札幌市立真駒内公園小学校の取組【雪に関する教育課程】

平成 27 年度 札幌らしい特色ある学校教育推進事業
実践報告書
札幌市立 真駒内公園小学校の取組 【雪に 関す る 教育課 程 】
1.研究のねらい
本 校 で は 、毎 年 3 年 生 が 校 区 内 の 町 内 会 行 事「 ゆ き あ か り キ ャ ン ド ル ロ ー ド 」に 参 加 し て
い る 。本 校 は 開 校 以 来 、他 人 を 思 い 遣 る 気 持 ち 、自 分 を 大 切 に す る 心 な ど の「 人 権 教 育 」に
取 り 組 ん で き た 。さ ら に 雪 に 関 す る 活 動 を ど の よ う に 教 育 課 程 に 位 置 付 け る か を 模 索 し て い
た 時 期 で あ っ た 。一 方 、町 内 会 で は 高 齢 化 が 進 ん で き て 、行 事 へ の 参 加 者 が 減 っ て き て 、少
し で も 参 加 者 を 増 や し た い と い う 実 情 が あ っ た 。雪 に 関 す る 活 動 を 通 し て 、地 域 の 方 と 触 れ
合 い 、地 域 へ の 愛 着 を も ち 、人 や 地 域 を 大 切 に す る 心 を 育 ん で い き た い と い う 本 校 の 願 い と 、
地 域 の 中 で 子 ど も た ち を 育 て 、子 ど も た ち と 交 流 す る こ と で 、町 内 会 行 事 の 活 性 化 を 図 り た
い と い う 町 内 会 の 思 い が 見 事 に 合 致 し て こ の 活 動 が 始 ま り 、そ の 後 も 継 続 し て 活 動 を 進 め て
いる。
2.取組内容
(1)「 ゆ き あ か り キ ャ ン ド ル ロ ー ド 」 の 準 備 を し よ う
➀スノーキャンドルの作り方
町内会の方を講師として本校に招きスノーキャンドルの作り方を教えていただいた。
初めて作る子どもも多く、みんな真剣に聞いていた。今日は、最初なので体育館でバ
ケ ツ を 使 っ て 行 っ た 。 室 内 の 指 導 で あ っ た が 、「 ス ノ ー キ ャ ン
ドル」について、おおよそのイメージを感じとることができ
た。
➁雪像づくり
本番に向けて2回、会場に出向き子どもたちが雪像づくりを行った。最初に地域の
方から説明をいただき、その後、グループ毎に雪像づくりが始まった。事前につくる
ものを決めていたため、子どもたちはグループで協力して雪を積み、削り始め、雪像
づくりを行った。天気にも恵まれ、気温が高く、雪も固ま
りやすかった。初日は雪像づくりには最良の日であった。
地域の方もお手伝いしてくださったり、温かく見守ってく
ださったりしていた。
2回目は、大変寒く、雪が固まりにくい条件であったが、
子どもたちは水を上手に使い、雪像の表面をつるつるにし
て、氷状にしようと励んでいた。グループによっては、色
付けしたカラフルな雪像を作っていた。
最後は、みんなで他のグループの雪像を見て、感想を
伝え合っていた。
「雪に関する教育課程研究実践校」札幌市立真駒内公園小学校
(2) 「 ゆ き あ か り キ ャ ン ド ル ロ ー ド 」 に 参 加 し よ う
①スノーキャンドル作り
午前中の2時間を使って、スノーキャンドルつくり
を行った。土曜日であったが、多くの子どもたちが参
加してくれた。もう一度、作り方を確認して、グルー
プごとに作り始めた。最初は、崩れてしまったり、穴
が小さすぎたりして思い通りのスノーキャンドルにな
らなかったが、水の量を調整したり、雪を固めたりして、試行錯誤を続けていくうち
に 、 徐 々 に 上 達 し て き た 。 中 に は 、 15 個 以 上 作 る グ ル ー プ も 見 ら れ た 。 終 了 時 刻 に な
っ て も「 ま だ 、作 り た い 」「 帰 っ て か ら 、ま た 来 て 作 り た い 」な ど の 声 も 聞 こ え て 、地
域の方も喜んでいた。多くのスノーキャンドルが並んでいるのを見て、点灯後のスノ
ーキャンドルへの興味が高まっていた。
➁点灯後のキャンドルロード
夕 方 、16 時 30 分 か ら ス ノ ー キ ャ ン ド ル に 点 灯 を 始 め た 。子 ど も た ち が 、キ ャ ン ド ル
を1本ずつ置いて、火を灯していった。この日は風がなく、雪像に置いたキャンドル
の火も消えることなく、長時間点いていた。点灯時は、まだ明
るかったが、だんだん暗くなってきて、キャンドルの灯りがゆ
らめくと、とても幻想的な雰囲気となった。保護者だけではな
く、地域の方もたくさん訪れてくださった。
3.成果と課題
(1) 成 果
子どもたちは地域の方々と一緒になって活動することで、人と触れ合うことのよさを
実感し、改めて地域の大切さを感じることができた。子どもたちがつくった雪像やスノ
ー キ ャ ン ド ル を 見 た 地 域 の 方 が 「 す ご い 」「 き れ い 」 と 喜 ん で く れ た こ と で 、 自 分 た ち の
取組を認めていただいていることを実感できた。さらに、3年生の子どもたちは学校の
代表として行事に参加したという意識をもつことができ、地域に貢献したという思いも
強く感じている。地域の方から、多くの子どもたちの参加に対する感謝の言葉をいただ
いたことで、自分たちの活動に自信をもち、自尊感情を高めることができた。
このように、学校のねらいである「人権教育」と「雪」の活動を組み合わせて、多く
の地域の方と交流できたことが大きな成果である。また、昨年度まで参加していた4年
以上の子どもたちも多数参加したことは、地域行事への参加意識の高まりと考える。
(2) 課 題
雪像をつくる公園が、学校から少し離れているため、安全面で配慮をしたり、道具を
運搬したりする人員の確保が必要であった。また、点灯は夜の活動のため、保護者同伴
をお願いしているが、家庭の都合により、自分たちが作ったスノーキャンドルの点灯に
参加できない状況があったのは残念である。