立志式

立志生に捧ぐ
一雨ごとに春の訪れを感じさせる今日のよき日,来賓のみなさま,そして,たくさんの保護者の
方々に見守られ,箱崎清松中学校 第六回立志式を挙行できますことを心より感謝申し上げます。
本日立志式を迎えられた 2 年生226名のみなさん。おめでとうございます。
この立志式は,江戸時代の終わり,越前福井藩の橋本左内が書いた「啓発録」という本に由来し
ます。この時左内は,十五歳。みなさんと同じ年頃です。
「一人前になって自立し、立派な考えや行動ができるためにはどうしたらいいか」と考え抜いた
左内が、五つの心構えをこの本に書きました。それが,
Ⅰ 稚心をさる
甘えた心・幼稚な心をすてされ
Ⅰ 気を振るう
人に負けない心をもち,絶えず努力せよ
Ⅰ 志を立つ
目標を立てて,まっすぐにその方向をめざせ
Ⅰ 学に勉む
優れた人物の立派な行動を見習い,実行する
そして最後に,Ⅰ 交友を選ぶ
自分の欠点を指摘し,ただしてくれる友達こそ大切にせよ
およそ 170 年,時代をさかのぼっても,人として大切なこと,心構えは変わらないものがあると
実感します。
今日の立志式は,みなさんがこれまでの学びをもとに立てた一人一人の志を表現する場です。自
分の考えをしっかりと言葉にすることで,これからの自分の行動に責任が生まれてきます。そして,
志が違っていても,実現するために共通していることがあります。それは、
「ぶれない考えと努力」
です。
「素晴らしい成功=志の実現」の陰には、周囲の状況に左右されないしっかりとした考えと、
人には見えないところで続けられた,ひたむきな努力が隠されています。
立志生のみなさん。まず自分の足下をしっかりと見てください。そうすれば今何をするべきか,
何を正すべきか,みなさんならわかるはずです。勉強も,
「怒られたくない。いい点数をとりたい。
」
だからやるのか。それとも,5 年後,10 年後の自分自身のために,幅広い知識を身につけることが,
将来必要だから頑張るのか。そう考え方を変えたとき,学ぶことが本当に自分のものになり,みな
さんの志を支える土台となるはずです。そして、小さな目標を立て、それに向かって気を振るうこ
と。行動にうつしてください。そこで得られる達成感や満足感は、必ず次の挑戦へのエネルギーに
なります。
みなさんは大きな行事を節目に一人一人が成長を見せてきました。そして、個人の成長とともに
学年集団としての力も着実に向上していると感じています。
中学校生活も最後の一年を迎えます。授業や部活動、日々の生活の中で自分を磨いてください。そ
して、十七年目の箱崎清松中学校にみなさんが新たな伝統を刻んでくれると確信しています。
皆さんの限りない前途を祝福するとともに志の達成を心より願い,立志式の式辞と致します。
平成二十八年二月二十日
福岡市立箱崎清松中学校
校長
中村
ゆみ