【タイトル】 The 400- and 800-m Track Running Induces Inspiratory Muscle Fatigue in Trained Female Middle-Distance Runners (400m 及び 800m 走は、吸息筋の疲労を引き起こす ~女子陸上中距離走選手を対象として~) 【掲載誌】 J Strength Cond Res 30 (5): 1433-1437, 2016 【執筆者】 Toshiyuki Ohya, Ryo Yamanaka, Masahiro Hagiwara, Marie Oriishi, Yasuhiro Suzuki (大家利之、山中亮、萩原正大、居石真理絵、鈴木康弘) 【アブストラクト】 ●背景:自転車ペダリング運動では、短時間で疲労困憊に至るような高強度運動で吸息筋 が疲労しないことから、吸息筋の疲労には運動強度だけでなく運動時間も関係しているこ とが示唆されている。一方、走運動では、マラソンのような長時間運動後に吸息筋が疲労 することが報告されているが、短時間高強度運動後に吸息筋が疲労するか否かについては 明らかにされていない。走運動中は上肢を動かしている時に、横隔膜の活動が増加するこ とによって腹腔内圧が増加し姿勢を維持するため、短時間高強度運動時にも吸息筋が疲労 する可能性がある。本研究では、吸息筋力の指標として広く用いられている最大吸気口腔 内圧の低下を吸息筋の疲労と定義し、400m 走および 800m 走後に、吸息筋が疲労するか否 かについて検討した。 ●方法:大学女子陸上中距離走選手 8 名を対象に、400m トラックにおける 400m および 800m 全力走テストの前後に、オートスパイロメータを用いて、最大吸気口腔内圧を測定し た。 ●結果:400m 走および 800 走後の最大吸気口腔内圧は、いずれもテスト前と比較して有意 に低下した。 ●結論:走運動では、短時間高強度運動においても吸息筋が疲労することが示唆された。
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