取引流入額(取引流入額の図は省略)に占める主要産 9 業は順に、電気機械器具製造業(38%) 、生産用機械器具製造業(12%) 、電子部品・デバイ ス・電子回路製造業(11%)となった。 これにより、大田原市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、 取引流入額)における構成割合の高い産業を確認した結果、電気機械器具製造業、情報通 信機械器具製造業、業務用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、電子部品・デバイス・ 電子回路製造業、農業、飲食店、医療を主要産業として特定した。 業務用 機械器具 電気機械器具 農業 23,546 百万円 情報通信機械器具 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 1-3-1 大田原市における産業中分類別の売上高(企業単位、2012 年) 生産用 機械器具 電気機械器具 業務用機械器具 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 1-3-2 大田原市における産業中分類別の付加価値額(企業単位、2012 年) 10 農業 4,713 人 電気機械器具 飲食店 医療 業務用 機械器具 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 1-3-3 大田原市における産業中分類別の従業者数(事業所単位、2012 年) ④ 中分類別の地域主要産業の特定(工業統計による分析) 大田原市における製造業の製造品出荷額推移(実数)(構成比) (図 1-4-1、図 1-4-2 参照) によると、製造業の製造品出荷額は、2007 年まで成長を続けて 9,000 億円に近い規模とな るが、2009 年から 2013 年にかけては 6,000 億円前後の規模まで減少し推移している。製造 品出荷額の構成割合では、電気機械器具製造業が最も多く、2001 年以降は全体の約 6 割~7 割を占めている。なお、化学工業も一定の割合を占めており、着目すべき主要産業である。 出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工 図 1-4-1 大田原市における製造業の製造品出荷額推移(実数) 11 出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工 図 1-4-2 大田原市における製造業の製造品出荷額推移(構成比) 大田原市における製造業の従業員数(実数) (構成比) (図 1-4-3、図 1-4-4 参照)による と製造業全体の従業者数は、2005 年に湯津上村、黒羽町と合併した影響から、2005 年以降 10,000~12,000 人で推移している。中分類別に製造業の従業者数構成割合をみると、1986 年以降、全従業員の約 4 割~5 割を電気機械器具製造業が占めている。 出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工 図 1-4-3 大田原市における製造業の従業員数(実数) 12 出典:経済産業省「工業統計」平成 21 年~平成 25 年 再編加工 図 1-4-4 大田原市における製造業の従業員数(構成比) ⑤ 地域の主要産業の特定(農林水産業マップ等による分析) 大田原市における農業部門別販売金額の総額(図 1-5-1 参照)は順に、稲作(54 億円) 、 肉用牛(36 億円) 、施設野菜(24 億円)となった。 稲作 施設 野菜 養豚 酪農 肉用牛 養鶏 出典: 農林水産省「農林業センサス」再編加工 図 1-5-1 農業部門別販売金額 総額(2010 年) (農業マップ) 大田原市の農業産出額・畜産( 「生産農業所得統計」(農林水産省) ) (図 1-5-2 参照)は 順に、乳用牛が(29 億 1,000 万円) 、肉用牛(27 億 5,000 万円) 、鶏(25 億 4,000 万円) 、 豚(24 億 2,000 万円)となった。 13 出典:農林水産省「生産農業所得統計」 図 1-5-2 大田原市の農業産出額・畜産(2006 年)(農林水産省統計データ) 大田原市の野菜収穫量( 「産作況調査(野菜)」 (農林水産省)) (図 1-5-3 参照)は順に、 大田原市では、ねぎ(2,286 ㌧) 、トマト(2,267 ㌧) 、なす(1962 ㌧)となった。 出典:農林水産省「平成 18 年産作況調査(野菜)」 図 1-5-3 大田原市の野菜収穫量(2006 年) (農林水産省統計データ) 2005 年から 2010 年への林業の総収入(総額) (図 1-5-4 参照)は、林産物販売金額(総 額)は 4 億 4,375 万円から 1 億 675 万円に減少している。林業作業請負収入(総額)も 3 億 9,750 万円から 1 億 4,125 万円に減少している。 14 林産物販売金額 (総額) 林業作業請負収入 (総額) 出典: 農林水産省「農林業センサス」再編 加工 図 1-5-4 林業総収入(総額) (農林水産省統計データ) ⑥ STEP1 のまとめ これにより、大田原市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、 取引流入額)における構成割合の高い産業を確認した結果、大分類では製造業、卸売業・ 小売業、医療・福祉を主要産業と特定した。 大田原市の主要産業について、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、取引流入額) における構成割合の高い産業を確認した結果、中分類では電気機械器具製造業、情報通信 機械器具製造業、業務用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、農業、医療業、飲食店、 電子部品・デバイス・電子回路製造業を主要産業と特定した。 第3項 ① STEP2 製造業の他地域との比較 大田原市の全産業における製造業の売上高の構成割合は 79.3%で、栃木県平均 28.2%、 全国平均 25.2%と比して高い。 製造業における中分類別売上高の構成割合(図 2-1-1 参照)は、順に、電気機械器具製 造業が 53.7%、情報通信機械器具製造業(19.0%) 、業務用機械器具製造業(8.2%)とな った。 大田原市 大田原 電気機械器具 栃木県 栃木県 情報通信 機械器具 全国 全国 業務用 機械器具 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-1-1 製造業 中分類別売上高 構成割合(2012 年) 15 大田原市の全産業における製造業の付加価値額の構成割合は 63.9%で、栃木県平均 24.9%、全国平均 23.1%と比して高い。 製造業における中分類別付加価値額の構成割合(図 2-1-2 参照)は、順に、電気機械器 具製造業が 41.6%、業務用機械器具製造業(16.5%)、生産用機械器具製造業(8.4%)と なった。 大田原市 大田原 電気機械器具 栃木県 栃木県 業務用 機械器具 生産用 機械器具 電子部品・デバ イス・電子回路 全国 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-1-2 製造業 中分類別付加価値額 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における製造業の従業者数の構成割合は 24.9%で、栃木県平均 24.6%、 全国平均 16.6%と比して高い。 製造業における中分類別従業者数の構成割合(図 2-1-3 参照)は、順に、電気機械器具 製造業(27.1%) 、業務用機械器具製造業(12.2%)、生産用機械器具製造業(10.6%)と なった。 大田原市 大田原 栃木県 県 電気機械器具 業務用 機械器具 生産用 機械器具 情報通信 機械器具 全国全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-1-3 製造業 中分類別従業者数 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における製造業の取引流入額の構成割合は 74.2%で、栃木県平均 43.1%、全国平均 36.2%と比して高い。 製造業における取引流入額の構成割合(製造業 取引流入額 構成割合の図は省略)は、 順に、電気機械器具製造業(51.4%)、生産用機械器具製造業(17.1%)、電子部品・デバ イス・電子回路製造業(15.4%)となった。 16 製造業について他地域を比較し特化係数としてまとめる、大田原市の製造業の特化係数 一覧(表 2-1-4 参照)のとのとおりとなる。 表 2-1-4 大田原市の製造業(中分類)の特化係数一 業種 基準値 電気機械器具製造業 大田原市構成比① 生産用機械器具製造業 53.7 14.5 5.6 9.59 41.6 8.6 6.3 6.60 従業者数(事業所単位) 27.1 6.6 6 4.52 8.2 4.3 3.4 2.41 付加価値額 16.5 7.1 4.2 3.93 従業者数(事業所単位) 12.2 4.9 2.8 4.36 売上高 4.8 7.6 5 0.96 付加価値額 8.4 11.2 6.9 1.22 10.6 7.7 7.1 1.49 5.2 4.8 4.5 1.16 8 3.8 4 2.00 従業者数(事業所単位) 5.1 3.5 5.5 0.93 売上高 19 5.5 7.1 2.68 付加価値額 4.1 2.2 5.3 0.77 従業者数(事業所単位) 9.5 3.4 3.1 3.06 4 3.8 10.1 0.40 付加価値額 5.6 3.7 12 0.47 従業者数(事業所単位) 8.6 3.2 4.6 1.87 売上高 情報通信機械器具製造業 付加価値額 売上高 化学工業 特化系数(①÷②) 付加価値額 従業者数(事業所単位) 電子部品・デバイス・電子回路製造業 全国構成比② 売上高 売上高 業務用機械器具製造業 栃木県構成比 ※生産用機械器具製造業・電子部品・デバイス・電子回路製造業については取引流入額の特化係数が 1.5 以上となっ ている。(取引流入額の数値については省略) 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」、株式会社帝国データバンク「企業間取引情報」を再編加工 大田原市の製造業(中分類)の特化係数一覧(表 2-1-4 参照)のとおり、各指標(売上 高、付加価値額、従業者数、取引流入額)の特化係数が、複数、1.5 以上(特化係数の全国 平均は1)である業種は、電気機械器具製造業、業務用機械器具製造業、電子部品・デバ イス・電子回路製造業、情報通信機器製造業となった。これらを大田原市の主要産業とし て特定する。 ② 卸売業、小売業の他地域との比較 大田原市の全産業における卸売業・小売業の売上高の構成割合は 7.7%%で、栃木県平均 33.4%、全国平均 31.1%と比して低い。 卸売業・小売業における中分類別売上高の構成割合(図 2-2-1 参照)は、順に、建築材 料・鉱物・金属材料等卸売業(28.3%) 、その他の小売業(27.2%)、飲食料品小売業(20.4%) 、 機械器具小売業(10.1%)となった。 大田原市 建築材料、鉱物・金 属材料等卸売業 機械器具 小売業 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-2-1 卸売業、小売業 中分類別売上高 構成割合(2012 年) 17 大田原市の全産業における卸売業・小売業の付加価値額の構成割合は 5.4%で、栃木県平 均 22.2%、全国平均 18.6%と比して低い。 卸売業・小売業における中分類別付加価値額の構成割合(図 2-2-2 参照)は、順に、そ の他の小売業(46.1%) 、飲食料品小売業(29.0%) 、建築材料・鉱物・金属材料等卸売業 (9.1%)となった。 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-2-2 卸売業・小売業 中分類別付加価値額 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における卸売業・小売業の従業者数の構成割合は 15.1%で、栃木県平 均 18.5%、全国平均 21.0%と比して低い。 卸売業・小売業における中分類別従業者数の構成割合(図 2-2-3 参照)は、順に、飲食 料品小売業(35.6%) 、その他の小売業(30.2%) 、機械器具小売業(11.1%)となった。 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-2-3 卸売業・小売業 中分類別従業者数 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における卸売業・小売業の取引流入額の構成割合は 9.0%で、栃木県平 均 31.4%、全国平均 43.8%と比して低い。 卸売業・小売業における取引流入額の構成割合(製造業 取引流入額 構成割合の図は 省略)は、順に、建築材料、鉱物・金属材料等卸売業(50.9%) 、その他の小売業(19.6%) 、 飲食料品卸売業(11.1%)となった。 卸売業・小売業について他地域と比較し特化係数としてまとめると、大田原市の卸売業・ 小売業の特化係数一覧(表 2-2-4 参照)のとおりとなる。 18 表 2-2-4 大田原市の卸売業、小売業の特化係数一覧 業種 基準値 大田原市構成比① 売上高 飲食料品小売 その他の小売 建築材料・鉱物・金属材料等卸売 栃木県構成比 全国構成比② 特化系数(①÷②) 20.4 17.4 8.5 2.40 29 21.2 14.9 1.95 従業者数(事業所単位) 35.6 28.3 26.4 1.35 売上高 27.2 12.4 9.4 2.89 付加価値額 46.1 20.6 16.3 2.83 従業者数(事業所単位) 30.2 25.6 21.8 1.39 売上高 28.3 10.2 21.3 1.33 付加価値額 9.1 7.8 12.5 0.73 従業者数(事業所単位) 3.6 5.8 6.3 0.57 付加価値額 ※飲食料品小売業、その他小売業については取引流入額の特化係数が 1.5 以上となっている。 (取引流入額の数値に ついては省略) 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」、株式会社帝国データバンク「企業間取引情報」を再編加工 大田原市の卸売業・小売業の特化係数一覧(表 2-2-4 参照)のとおり、各指標(売上高、 付加価値額、従業者数、取引流入額)の特化係数が、複数、1.5 以上(特化係数の全国平均 は1)である業種は、飲食料品小売業、その他小売業となった。これらを大田原市におけ る主要産業として特定する。 ③ 医療・福祉の他地域との比較 大田原市の全産業における医療・福祉の売上高の構成割合は、2.0%で、栃木県平均 9.8%、 全国平均 5.6%と比して低い。 医療・福祉における中分類別売上高の構成割合(図 2-3-1 参照)は順に、医療業(68.8%) 社会保険・社会福祉・介護事業(31.2%)、となった。 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-3-1 医療・福祉 中分類別売上高 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における医療・福祉の付加価値額の構成割合は、8.0%で、栃木県平均 12.2%、全国平均 9.9%と比して若干低い。 医療・福祉における中分類別付加価値額の構成割合(図 2-3-2 参照)は順に、医療業 (63.7%) 、社会保険・社会福祉・介護事業(36.3%)となった。 19 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-3-2 医療、福祉 中分類別付加価値額 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における医療・福祉の従業者数(事業所単位)の構成割合は 10.0%で、 栃木県平均 9.7%、全国平均 11.1%と同水準となっている。 医療・福祉における中分類別従業者数の構成割合(図 2-3-3 参照)は順に、 医療業(55.2%)、 社会保険・社会福祉・介護事業(44.8%)となった。 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-3-3 医療、福祉 中分類別従業者数 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における医療・福祉の取引流入額の構成割合は、栃木県平均、全国平 均と共に 0.1%以下となった。 (取引流入額の図は省略) 。 医療・福祉について他地域と比較し特化係数としてまとめると、大田原市の医療・福祉 の特化係数一覧(表 2-3-4 参照)のとおりとなる。 表 2-3-4 大田原市の医療、福祉の特化係数一覧 業種 医療業 社会保険・社会福祉 ・介護事業 基準値 大田原市構成比① 売上高 付加価値額 従業者数(事業所単位) 売上高 付加価値額 従業者数(事業所単位) (取引流入額の数値については省略) 68.8 63.7 55.2 31.2 36.3 44.8 栃木県構成比 36.9 71.3 58.8 63 28.4 40.9 全国構成比② 36.9 59.8 55.3 62.6 39.5 43.9 特化系数(①÷②) 1.86 1.07 1.00 0.50 0.92 1.02 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」、株式会社帝国データバンク「企業間取引情報」を再編加工 大田原市の医療・福祉の特化係数一覧(表 2-3-4 参照)のとおり、各指標(売上高、付 加価値額、従業者数、取引流入額)の特化係数が、複数、1.5 以上(特化係数の全国平均は 1)である業種はなかった。 20 ④ 宿泊業、飲食サービス業 大田原市の全産業における宿泊業・飲食サービス業の売上高の構成割合は 0.7%で、栃木 県平均 2.7%、全国平均 2.5%と比して低い。 宿泊業・飲食サービス業における中分類別売上高の構成割合(図 2-4-1 参照)は順に、 飲食店(67.4%) 、宿泊業(23.7%) 、持ち帰り・配達飲料サービス業(8.9%)となった。 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-4-1 宿泊業、飲食サービス業 中分類別売上高 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における宿泊業・飲食サービス業の付加価値額の構成割合は 2.4%で、 栃木県平均 3.7%、全国平均 3.0%と比して低い。 宿泊業・飲食サービス業における中分類別付加価値額の構成割合(図 2-4-2 参照)は、 順に、飲食店(66.1%) 、宿泊業(28.0%) 、持ち帰り・配達飲食サービス業(5.9%)とな った。 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-4-2 宿泊業、飲食サービス業 中分類別付加価値額 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における宿泊業・飲食サービス業の従業者数(事業所単位)の構成割 合は 7.7%で、栃木県平均 9.1%、全国平均 9.7%より比して低い。 宿泊業・飲食サービス業における中分類別従業者数の構成割合(図 2-4-3 参照)は順に、 飲食店(79.3%)、宿泊業(13.2%) 、持ち帰り・配達飲食サービス業(7.5%)となった。 21 大田原市 栃木県 全国 出典:総務省「平成 21 年経済センサス-基礎調査」、総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス-活動調査」再編加工 図 2-4-3 宿泊業、飲食サービス業 中分類別従業者数 構成割合(2012 年) 大田原市の全産業における宿泊業・飲食サービス業の取引流入額の構成割合は栃木県平 均、全国平均と共に 0.1%以下となった。(取引流入額の図は省略) 宿泊業・飲食サービス業製造業について他地域と比較し特化係数としてまとめると、大 田原市の宿泊・飲食サービス業の特化係数一覧(表 2-4-4 参照)のとおりとなる。 表 2-4-4 大田原市の飲食店の特化係数一覧 業種 飲食店 宿泊業 持ち帰り・ 配達飲食サービス業 基準値 大田原市構成比① 売上高 付加価値額 従業者数(事業所単位) 売上高 付加価値額 従業者数(事業所単位) 売上高 付加価値額 従業者数(事業所単位) (取引流入額は省略) 67.4 66.1 79.3 23.7 28 13.2 8.9 5.9 7.5 栃木県構成比 64.1 66.8 75.1 27.5 22.6 16.6 8.4 10.6 8.2 全国構成比② 特化系数(①÷②) 66.5 70 77.9 23.2 19.3 12.9 10.4 10.7 9.1 1.01 0.94 1.02 1.02 1.45 1.02 0.86 0.55 0.82 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」、株式会社帝国データバンク「企業間取引情報」を再編加工 大田原市の医療・福祉の特化係数一覧(表 2-3-4 参照)のとおり、各指標(売上高、付 加価値額、従業者数、取引流入額)の特化係数が、複数、1.5 以上(特化係数の全国平均は 1)である業種はなかった。 ⑤ STEP2 のまとめ STEP1で主要産業として抽出した産業のうち、各指標(売上高、付加価値額、従業者数、 取引流入額)における特化係数を中分類別に確認する。その結果、構成比が上位かつ特化 係数が、複数、1.5 以上ある大田原市の産業(中分類別)は、電気機械器具製造業、業務用 機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、情報通信機械器具製造業、飲食 料品小売業、その他の小売業となった。これらを大田原市の主要産業として特定する。 ⑥ STEP1 と STEP2 のまとめ STEP1 の売上高や従業員者数などの数値(絶対値)と STEP2 の特化係数(比率)による分 析の結果を 2 次グラフで表示し(図 2-6-1、図 2-6-2、図 2-6-3、図 2-6-4、図 2-6-5、図 2-6-6 参照)産業構造の特徴を把握する。 22 (1) 製造業 売上高(百万円) 300,000 特化係数 12 250,000 10 200,000 8 150,000 6 100,000 4 50,000 2 0 0 売上高(百万円) 特化係数(2012) 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 2-6-1 大田原市 製造業の売上高と売上高特化係数(企業単位、2012 年) 従業者数(人) 3,500 特化係数 5 3,000 4 2,500 2,000 3 1,500 2 1,000 1 500 0 0 従業者数(2009) 従業者数(2012) 特化係数(2009) 特化係数(2012) 出典:総務省・経済産業省「平成 21 年、平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 2-6-2 大田原市 製造業の従業者数と従業者数特化係数(企業単位、2009 年、2012 年) 23 特化係数 付加価値額(百万円) 30,000 7 25,000 6 5 20,000 4 15,000 3 10,000 2 5,000 1 0 0 付加価値額(2012) 特化係数(2012) 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 2-6-3 大田原市 製造業の付加価値額と付加価値額特化係数(企業単位、2012 年) (2) 卸売業、小売業 特化係数 売上高(百万円) 20,000 4 15,000 3 10,000 2 5,000 1 0 0 売上高(百万円) 特化係数(2012) 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 2-6-4 大田原市 卸売業、小売業の売上高と売上高特化係数(企業単位、2012 年) 24 従業者数(人) 特化係数 2,000 2 1,600 1.5 1,200 1 800 0.5 400 0 0 従業者数(2009) 従業者数(2012) 特化係数(2009) 特化係数(2012) 出典:総務省・経済産業省「平成 21 年、平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 2-6-5 大田原市 卸売業、小売業の従業者数と従業者数特化係数 (企業単位、2012 年) 特化係数 付加価値額(百万円) 3,000 3 2,500 2.5 2,000 2 1,500 1.5 1,000 1 500 0.5 0 0 付加価値額(2012) 特化係数(2012) 出典:総務省・経済産業省「平成 24 年経済センサス―活動調査」 図 2-6-6 大田原市 卸売業、小売業の付加価値額と付加価値額特化係数 (企業単位、2012 年) 25 第4項 STEP3 STEP1 及び STEP2 において特定した大田原市の主要産業(輸送用機械器具製造業、電気機 械器具製造業、飲食料品小売業、機械器具卸売業、不動産取引業)について、産業マップ の企業別花火図を用い、売上高、従業員数、コネクター度・ハブ度、雇用貢献度、利益貢 献度の観点を総合的に踏まえ中核企業候補の抽出を行った。 ① 電気機械器具製造業の中核企業候補抽出 電気機械器具製造業における中核企業候補抽出については、 抽出条件を 2014 年の全産業、 取引関係は販売を対象とした。これにより、中核企業候補が 2 社抽出される。そのうち 1 社は 1,000 億円規模の売上高があり電気機械器具製造業を支える中心的な企業である。こ の企業の仕入先については、大田原市および那須塩原経済圏からの域内仕入数は域外仕入 数に比して少ない(表 3-1-1 参照) 。 表 3-1-1 電気機械器具製造業の中核企業候補(2014 年) 企業名 A社 B社 コネクター度・ ハ フ ゙度( 50/50) 売上高順位 従業員数順位 1 2 1 2 ハ フ ゙度 100 コネクター度100 1 2 2 1 1 2 雇用貢献度100 1 2 利益貢献度100 1 2 出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」 ② 業務用機械器具製造業の中核企業候補抽出 業務用機械器具製造業における中核企業候補抽出については、抽出条件を 2014 年の全産 業、取引関係は販売を対象とした。これにより、中核企業候補が 10 社抽出される。そのう ち売上高規模、従業者規模の大きい企業の上位 3 社は、大田原市の業務用機械器具製造業 の中心的な企業の関連会社である。これら企業の仕入先については、大田原市及び那須塩 原経済圏からの域内仕入数は域外仕入数に比して少ない。上位 3 社以外の 2 社については 売上高規模、従業者数規模においても大きく、コネクター度、ハブ度の高い企業が存在し ている(表 3-1-2 参照) 。 表 3-1-2 業務用機械器具製造業の中核企業候補(2014 年) 企業名 A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 I社 J社 売上高順位 従業員数順位 1 3 4 5 7 8 9 10 6 2 1 3 5 4 6 9 8 9 7 2 コネクター 度・ ハ フ ゙度( 50/50) コネクター 度100 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 8 2 3 4 5 6 7 9 10 ハ フ ゙度 100 1 2 4 5 7 8 9 10 6 3 雇用貢献度100 7 6 4 10 8 2 9 1 3 5 利益貢献度100 1 10 5 3 4 7 8 9 6 2 出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」 26 ③ 電子部品・デバイス・電子回路の中核企業候補抽出 電子部品・デバイス・電子回路における中核企業候補抽出については、抽出条件を 2014 年の全産業、取引関係は販売を対象とした。これにより、中核企業候補が 5 社抽出された。 そのうち、売上高、従業者数において上位の 2 社は、電気機械器具製造業と業務用機械器 具製造業で抽出された企業の関連会社である。上位 2 社以外でコネクター度、ハブ度の高 い企業が 1 社存在している(表 3-1-3 参照) 。 表 3-1-3 電子部品・デバイス・電子回路製造業の中核企業候補(2014 年) 企業名 売上高順位 従業員数順位 3 4 2 1 5 A社 B社 C社 D社 E社 コネクター 度・ ハ フ ゙度( 50/50) 3 4 1 2 5 ハ フ ゙度 100 コネクター 度100 1 2 3 4 5 2 3 1 4 5 1 2 3 4 5 雇用貢献度100 利益貢献度100 4 1 3 2 5 3 2 4 1 5 出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」 ④ 情報通信機械器具製造業の中核企業候補抽出 情報通信機械器具製造業における中核企業候補抽出については、抽出条件を 2013 年の全 産業、取引関係は販売を対象とした。これにより、中核企業候補が 3 社抽出された。その うち、1社は売上高が 1,000 億円規模の企業であり、その他の企業は売上高 10 億円規模の 企業である(表 3-1-4 参照) 。 表 3-1-4 情報通信機械器具製造業の中核企業候補(2013 年) 企業名 A社 B社 C社 売上高順位 従業員数順位 2 1 3 2 1 3 コネクター 度・ ハ フ ゙度( 50/50) ハ フ ゙度 100 コネクター 度100 1 2 3 1 2 3 3 2 1 雇用貢献度100 3 1 2 利益貢献度100 3 1 2 出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」 ⑤ その他の小売業の中核企業抽出の中核企業候補抽出 その他の小売業における中核企業候補抽出については、抽出条件を 2014 年の全産業、取 引関係は仕入を対象とした。これにより、中核企業候補が 8 社抽出された。そのうち売上 高規模、従業者数規模が上位であり、コネクター度、ハブ度の高い企業は、2 社存在してい る(表 3-1-5 参照)。 27 表 3-1-5 その他の小売業の中核企業候補(2014 年) 企業名 売上高順位 従業員数順位 4 3 1 2 5 6 7 8 A社 B社 C社 D社 E社 F社 G社 H社 コネクター 度・ ハ フ ゙度( 50/50) 7 2 1 5 3 4 6 - ハ フ ゙度 100 コネクター 度100 1 2 3 4 5 6 7 8 1 2 3 4 5 6 7 8 雇用貢献度100 4 3 1 2 5 6 7 8 利益貢献度100 6 4 5 7 1 3 2 8 4 3 8 1 5 6 2 7 出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」 ⑥ 飲食料品小売の中核企業候補抽出 飲食料品小売業におけるについては、抽出条件を 2014 年の全産業、取引関係は仕入を対 象とした。これにより、中核企業候補が 4 社抽出された。そのうち、売上高規模、従業者 数規模が 2 位の企業は、コネクター度、ハブ度が高い中核企業候補である。売上高規模、 従業者数規模が 1 位である企業は、ハブ度は 2 位であるが、コネクター度は 4 位となって いる(表 3-1-6 参照) 。 表 3-1-6 飲食料品小売業の中核企業候補 企業名 売上高順位 従業員数順位 4 2 3 1 A社 B社 C社 D社 3 2 4 1 コネクター 度・ ハ フ ゙度( 50/50) ハ フ ゙度 100 コネクター 度100 1 2 3 4 1 3 4 2 1 2 3 4 雇用貢献度100 2 1 4 3 利益貢献度100 4 2 3 1 出典:株式会社帝国データバンク「企業概要データベース COSMOS2」、株式会社帝国データバンク「企業間取引データ TRD」 第5項 ① STEP4 目的地分析 日野市内への訪問について、訪問先への検索回数データを元に観光マップを用い目的地 分析を行う。検索条件を 2014 年平日・休日とし、交通手段を自動車に指定し分析した。そ の結果、最も検索された目的地は、平日・休日共に栃木県なかがわ水遊園である(図 4-1-1、 図 4-1-2 参照) 。 28 出典:株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」 図 4-1-1 自動車による訪問先と推定訪問数(2014 年、休日) 出典:株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」 図 4-1-2 自動車による訪問先と推定訪問数(2014 年、平日) 自動車による訪問先と推定訪問数(2014 年、休日)(図 4-1-1 参照)及び自動車による 訪問先と推定訪問数(2014 年、平日)(図 4-1-2 参照)を元に上位 5 カ所の訪問先につい て 2014 年 4 月から 2015 年 3 月までの検索数推移を分析する。その結果、休日・平日とも に 10 月から 12 月にかけて目的地検索回数が減少している。休日の目的地検索回数では、6 月から 8 月にかけて栃木県なかがわ水遊園に検索回数が増加している。また、ゴルフ場の 目的地検索回数では、5 月と 10 月にピークとなる特徴がある(図 4-1-3 参照) 。 一方、平日の目的地検索回数では、5 月、7 月、8 月に栃木県なかがわ水遊園の検索回数 がピークとなった。ゴルフ場の目的地検索回数は、冬季は若干減少するが通年を通して検 索回数が一定となっている(図 4-1-4 参照) 。 29 図 4-1-3 自動車による目的地検索ランキング(2014 年 4 月~2015 年 3 月、休日) 出典:株式会社ナビタイムジャパン「経路検索条件データ」 図 4-1-4 自動車による目的地検索ランキング(2014 年 4 月~2015 年 3 月、平日) ② メッシュ分析(流動人口) 大田原市内の流動人口について、月別、平日・休日別の流動人口推移をヒートマップで 把握し、任意の地域を選択し、流動人口の推移を時系列で把握する。 メッシュ分析(流動人口)の検索条件を 2014 年 6 月休日に設定し、ヒートマップから流 動人口が多いメッシュを把握した。これにより、市役所通り、中央通り、南大通、バイパ ス通り周辺で流動人口密度が高くなっていることがわかる。目的地分析において検索回数 が平日、休日で最大となっていた栃木県なかがわ水遊園周辺の流動人口も高くなっている (図 4-2-1 参照) 。 30 市役所通り バイパス沿い 中央通り 南大通り なかがわ 水遊園 出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」 図 4-2-1 大田原市街地 メッシュ分析 流動人口(2014 年 6 月、休日) 流動人口密度が高い場所を詳しくみると、中央通り周辺以外では、幹線道路沿いの商業 集積地となっており、目的地分析で抽出される場所とは異なることがわかる。すなわち、 商業集積地は地域の住民が主に利用する施設であることが推測される。 ③ メッシュ分析(中心市街地と周辺の比較) 2014 年休日の市街地における流動人口密度は、バイパス沿いが通年で高く、4 月に最大 となっている(図 4-3-1 参照) 。 出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」 図 4-3-1 大田原市 流動人口の月別推移(2014 年、休日) 2014 年 4 月における流動人口の時間帯別の変化をみると、市街地周辺ではバイパス通り 沿いが 12 時と 18 時、19 時にピークとなっており、南大通りでは、14 時前後にピークとな 31 っている。栃木県なかがわ水遊園では、12 時がピークとなっている(図 4-3-2 参照) 。 出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」 図 4-3-2 大田原市 流動人口の時間別推移(2014 年 4 月、休日) ④ From-to 分析 大田原市における滞在人口を平日・休日別にどの地域からの滞在人口が多いかを都道府 県別・市区町村別に把握する。From-to 分析を 2014 年の平日、表示地域単位を市区町村単 位・都道府県単位にて選択して把握したところ、滞在人口の 96.7%は県内由来であり、そ のうち、61.3%が栃木県大田原市由来となっている。滞在人口の 3.2%は県外由来となって おり、そのうち 69.7%は福島県、茨城県由来の滞在人口となっている(図 4-4-1 <市区町村単位> 県内 <都道府県単位> 県外 県外 出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」 図 4-4-1 大田原市 滞在人口(2014 年、平日) 32 参照)。 From-to 分析を 2014 年の休日、表示地域単位を市区町村単位・都道府県単位にて選択し て把握したところ、市区町村単位で滞在人口よると、滞在人口の 95.5%は県内由来であり、 そのうち、65.6%が栃木県大田原市由来となっている。滞在人口の 4.4%は県外由来となっ ており、そのうち 53.4%は福島県、茨城県由来の滞在人口となっている(図 4-4-2 参照) 。 <市区町村単位> 県内 <都道府県単位> 県外 県外 出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」 図 4-4-2 大田原市 滞在人口(2014 年、休日) ⑤ 滞在人口の推移(月別・時間別) 観光マップの滞在人口率を用いて大田原市の月別・時間別の滞在人口推移をみると、平 日休日ともに大田原市の滞在人口は、1 月に微減する傾向にある。通年では 12 万人前後で 推移している(図 4-5-1 参照) 。 <月別> 出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」 図 4-5-1 大田原市 滞在人口の月別推移(2014 年) 33 滞在人口の時間別推移をみると、 平日休日ともに滞在人口は 7 時がピークとなっている。 また、平日休日それぞれにおいて、滞在人口の時間別推移は同じ傾向となっている(図 4-5-2 参照) 。 <時間別> 出典:株式会社 Agoop「流動人口データ」 図 4-5-2 大田原市 滞在人口の時間別推移(2014 年) ⑥ STEP4 のまとめ メッシュ分析では、市役所通り、南大通、バイパス沿い、野崎駅周辺で流動人口が多く なっている。これらの場所は幹線道路沿いの商業施設が集まる場所である。商業施設周辺 の時間別流動人口をみると、昼から夕方にかけての人口が多くなっており、12 時前後、17 時前後にピークをもつことがわかる。 大田原市への訪問者をみると、県内の近隣市町村や近隣県の茨城県・福島県からの訪問 者が多い点が特徴としてあげられる。 月別、時間別に滞在人口をみると、平日休日で大きな差異がみられない点も特徴として あげられる。 第6項 栃木県大田原市の定性分析 定量分析では把握が難しい点である「自治体の取組」や「中核企業候補が抱える課題」 などについては、ヒアリングなどの定性的な分析を実施し、それを踏まえた当該地域の特 徴・課題、政策的方向性は以下のとおりである。 ① 自治体の取組および中核企業候補の課題・ニーズ 大田原市においては、これまで地域の産業振興をめざし主に 5 つの取り組みを実施して いる。 「大田原市医療福祉産業都市構想」に代表される医療福祉の産業集積地を目指した取 り組みが特徴的である。 今後の施策の方向性としては、引き続き、医療福祉産業の集積を図るとともに、行政と しては、企業立地に対する直接的な支援だけではなく、大学や医療機関等との連携により、 保健福祉分野の施策の充実により、医療福祉分野の産業全体が活性化するような間接的な 支援を実施する予定である。今年度からは、 「大田原市がん先進医療治療費助成金」を創設 し、公的医療保険が適用されないがん先進医療を受ける方に対して助成金を交付するとい 34 う事業を開始している。当該事業は、先進医療の普及を図ることで、地域の医療水準を向 上させることが目的であり、医療機器産業の活性化にも寄与することを目的としている。 誘致企業に対しては、積極的に具体的なヒアリングや意見交換を実施し、企業の満足度 を高め、大田原市との関係性を密に保つ取り組みを推進する予定である。中小企業支援に ついては、企業の新分野進出に対する支援を強化するとともに、国や県と連携した人材支 援、金融機関等のマッチングといったこれまでとは違った角度からの支援を実施する予定 となっている。 また、中核企業候補へのヒアリングからは、立地メリットとして自然災害の少なさが魅 力であるとの声があるが、交通面でのアクセス支援などのニーズも存在する。 ② 分析から導き出された大田原市の特徴と課題 製造業が売上高や従業者数など圧倒的に多くを支える構造であり、中でも電気機械器具 製造業、業務用機械器具製造業」が当該地域を支える主要産業となっている。これらの産 業において大手企業の存在が特徴的である。また、業務用機械器具製造業にはコネクター ハブ度が比較的大きい二番手グループの存在も特徴的である。工業団地の造成を中心とし た積極的な企業誘致が功を奏し、大手製造業などの立地が顕著となっているが、域内企業 との取引は希薄な独立型の産業構造となっている。そのため、これらの企業の工場移転等 が生じた場合の域内企業へのマイナスの影響は大きくないことが推測されるが、一方で大 手企業の稼ぎを域内企業へと波及させていくことも課題となっている。 ③ 政策的方向性 地域に根ざした中核企業の創出に向けて、中小規模の企業の新分野進出支援策などを提 供することが重要である。企業誘致によって立地した大手企業の事業所が域外へと移転し ないようなハード・ソフト両面からの環境整備策を検討することも重要と考えられる。 35
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