CVT寒天培地

低温細菌用
CVT寒天培地‘栄研’
由 来
1)
Olson(1963)は乳および乳製品などを低温保存した際に、 乳質変化をおこす原因菌の大部分がグラム陰性菌であることに着眼して、
これらの細菌を選択的に分離する培地を考案しました。
2)
CVT 寒天培地は、 それを改良したもので、 乳および乳製品の低温細菌検査に適し、 食品衛生検査指針 に掲載されています。
CVTとは Crystal Violet Triphenyltetrazolium chloride の略です。
組 成
培地 23.5g/1,000mL
酵母エキス・
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・2.5g
ぺプトン・
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・5.0g
ブドウ糖・
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・1.0g
クリスタルバイオレット・
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・0.001g
トリフェニルテトラゾリウムクロライド
(TTC)
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・0.05g
カンテン・
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・15.0g
pH7.0±0.2
機構及び特徴
低温細菌は生育の最適温度とは関係なく、 低温で比較的すみやかに生育できる細菌群で、 2 ∼ 5℃で 7 ∼ 10日間以内に肉眼で認めら
れる集落を形成する細菌の総称です。 我国では法的な規格基準はありませんが衛生指標菌または汚染指標菌とされています。
低温細菌数の測定には標準寒天培地が用いられ、 迅速測定に CVT 培地が用いられます。
本培地は乳および乳製品などの低温細菌数の比較的短時間培養(25℃、 48 ∼ 72 時間)
で推定するのに使用します。 乳および乳製品
の品質や保存性に関係する低温細菌が主にグラム陰性菌(シュードモナス、 アシネトバクター、 アルカリゲネス、 フラボバクテリウムなど)
であ
ることに着目し、 クリスタルバイオレットによりグラム陰性菌を選択的に増殖させ、 TTCを還元して赤色集落を形成するように考案された培地
です。
使用目的
乳および乳製品などの低温細菌検査。
使用法
培地 23.5gを精製水 1,000mL に加温溶解後、 121℃15 分間滅菌し、 シャーレに約 20mL ずつ分注し、 平板にします。 培地表面をよく
乾燥後、 試料を塗抹します。 混釈培養の場合、 高圧滅菌した培地を約 50℃に保ち、 試料の一定量と混釈します。 20 ∼ 25℃で 48 ∼ 72
時間培養します。
低温細菌は赤色集落をつくります。
使用上の注意
1. 湿潤しやすいので開包後直ちにお使いください。
2. 本品は遮光して保存すること。
3. TTC は加熱しすぎると赤色に変化するので、溶解滅菌後すみやかに取りだし過度の加熱をしないでください。
製品仕様
製 品 名
包装単位
貯蔵方法
有効期間
製品コード
統一商品コード
CVT寒天培地
‘栄研’
100g
室温保存
3 年間
E-MB07
026259536
文 献
1)Olson : J. Dairy Sci., 46 : 362, 1963.
2)厚生労働省監修:食品衛生検査指針 微生物編, 日本食品衛生協会, 東京, 2004.
製造販売元
5050 BMK
2008 年 4 月作成