通信№69~【工業デザイナー高居佳史氏セミナー開催】

NPO 法人ビジネスサポートひかわ通信(№69)
~ジャストインタイムで作る。物と情報の流れを見え化する。ものづくりの仕組みを変える~
今回は、島根県ではただ一人のプロダクトデザイナーである「高居
佳史
氏」を講師にお
迎えし、ものづくりにおけるデザインと「デザインというものが持つ力」という内容で、製品
へ「デザインというものが持つ力」が加わることによってその製品がいかに価値あるものにな
るかを高居さんが携わってこられた作品紹介を通して、参加者の方々に説明をしていただきま
した。
高居氏は、武蔵野美術大学
工芸工業デザインを卒業され、デザイン事務所で 8 年間の勤務。
その間は、主に車のデザインをされていましたが、2011 年独立とともに帰省し、出雲(平田)
において自動車用品、家電、スポーツ用品など幅広い分野のデザインを全国的に手掛ける稀有
なデザイナーです。
高居氏もこのようなセミナーは初めてとの事で、今回は一般的に理解されている「デザイン」と「デザイナー」につ
いて、また実際の仕事として行っている各分野の「デザイン」にはミスマッチがあることを強調された。
(価値の多様化
により細分化したデザイン業界において、それぞれのジャンルにおいて本質が異なるため、ミスマッチが起こりやすい
とのこと。)デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画”を“記号に表す”という意味のラテン語(designare)
であるとのことで、デザインとは、ある問題を解決するために思考・概念の組立を行い、それを様々な媒体に応じて表
現することと解されるそうです。デザイン≠素晴らしい絵を描く
よく「綺麗なデザイン」にしてくれと言われるが、
「デ
ザインとは、単にどのように見えるか、感じるかではなく。どう機能するかだ。
」とスティーブ・ジョブズが言っていま
す。プロダクトデザイナーとは、企画立案からコンセプト立案、共有・精査、図案化・製造、パッケージ化・プロモー
ションまで、作られる前から消費された後までのストーリーを提示できる映画監督のような役割だそうです。
現在日本には、プロダクトデザイナーは約一万人おり、その 98%は企業の中で自動車のドアだけを専属で担当するな
ど、その専門の人達がほとんどだそうです。島根県では高居氏一人だそうです。高居氏は多様な素材を使いこなす工業
デザイナーとして異色のキャリアを身に付けられ、仕事は全国から依頼が来るということです。セミナーは、高居氏が
デザインされたゴルフセットやスマートフォンケースなどを手に取り、参加者と自由にディスカッションしながら大好
評に終わりました。
*******【参加者の声】*******
●プロダクトデザイナーの世界を詳しく知ることができとても参考になりました。島根の人が高居氏を通じて変革する
ことを願っています。●大変興味深く聞かせていただいた。高居さんのような方が島根の付加価値を向上させてくださ
る存在だと思います。●デザインの可能性に素晴らしい物を感じました。●物事に対するアプローチの仕方は業種を問
わず参考となるお話だった。●今後の仕事のお願いをするにあたっての仕事の流れが良く判って参考になりました。●
知らないことが多く、デザインに対して考え方が変わりました。●デザインのイメージが逆転した。●デザインと言っ
ても様々な分野があることが良く判りました。仕事を進める流れなど参考になりました。
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